長雨の影響? 秋の公園に巨大な白いキノコが続々出現、その正体は、毒キノコ?
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この秋、福島県以南の公園や芝生などの草地、河川敷などで、「突然、大きな白いキノコが生えた」という報告が相次いでいます。傘が開くと直径30cmほどになるものもあり、その大きさと白さが目を引きます。
このキノコ、正体は何なのでしょう。長年キノコを研究してきた農学博士で、元・千葉県立中央博物館の上席研究員の吹春俊光(ふきはる・としみつ)さんに解説していただきました。
このキノコ、正体は何なのでしょう。長年キノコを研究してきた農学博士で、元・千葉県立中央博物館の上席研究員の吹春俊光(ふきはる・としみつ)さんに解説していただきました。
傘が直径30cmにも! 芝生や公園に突然出現
近年、このキノコは福島県以南で目撃されることが多くなってきたそうです。
「このキノコは『オオシロカラカサタケ』と言います。芝生や公園などに、ある日突然ニョキッと生え、その大きさと姿から非常に目立ち、今年も話題になっています。
オオシロカラカサタケの特徴は何といっても、その大きさです。
傘の直径は7~30cmほど。傘は最初、球形~鐘形で、開くと平たくなり、色は白、表面には茶色いウロコ状の模様が現れます。胞子が成熟すると、傘の裏側のヒダが緑色を帯びることも特徴です。
白く大型で群生し、人目に付きやすい開けた芝生や公園に集団でドーナツ状に生えることもあるので、見かけた方はびっくりすると思います」(吹春さん)
「このキノコは『オオシロカラカサタケ』と言います。芝生や公園などに、ある日突然ニョキッと生え、その大きさと姿から非常に目立ち、今年も話題になっています。
オオシロカラカサタケの特徴は何といっても、その大きさです。
傘の直径は7~30cmほど。傘は最初、球形~鐘形で、開くと平たくなり、色は白、表面には茶色いウロコ状の模様が現れます。胞子が成熟すると、傘の裏側のヒダが緑色を帯びることも特徴です。
白く大型で群生し、人目に付きやすい開けた芝生や公園に集団でドーナツ状に生えることもあるので、見かけた方はびっくりすると思います」(吹春さん)
なぜ近年、身近な場所で増えている?
オオシロカラカサタケはどのように分布を広げ、今年はなぜ発生の報告が多いのでしょうか。
「キノコは菌糸を伸ばすほかに、胞子を飛ばすことでも増えていくので、南方に分布していたキノコの胞子が台風などの風に乗り、日本にたどり着くことがあります。以前はこの胞子は越冬できずに死滅していましたが、近年の温暖化によりコロニー(菌糸の集まり)を形成して越冬できるようになったのでは、と考えられています。
オオシロカラカサタケもその一つで、もともとは熱帯から亜熱帯に分布するキノコです。日本では非常に稀なキノコとして知られていましたが、1980年代に、大阪湾から京都へむけ、次第に分布域が北上する現象が確認され(横山 1995)、地球温暖化とともに日本列島を北上しているキノコではないか、と考えられるようになりました。
本州でも越冬できたものが定着して分布を北へ広げてきた可能性があると考えられています。
ただ、キノコの分布が広がる原因は、気温だけとは限りません。堆肥などが発酵して温かくなる場所は、こうしたキノコが冬を越す助けになると考えられます。
今年は特に発生の報告が多いのですが、それは関東甲信でお盆のころに台風の影響などで雨の多い状態が続いたため、地中にあったキノコのコロニーが雨の刺激を受けてスイッチが入り、暑さも相まって、地上に子実体(しじつたい)を大量に出したためと考えられます。
子実体は、私たちがふだん『キノコ』と呼んでいる部分です」(吹春さん)
「キノコは菌糸を伸ばすほかに、胞子を飛ばすことでも増えていくので、南方に分布していたキノコの胞子が台風などの風に乗り、日本にたどり着くことがあります。以前はこの胞子は越冬できずに死滅していましたが、近年の温暖化によりコロニー(菌糸の集まり)を形成して越冬できるようになったのでは、と考えられています。
オオシロカラカサタケもその一つで、もともとは熱帯から亜熱帯に分布するキノコです。日本では非常に稀なキノコとして知られていましたが、1980年代に、大阪湾から京都へむけ、次第に分布域が北上する現象が確認され(横山 1995)、地球温暖化とともに日本列島を北上しているキノコではないか、と考えられるようになりました。
