スーパーエルニーニョの可能性 温暖化との相乗効果で台風接近増や食料価格高騰のリスク
スーパーエルニーニョとは?
エルニーニョとは、季節を問わず赤道付近の太平洋を吹いている東風・貿易風が弱まることで、海面水温の暖かい領域が東へ広がり、世界各地の気候に影響を与える現象です。
その強さには段階があり、基準海域(Niño3.4)の海面水温の平年との差(偏差)が3ヶ月平均で+2°C以上に達した状態が、俗に「スーパーエルニーニョ」と呼ばれています。過去に確認されたのは1982〜83年、1997〜98年、2015〜16年の3回のみという稀な現象です。
世界各国の予測では、今秋以降の海面水温偏差が+2°C〜最大+3°Cを超えるシナリオを示すものが増えてきています。スーパーエルニーニョの発生を断定できる段階ではありませんが、その可能性は着実に高まっているといえそうです。
エルニーニョが発生 秋にかけて継続の見込み(エルニーニョ監視速報)
その強さには段階があり、基準海域(Niño3.4)の海面水温の平年との差(偏差)が3ヶ月平均で+2°C以上に達した状態が、俗に「スーパーエルニーニョ」と呼ばれています。過去に確認されたのは1982〜83年、1997〜98年、2015〜16年の3回のみという稀な現象です。
世界各国の予測では、今秋以降の海面水温偏差が+2°C〜最大+3°Cを超えるシナリオを示すものが増えてきています。スーパーエルニーニョの発生を断定できる段階ではありませんが、その可能性は着実に高まっているといえそうです。
エルニーニョが発生 秋にかけて継続の見込み(エルニーニョ監視速報)
「エルニーニョの夏は日本では冷夏」とは限らない
「エルニーニョが発生すると日本は冷夏になる」というイメージをお持ちの方もいるかもしれません。実際にこれまでの統計では、エルニーニョの夏は西日本で気温が低い傾向、東日本や北日本では平年並か低い傾向になっています。ただ、気候変動による気温の底上げ効果が加わった今、この傾向が崩れる可能性があります。
実際に、エルニーニョが続く見通しの今年6月〜11月にかけての日本の平均気温予測は、全国15地点平均で平年より+0.75〜+1.2°C高い予測となっていて、エルニーニョの影響を加味しても暑い夏になるとみられています。
3か月予報 今年も暑い夏 エルニーニョ現象の動向注目
実際に、エルニーニョが続く見通しの今年6月〜11月にかけての日本の平均気温予測は、全国15地点平均で平年より+0.75〜+1.2°C高い予測となっていて、エルニーニョの影響を加味しても暑い夏になるとみられています。
3か月予報 今年も暑い夏 エルニーニョ現象の動向注目
台風の発生数が増加?日本への接近も警戒を
ウェザーニュースの発表では、2026年の台風発生数は28個程度と予測されていて、平年の約25個を上回る見込みです。
背景には、インド洋方面からの西寄りの風が強まっていることがあります。この西風が貿易風の東風とぶつかる「熱帯低気圧が発生しやすい領域」がフィリピンの東に形成されることが、発生数増加を予測する理由のひとつです。
秋にかけてエルニーニョがさらに強まると、貿易風の弱まりに対応して、熱帯低気圧の発生しやすい領域がさらに東へ移ることが予想されます。台風の発生場所が東寄りになると、太平洋高気圧の張り出し具合によっては日本に直接接近・上陸するルートをたどる台風が増えるリスクがあります。
最新の台風情報
背景には、インド洋方面からの西寄りの風が強まっていることがあります。この西風が貿易風の東風とぶつかる「熱帯低気圧が発生しやすい領域」がフィリピンの東に形成されることが、発生数増加を予測する理由のひとつです。
秋にかけてエルニーニョがさらに強まると、貿易風の弱まりに対応して、熱帯低気圧の発生しやすい領域がさらに東へ移ることが予想されます。台風の発生場所が東寄りになると、太平洋高気圧の張り出し具合によっては日本に直接接近・上陸するルートをたどる台風が増えるリスクがあります。
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気候が別のステージへ移行するリスクも
スーパーエルニーニョが注目される理由はこれだけではありません。2025年にNature Communicationsに掲載された研究では、スーパーエルニーニョが「気候のレジームシフト」を引き起こすトリガーになる可能性が示唆されています。
