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暖冬でスギ花粉の飛散早まる
飛散量は平年並~平年を上回る予想

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2024/01/18 18:48 ウェザーニュース

ウェザーニュースは2024年春の花粉シーズンを間近に控え、「第三回花粉飛散傾向」を発表しました。

2024年は、暖冬の影響で全国的に飛散開始が早まる見込みで、1月下旬に九州や東京を含む関東などでスギ花粉の飛散が始まる予想です。飛散量は2023年よりも少なくなるものの、平年(過去10年の平均)と比べると平年並〜平年を上回るエリアが多い予想です。

関東の4割に早くも花粉症の症状か

休眠から目覚めたスギの雄花は花粉の飛散開始に向けて徐々に生長し、この時期の気温が高いほど生長が早く進みます。

1月前半の気温は平年より高くなりました。1月後半から2月にかけては一時的に強い寒気の影響を受ける時期があるものの、総じて暖冬傾向が継続する見込みです。

このため、花粉の飛散開始は平年と比べるとほぼ全国的に早くなる予想です。

すでに微量な花粉が飛んでおり、ウェザーニュースが行った花粉に関するアンケート調査では、関東や東海で花粉症の方の約4割が花粉を感じていることが分かりました。
» 詳しい調査結果

今後、1月下旬には九州や中国、東海、関東の一部でスギ花粉の飛散が始まります。2月上旬には西日本と東日本の太平洋側を中心に広範囲で飛散が開始する予想です。

2月中旬には北陸や東北南部、2月下旬から3月上旬には東北北部でも飛散が始まるとみています。

スギ花粉は2月中旬から本格的に飛散

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スギ花粉が本格的に飛散するのは九州で2月中旬〜3月上旬、中国・四国や近畿、東海、関東・山梨は2月中旬〜3月中旬の予想です。北陸・長野や東北南部では2月下旬〜3月下旬、東北北部では3月上旬〜4月中旬になるとみています。

九州など早い所では3月中旬に入るとスギ花粉の飛散は徐々に収まり、代わって西日本や東日本ではヒノキ花粉の飛散が増えていきます。

ヒノキ花粉は3月中旬から本格的に飛散

ヒノキ花粉が本格的に飛散するのは九州で3月中旬〜4月上旬、中国・四国で3月中旬〜4月中旬、近畿から関東・山梨で3月下旬〜4月中旬、東北南部は4月上旬〜中旬とみています。

ただ、北陸や東北南部ではヒノキの樹木が少ないため、スギ花粉に比べると飛散量が少なくなる見込みです。

北海道でシラカバ花粉の飛散が本格化するのは4月下旬〜5月中旬の予想で、ちょうどゴールデンウィークと重なる可能性があります。

飛散量:全国的に平年並〜平年を上回る予想

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花粉飛散量は、平年と比べると、近畿から東北では平年をやや上回るエリアが多く、九州南部と中国・四国では平年並のエリアが多くなります。

北海道では平年の約2倍と飛散量が多くなる予想です。全国平均では平年比で125%となる予想です。
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2023年と比べると、北日本の一部では2023年を大きく上回るものの、その他のエリアでは広範囲で2023年を下回る予想です。

2023年の飛散量が記録的に少なかった北海道ではその反動で2023年の約6倍の飛散量になる予想です。

一方、2023年に飛散量が多かった西日本や関東では飛散量が減少し、2023年の半分程度になる地域もあるとみています。全国平均では2023年比で67%となる予想です。

なお、今回の発表では環境省によるスギ雄花花芽調査の結果を踏まえて飛散量予想を再検討し、前回発表から一部更新しています。