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2011年02月14日
次の雨は17日夜、土石流に要警戒[14(月)15時更新]
◆避難準備情報解除
宮崎県都城市は14日午前8時4分、降雨により土石流発生の恐れがあるとして13日夕に出していた避難準備情報を解除されました。宮崎地方気象台が14日午前4時~同9時の時間雨量を最大5ミリと予測でしたが、同8時時点で1~2ミリほどしか降らなかったようです。都城市は避難準備情報を出す独自の基準を、時間雨量が4ミリ以上と予測されるとき、または降り始めからの累積雨量が10ミリに達したときと設定。13日午後5時23分に、新燃岳に近い同市北西部の1148世帯、2523人を対象に避難準備情報を出し、14日午前7時45分現在で5世帯6人が避難していました。(写真:宮崎県日向市けんさん 灰混じりの雨)
◆今日の新燃岳の様子
5時7分に爆発的噴火、これで爆発的噴火は11回目。空振の観測値は2番目の強さ(1番は2月1日7時54分のもの)振幅の観測値は最大で、小林市から噴石のリポートもありました。
「今朝の新燃岳の噴火で降ってきた噴石が、車の上についていたので、取り除こうとしたけど、ワイパーの部分にいっぱい…なかなか取れません」
(写真:宮崎県小林市 ポン太の妻さん)「雹が降ってると思うようなバタバタバタ…との音がしました。隣家の小屋スレートには穴が開いたとそうです。小林あたりでこれだから、もっと近くは大変ですね…。登下校の時間と重ならず不幸中の幸いでした」
(写真:宮崎県小林市 kadoko17さん)
[警戒事項の変更点]
今日の噴火を受けて、警戒事項の小さな噴石の範囲も7kmから10kmに広がりました。
◆夜~15日(火)の火山灰予想
今夜から明日15日に噴火した場合の噴煙は、東方向へ流れます。風下は降灰にご注意下さい。
▼対象地域
【宮崎県】高原町、都城市、宮崎市、三股町、日南市、小林市、綾町、国富町、西都市、新富町、高鍋町、川南町
【鹿児島県】霧島市、曽於市
は特に降灰が心配です。
◆今後の見解「次の雨は17日夜」
灰混じりの雨、灰の掃除もお早めに。小雨や小雪の状態が続き、都城市から日南市~宮崎市では灰混じりの雨や雪、降灰の可能性があります。また、泥状になった火山灰は早めに除去してください。屋根上での作業は滑りやすくなるため、ロープで体を保持するなどで転落を防止してください。
なお、この次の雨は17日夜で、1時間に30ミリ以上の強雨・大雨を予想しています。これは噴火以来、1番まとまった雨の予想です。引き続き、降灰が続いた南東エリアの沢や谷筋では土石流や泥流に注意が必要です。
◆都城市の基準
避難準備情報発表
…1時間あたりの雨量が4ミリ以上の時、または、降り始めから10ミリに達した時
避難勧告発令
…1時間あたりの雨量4ミリ以上が連続して2時間継続すると予測される時、または、降り始めから20ミリに達した時
今後は、この目安も変わる可能性もあり。自治体からの情報にも注意が必要です。
◆土石流なぜ起こる?
土石流や泥流とは、土砂が水と一緒に川や谷を流下してくる現象のこと。雨を含んだ火山灰は山の表面でコンクリートの役割を果たすので、地面に雨水が浸透しなくなります。このため少しの雨でも谷地形に水が集まりやすく、水の勢いが増して、木をなぎ倒し、土石流を引き起こすのです。
◆土石流から身を守るためには…
火山灰が積もっていて、新燃岳を上流とする川や谷沿いにお住まいの方は、なるべく日没前に川から直角方向に離れた安全な場所に移動。万が一、土石流が発生した後に避難する場合は、川や谷には近づかないで下さい。
※自分の場所が影響するかどうか、事前に自治体HPにある【土石流防災区域マップ(宮崎県のHPより)】の確認をおすすめします。
◆川から離れた所では…
積もった火山灰が雨で泥状に固まり、雨どいや側溝がつまったり、ビニールハウスなどが泥の重さで壊れる恐れがあります。雨が降り出す前に積もった火山灰を除去しましょう。屋根上での作業は灰で滑りやすいうえ、慣れないこともありますので、慎重に行ってください。また、泥状になった火山灰が乾燥して固まると除去が困難になるため、雨が止んだ後は、ドロドロのうちに掃除を行ってください。
◆警戒事項◆
新燃岳は噴火警戒レベル3のままです。
【1】新燃岳から約4km以内では噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石等に警戒が必要です。
【2】新燃岳から約3km以内では噴火に伴う火砕流に警戒が必要です。(対象地域→宮崎県:小林市、高原町 鹿児島県:霧島市)
【3】風下側では降灰や風の影響を受ける小さな噴石(火山レキ)に注意が必要です。これまでの噴火では直径4~6cmの小さな噴石が火口から約10kmにまで達しています。(7km→10kmに変更されました。14日)
【4】爆発的噴火に伴う大きな空振に注意が必要です。
【5】雨の日は泥流や土石流に注意が必要です。
◆事前の確認事項◆
【1】危険エリアには近づかない
火砕流は高温の岩石と火山ガスが時速100km以上のスピードで流れ下る現象です。発生してから逃げることはできません。3km以内の危険エリアには立ち入らず、危険エリア周辺では自治体の指示に従って下さい。
【2】危険エリアではなくても…
火砕流が到達しない離れたエリアでも爆発的な噴火の場合、風下では噴石や降灰の可能性があります。むやみに外出せず、避難などのやむを得ない場合は、ヘルメットや傘で頭を保護し、マスク着用は必須です。
【3】事前に危険エリアの確認を
現在、噴火警戒レベル3ですが、レベル4、5になった時に、自分の場所が影響するかどうか、事前に自治体HPにある【ハザードマップ(宮崎県のHPより)】の確認をおすすめします。