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2011年02月16日

避難準備情報を発表
[16(水)23時更新]

一部地域に避難準備情報を発表
都城市は、22時5分、西岳地区と山田地区の一部地域に避難準備情報を発表しました。土石流や泥流の発生する恐れがあります。自治体の情報をこまめに確認し、避難できる準備を整えておいて下さい。
◆雨への備えを
写真は屋根に堆積した火山灰の断面。雨にさらされた表面は固まって板状になっているのがわかります。板状になった火山灰の下はサラサラの火山灰。雨水が浸透していないのがわかります。(写真:都城市山田町 ウェザーニュース現地スタッフより)

天気は下り坂。これまでの雨では土石流が発生していませんでしたが、今回の雨による土石流発生に警戒が必要です。
高原町を中心に降灰の多い南東エリアでは16(水)夜から雨が降り出し、強い雨が降ります。17(木)夕方も再び雨のピークに。1時間あたり30ミリ以上の強雨や大雨になる恐れもあり、噴火以来、最もまとまった雨になる予想です。自治体からの情報をこまめに確認してください。
また、土石流危険渓流でない渓流においても少ない降水で土石流が発生する可能性もあり、雨が降っている間は渓流には近づかないでください。
また、風は南西風のち西風のため、雨のピーク前の昼過ぎまでは宮崎市から北のエリアで灰混じりの雨になる可能性があり、夕方からは宮崎市から日南市にかけてのエリアで灰混じりの雨になる可能性があります。

◆都城市/高原町の基準
避難準備情報発表
…1時間あたりの雨量が4ミリ以上の時、または、降り始めから10ミリに達した時
避難勧告発令
…1時間あたりの雨量4ミリ以上が連続して2時間継続すると予測される時、または、降り始めから20ミリに達した時
今後は、この目安も変わる可能性もあり。自治体からの情報にも注意が必要です。

◆土石流なぜ起こる?
土石流や泥流とは、土砂が水と一緒に川や谷を流下してくる現象のこと。雨を含んだ火山灰は山の表面でコンクリートの役割を果たすので、地面に雨水が浸透しなくなります。このため少しの雨でも谷地形に水が集まりやすく、水の勢いが増して、木をなぎ倒し、土石流を引き起こすのです。

◆土石流から身を守るためには…
火山灰が積もっていて、新燃岳を上流とする川や谷沿いにお住まいの方は、川から直角方向に離れた安全な場所に移動。万が一、土石流が発生した後に避難する場合は、川や谷には近づかないで下さい。
自分の場所が影響するかどうか、事前に自治体HPにある【土石流防災区域マップ(宮崎県のHPより)】の確認をおすすめします。

◆川から離れた所では…
積もった火山灰が雨で泥状に固まり、雨どいや側溝がつまったり、ビニールハウスなどが泥の重さで壊れる恐れがあります。雨が降り出す前に積もった火山灰を除去しましょう。屋根上での作業は灰で滑りやすいうえ、慣れないこともありますので、ロープで体を保持するなどで転落を防止しながら慎重に行ってください。また、泥状になった火山灰が乾燥して固まると除去が困難になるため、雨が止んだ後は、ドロドロのうちに掃除を行ってください。
◆17日(木)の火山灰予想
噴火した場合の噴煙は東~北東方向へ流れます。
▼対象地域
宮崎県】小林市、高原町、えびの市、都城市、三股町、宮崎市、日南市、串間市、綾町、国富町、西都市、新富町、高鍋町
鹿児島県】霧島市、曽於市、志布志市、湧水町
は特に降灰が心配です。


◆今後の見解
15日、火山噴火予知連絡会が開催され、新燃岳の火山活動について検討を行いました。予知連絡会の見解によると、引き続き爆発的噴火は続くようです。新燃岳へ上昇するマグマの量は現在は低下、多量の火山灰等を放出するような噴火の可能性は低くなっています。しかし多量のマグマが再上昇すれば、噴火活動が再び活発化する可能性があるとし、噴火警戒レベルは3(入山規制)のままとされています。

新燃岳では1月26日から本格的なマグマ噴火が始まり、多量の火山灰等を放出する噴火活動があり、火口内に溶岩が噴出、爆発的な噴火が繰り返されました。2月4日以降、ほぼ連続的に火山灰を放出していましたが、9日頃から噴火は断続的となり、その後は2月11日と14日に爆発的噴火が発生しましたが、噴火の頻度は低くなってきています。9日以降は、火山性微動は減少し、新燃岳を震源とする火山性地震も散発的な噴火に伴う一時的な増加を除いて減少しています。火口に出現した溶岩の量も2月3日以降ほとんど変化がみられなくなりました。新燃岳へのマグマの上昇・噴出に対応してGPS等で観測された新燃岳の北西数kmの地下深くのマグマだまりの収縮は1日以降停滞しています。傾斜計でも1月26日~31日にみられたような顕著な変化は観測されていません。また、新燃岳周辺の地震活動にも、顕著な変化は認められません。

以上のことから、地下深くのマグマだまりから新燃岳へ上昇する『マグマの量は低下している』と推定されています。引き続き爆発的噴火は続くと思われますが、当面、1月26日~27日にみられたような多量の火山灰等を放出する噴火の発生の可能性は低くなっていると考えられます。しかし、再び多量のマグマが新燃岳へ上昇すれば噴火活動が活発化する可能性があり、地殻変動等のデータを注意深く見守る必要があるとのことです。
◆警戒事項◆
新燃岳は噴火警戒レベル3のままです。
【1】新燃岳から約4km以内では噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石等に警戒が必要です。
【2】新燃岳から約3km以内では噴火に伴う火砕流に警戒が必要です。(対象地域→宮崎県:小林市、高原町 鹿児島県:霧島市)
【3】風下側では降灰や風の影響を受ける小さな噴石火山レキ)に注意が必要です。これまでの噴火では直径4~6cmの小さな噴石が火口から約10kmにまで達しています。
【4】爆発的噴火に伴う大きな空振に注意が必要です。
【5】雨の日は泥流土石流に注意が必要です。


◆事前の確認事項◆
【1】危険エリアには近づかない
火砕流は高温の岩石と火山ガスが時速100km以上のスピードで流れ下る現象です。発生してから逃げることはできません。3km以内の危険エリアには立ち入らず、危険エリア周辺では自治体の指示に従って下さい。

【2】危険エリアではなくても…
火砕流が到達しない離れたエリアでも爆発的な噴火の場合、風下では噴石や降灰の可能性があります。むやみに外出せず、避難などのやむを得ない場合は、ヘルメットや傘で頭を保護し、マスク着用は必須です。

【3】事前に危険エリアの確認を
現在、噴火警戒レベル3ですが、レベル4、5になった時に、自分の場所が影響するかどうか、事前に自治体HPにある【ハザードマップ(宮崎県のHPより)】の確認をおすすめします。