グリーンカーテンでどのくらい省エネできる? 数字で見る遮熱・節電効果

2026-05-28 12:37 ウェザーニュース

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6月5日は「世界環境デー」です。地球環境について考えるこの日に合わせ、家庭でできるエコな暑さ対策として注目される「グリーンカーテン」の省エネ効果を、データで確認してみましょう。

「葉の力」が生み出す2つの冷却効果

グリーンカーテンとは、ツル性の植物をネットや支柱にはわせ、窓の外側を覆う"生きた日よけ"のことです。その冷却効果を支える仕組みは大きく2つあります。

一つ目は遮蔽(しゃへい)効果です。環境省によると、十分に葉が茂ったグリーンカーテンは日射の熱エネルギーの約80%をカットします。一般的な遮蔽グッズであるすだれの遮蔽率が50〜60%、遮蔽ガラス(高性能タイプ)でも約50%であるのと比べると、グリーンカーテンの高い遮熱性能が際立ちます。
もう一つは蒸散(じょうさん)効果です。植物は根から吸い上げた水分を葉の表面から蒸散させ、このとき周囲の空気から熱(気化熱)を奪います。そのためグリーンカーテン表面の温度上昇が自然に抑えられ、室内への放射熱も減少します。打ち水と同じ原理ですが、生きた植物が自動的・継続的に行ってくれる点が大きな強みです。

さらにこの蒸散効果は昼間だけでなく夜間の室温低下にも持続するため、熱帯夜の寝苦しさの緩和にも役立つとされています。

最大7℃の差 節電506円?

グリーンカーテンの効果については、複数の研究・実証実験が行われています。

ある小学校を舞台にした研究では、グリーンカーテンを設置した教室とそうでない教室の外壁温度を比較。外気温が36℃前後に達した9月の事例で、両者の外壁温度の差は最大7℃に達することが確認されました(※1)。

集合住宅(団地)での比較実験では、「何もなし」「すだれ」「プランター2個」「プランター4個」「プランター6個」の5パターンを比較。プランター2個ではすだれと同程度の効果でしたが、プランターの数を増やすほど昼間だけでなく夜間にかけても室温低下効果が持続することが明らかになりました(※2)。
ウェザーニューズがこれらのデータをもとに節電量を試算したところ、プランター2個(窓の片面を覆う場合)では、日中9時〜18時の時間帯に緩和できる室内の熱量が積算で6.42℃分に相当します。

東京における2020〜2024年の25℃超え日数の平均値(84.8日)と電気代を掛け合わせると、7〜9月の節電額は約506円という計算結果になりました。プランターを4〜6個に増やせば、節電効果はさらに2〜3倍程度になるとみられます。

今夏も全国的に高温傾向——今からでも間に合う植物は?

2026年夏の見通しでは、全国的に6月から11月にかけて気温が「平年より高い」傾向が予想されています。梅雨明け後の本格的な暑さが続く前に、グリーンカーテンを準備しておくことがさらに重要になりそうです。

5月下旬から6月上旬にかけての今ごろのシーズンはさまざまな種類の植物で、種まきや植え付けが可能です。6月から育てられるおすすめ植物には、成長が早く収穫も楽しめるキュウリ(種まきは6月下旬まで)、虫がつきにくく育てやすいツルムラサキ(同)、1株から50個以上の小芋が収穫できるアピオス(植え付けは6月下旬まで)などがあります。いずれも梅雨明けには葉が十分に茂り、遮熱効果を発揮し始めます。

必要なネット・支柱・プランター・用土はホームセンターや園芸店で一通り揃えることができます。はじめての方には、丈夫で育てやすく食べる楽しみもあるゴーヤやキュウリがおすすめです。
酷暑対策に効果的なグリーンカーテンの作り方
今からでも間に合う、グリーンカーテンに適した植物5選

家庭の省エネが気候変動対策につながる

グリーンカーテンによる省エネは、個人の光熱費削減にとどまりません。エアコンの使用量が減ることで電力消費が抑えられ、発電に伴うCO2(二酸化炭素)の排出削減にも直結します。

CO2は地球温暖化を引き起こす温室効果ガスの一つです。現在、大気中のCO2濃度は少なくとも過去80万年間で前例のない水準にまで増加しているとされています。その影響として、世界的に森林火災・熱波・干ばつ・洪水といった極端な気象現象が増加しており、日本でも記録的な暑さの夏が続いています。

グリーンカーテンを育てることは、こうした地球温暖化の緩和に向けて、特別な設備や大きなコストをかけることなく、日常生活の中から参加できる取り組みの一つです。
6月5日の世界環境デーは、日常生活の中に環境アクションを取り入れるきっかけとなる日です。グリーンカーテンは、ベランダや窓辺のわずかなスペースから始められる、手軽でエコな暑さ対策です。全国的に高温傾向が予想される今夏、窓の外に緑を育てながら、省エネと自然の涼しさを実感してみてください。最新の気象情報もあわせて確認するようにしてください。

温暖化の影響は私たちの生活にも大きな変化をもたらす可能性があります。ウェザーニュースでは、気象情報会社の立場から地球温暖化対策に取り組むとともに、さまざまな情報をわかりやすく解説し、みなさんと一緒に地球の未来を考えていきます。まずは気候変動について知るところから、一緒に取り組んでいきましょう。
特集 ウェザーニュースと考える地球の未来
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写真:
ウェザーリポート(ウェザーニュースアプリからの投稿) ウォーキングJ さん

出典・参考:
※1 日本工業大学 成田 健一(2007) 緑のカーテンが教室の温熱環境に及ぼす効果(https://leo.nit.ac.jp/~narita/profile/paper/ceis2007-midoriK.pdf)
※2 建築研究所 建築研究資料 No.180 (2017 Mar) 加藤真司ほか(https://www.kenken.go.jp/japanese/contents/publications/data/180/3.pdf)
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