気候のレジームシフトとは、気候システムが「今までの通常の状態」から「別の安定した状態」へと一段階移行してしまうことを指します。今まで当たり前だった気候のバランスが崩れ、十数年に渡り元に戻らなくなるイメージです。
過去3回のスーパーエルニーニョはいずれも、地上気温や土壌水分が大きく変化したタイミングと重なっていることが分析から明らかになっています。現在は気候変動による気温の底上げ効果も重なり、スーパーエルニーニョが起きるとこれまでとは異なる気候の状態にシフトチェンジすることが起こりやすい状態になっているとみられています。
気候のレジームシフトとは、気候システムが「今までの通常の状態」から「別の安定した状態」へと一段階移行してしまうことを指します。今まで当たり前だった気候のバランスが崩れ、十数年に渡り元に戻らなくなるイメージです。
過去3回のスーパーエルニーニョはいずれも、地上気温や土壌水分が大きく変化したタイミングと重なっていることが分析から明らかになっています。現在は気候変動による気温の底上げ効果も重なり、スーパーエルニーニョが起きるとこれまでとは異なる気候の状態にシフトチェンジすることが起こりやすい状態になっているとみられています。
東南アジアの干ばつと食料価格への影響
前回のスーパーエルニーニョ(2015〜16年)では、東南アジア全域で記録的な干ばつが発生し、食料供給に広範な影響が出ました。
ベトナムでは過去90年で最悪とされる干ばつにより地下水位が低下し、海水の侵入による農地の塩害でコーヒーや胡椒の生産に甚大な被害が生じました。インドネシアやマレーシアではパームオイルの生産が落ち込み、日本の揚げ物やカップ麺、チョコレートなどに使われる植物油の調達に影響が及んだほか、インドやタイでは熱波と干ばつによるサトウキビの不作が世界的な砂糖不足を招き、国際砂糖価格が一時2倍近くに上昇しました。
スーパーエルニーニョは世界各地で極端な大雨や干ばつなどの異常気象を引き起こすことが知られていて、今後発生・発達した場合には、日本が輸入に依存する食料品をはじめ、さまざまな物資への影響も懸念されます。
ベトナムでは過去90年で最悪とされる干ばつにより地下水位が低下し、海水の侵入による農地の塩害でコーヒーや胡椒の生産に甚大な被害が生じました。インドネシアやマレーシアではパームオイルの生産が落ち込み、日本の揚げ物やカップ麺、チョコレートなどに使われる植物油の調達に影響が及んだほか、インドやタイでは熱波と干ばつによるサトウキビの不作が世界的な砂糖不足を招き、国際砂糖価格が一時2倍近くに上昇しました。
スーパーエルニーニョは世界各地で極端な大雨や干ばつなどの異常気象を引き起こすことが知られていて、今後発生・発達した場合には、日本が輸入に依存する食料品をはじめ、さまざまな物資への影響も懸念されます。
パナマ運河の航行リスクにより物流への影響も
エルニーニョの強さや継続期間を注視
現時点では、今回のエルニーニョは発達のピークが冬にかけて訪れると予測されていて、来年にかけて影響が続く可能性があります。
スーパーエルニーニョの影響は遠い海外の話ではなく、私たちの食卓にも直結するおそれがあります。食料品価格の変動に注視が必要です。また、もしも研究結果のように気候のレジームシフトが現実に起きた場合、その後も気温が平年並みに戻りにくくなることになり、監視とともに引き続き温暖化対策が急務です。
エルニーニョの強さや継続期間によってもこれらの影響度合いが変わります。今後の情報にご注意ください。
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スーパーエルニーニョの影響は遠い海外の話ではなく、私たちの食卓にも直結するおそれがあります。食料品価格の変動に注視が必要です。また、もしも研究結果のように気候のレジームシフトが現実に起きた場合、その後も気温が平年並みに戻りにくくなることになり、監視とともに引き続き温暖化対策が急務です。
エルニーニョの強さや継続期間によってもこれらの影響度合いが変わります。今後の情報にご注意ください。
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特集 ウェザーニュースと考える地球の未来
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