本州でも越冬できたものが定着して分布を北へ広げてきた可能性があると考えられています。
ただ、キノコの分布が広がる原因は、気温だけとは限りません。堆肥などが発酵して温かくなる場所は、こうしたキノコが冬を越す助けになると考えられます。
今年は特に発生の報告が多いのですが、それは関東甲信でお盆のころに台風の影響などで雨の多い状態が続いたため、地中にあったキノコのコロニーが雨の刺激を受けてスイッチが入り、暑さも相まって、地上に子実体(しじつたい)を大量に出したためと考えられます。
子実体は、私たちがふだん『キノコ』と呼んでいる部分です」(吹春さん)
見つけても採らない、は絶対守って
大きく白いオオシロカラカサタケですが、注意したいのは、強い毒を持つことです。
「オオシロカラカサタケを食べると、嘔吐、下痢、腹痛などの消化器系の中毒症状が現れます。少量入れたすまし汁を飲んだだけで、激しい下痢と嘔吐が半日以上も続いたという例があります。
大量に生えて白くて大きいので、『食べられるのでは?』と思って食べたり、食用の『カラカサタケ』と間違えた、という例も報告されています。
日本に生息するキノコは、名前がついているものが全体の3分の1程度とされ、食べられるかどうかわからないものも多数あります。専門家でもわからない点が多いのがキノコです。食用かどうかを自己判断して採集するのは、絶対にやめてください。
また、オオシロカラカサタケのようなキノコは、森や草地の『リサイクル係』であり、枯れた植物などを分解し、そこに含まれる物質を土に戻すことで、自然界の物質循環を支えています。
私としては、キノコを見つけても、むやみに踏んだり壊したりせず、そっと見守ってほしいです」(吹春さん)
「オオシロカラカサタケを食べると、嘔吐、下痢、腹痛などの消化器系の中毒症状が現れます。少量入れたすまし汁を飲んだだけで、激しい下痢と嘔吐が半日以上も続いたという例があります。
大量に生えて白くて大きいので、『食べられるのでは?』と思って食べたり、食用の『カラカサタケ』と間違えた、という例も報告されています。
日本に生息するキノコは、名前がついているものが全体の3分の1程度とされ、食べられるかどうかわからないものも多数あります。専門家でもわからない点が多いのがキノコです。食用かどうかを自己判断して採集するのは、絶対にやめてください。
また、オオシロカラカサタケのようなキノコは、森や草地の『リサイクル係』であり、枯れた植物などを分解し、そこに含まれる物質を土に戻すことで、自然界の物質循環を支えています。
私としては、キノコを見つけても、むやみに踏んだり壊したりせず、そっと見守ってほしいです」(吹春さん)
なお、市販のシイタケなどの食用キノコでも、生のまま、あるいは加熱不十分のまま食べると、食中毒をおこします。食用の野生キノコでも、また、市販の栽培キノコでも、十分加熱してたべるようにしましょう。ただし、毒キノコは加熱すれば安全になるわけではありません。
まだ暑さが残り、雨が重なるこの時季、身近な場所に見知らぬキノコが姿を現すことがあります。安全のためにも自然を大切にするためにも、野生のキノコを見つけたときは、むやみに触れたり採ったりせず、そっと観察してみてください。
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参考資料
横山和正(1995)「熱帯性きのこオオシロカラカサタケの京阪神地区(近畿地方)への侵入」、河合繁好(2013)「熱帯性きのこ“オオシロカラカサタケChlorophyllum molybdites(Meyer : Fr. Fr.) Massee ”の日本国内での分布の拡大状況 (要旨)」
まだ暑さが残り、雨が重なるこの時季、身近な場所に見知らぬキノコが姿を現すことがあります。安全のためにも自然を大切にするためにも、野生のキノコを見つけたときは、むやみに触れたり採ったりせず、そっと観察してみてください。
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横山和正(1995)「熱帯性きのこオオシロカラカサタケの京阪神地区(近畿地方)への侵入」、河合繁好(2013)「熱帯性きのこ“オオシロカラカサタケChlorophyllum molybdites(Meyer : Fr. Fr.) Massee ”の日本国内での分布の拡大状況 (要旨)」
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