水による被害から命を守るには? 知っておきたい恐ろしさ
水深や流速の少しの変化で「水の力」は大きく変わる
「水の力」というのはどれほどの強さ、危険性があるものと認識すればいいのでしょうか。
「『水の力』は、水深が2倍になると一気に4倍になります。さらに、流れの力も加わります。流速が2倍になると流体力も4倍になるのです。つまり、河川などの氾濫による浸水の際は流れが生じているので、水深が浅い場合でも思ったより大きな『水の力』が働くのです。
このように、水深や流速の少しの変化でも、水が圧(お)す力は大きくなり、場合によっては命に関わる事態を招いてしまいます。
「『水の力』は、水深が2倍になると一気に4倍になります。さらに、流れの力も加わります。流速が2倍になると流体力も4倍になるのです。つまり、河川などの氾濫による浸水の際は流れが生じているので、水深が浅い場合でも思ったより大きな『水の力』が働くのです。
このように、水深や流速の少しの変化でも、水が圧(お)す力は大きくなり、場合によっては命に関わる事態を招いてしまいます。
1時間あたり50mm程度を超える降雨があると雨水排水能力を超え、マンホールや側溝から水があふれだして道路が水路と化すような『内水氾濫(ないすいはんらん)』が起きます。
より短時間で見ると、10分間の雨量が8mmを超えると道路冠水が始まり、局所的に地下歩道やアンダーパスなどの低い場所に流れ込むことがあるので、気をつけてください。
一般的に道路上の水の流れは速まることが多く、それに伴って流体力も大きく高まりますので、注意が必要です。
さらに、氾濫時には、漂流物がありますので、それによる力も加わります。固形物はより危険ですが、レジ袋などのポリ袋でも瞬間的に危険になります。
以前に小河川で流水中の樹木にかかる力を測定していた際に、ポリ袋が流れてきて樹木に引っ掛かりました。その時、樹木にかかる力が3倍に達しました。
つまり、流水中の歩行時にはポリ袋などの柔らかいものでも、瞬間的に大きな力が作用して転倒する危険性があることを示しています」(石垣先生)
より短時間で見ると、10分間の雨量が8mmを超えると道路冠水が始まり、局所的に地下歩道やアンダーパスなどの低い場所に流れ込むことがあるので、気をつけてください。
一般的に道路上の水の流れは速まることが多く、それに伴って流体力も大きく高まりますので、注意が必要です。
さらに、氾濫時には、漂流物がありますので、それによる力も加わります。固形物はより危険ですが、レジ袋などのポリ袋でも瞬間的に危険になります。
以前に小河川で流水中の樹木にかかる力を測定していた際に、ポリ袋が流れてきて樹木に引っ掛かりました。その時、樹木にかかる力が3倍に達しました。
つまり、流水中の歩行時にはポリ袋などの柔らかいものでも、瞬間的に大きな力が作用して転倒する危険性があることを示しています」(石垣先生)
水深50cmが安全避難の目安
浸水した道路や跨道橋(こどうきょう)のアンダーパスに進入した車が水没してしまい、ドアが開かなかったという例も多いようです。
「車が浸水した道路に入った場合、マフラーから水が入ってエンジンが停止して(普通車では水深30cm程度)、車ごと流される可能性が高まります。水深50cm、流速1.5m/s以上が、車が漂流を始めてしまうかどうかの目安となります。
実物大の模型を用いた体験型の避難実験では、地面からの水深が70~80cmを超えると成人男子でも前部ドアの押し開けが困難になるという結果が出ています。車種を変えたりスライドドアで行ったりしても、ほぼ同様です。
水没した車から何とか脱出できたとしても、水深が50cmを超えていると歩行避難が困難になることは、先に述べたとおりです」(石垣先生)
「車が浸水した道路に入った場合、マフラーから水が入ってエンジンが停止して(普通車では水深30cm程度)、車ごと流される可能性が高まります。水深50cm、流速1.5m/s以上が、車が漂流を始めてしまうかどうかの目安となります。
実物大の模型を用いた体験型の避難実験では、地面からの水深が70~80cmを超えると成人男子でも前部ドアの押し開けが困難になるという結果が出ています。車種を変えたりスライドドアで行ったりしても、ほぼ同様です。
水没した車から何とか脱出できたとしても、水深が50cmを超えていると歩行避難が困難になることは、先に述べたとおりです」(石垣先生)
地下浸水の場合はよりリスク大
地下室のドアが開けても、地上へ昇るには階段を使わなければなりません。
「法令上、地下街の各室から地下道への出入口に至る歩行距離は30m以下でなければならないと定められています。逆にいえば、地下にいた人たちは地上の出入口まで最大30m離れている可能性があることになります。
実験では水深が30~40cmの場合、直線部を通って階段を昇りきるまでに、水が流れていない場合の2倍近い時間を要したという結果が出ました。つまり、水深30cmが階段を使った安全避難限界の目安ということになります。
ただし、地下へ流れ込んできた水の流速が速ければ速いほど避難が困難になることは、いうまでもありません」(石垣先生)
「法令上、地下街の各室から地下道への出入口に至る歩行距離は30m以下でなければならないと定められています。逆にいえば、地下にいた人たちは地上の出入口まで最大30m離れている可能性があることになります。
実験では水深が30~40cmの場合、直線部を通って階段を昇りきるまでに、水が流れていない場合の2倍近い時間を要したという結果が出ました。つまり、水深30cmが階段を使った安全避難限界の目安ということになります。
ただし、地下へ流れ込んできた水の流速が速ければ速いほど避難が困難になることは、いうまでもありません」(石垣先生)
水による被害から身を守るには?
水害から命を守るためには、どのような対策が必要でしょうか。
「まず、『水の力』の恐ろしさを日頃から認識しておくことです。そして、発災前や発災時、発災後にどう対応すべきか、事前に確認作業をしておきましょう。
具体的には、河川の堤防が決壊するなどの『外水氾濫(がいすいはんらん)』に加え、内水氾濫への注意も必要です。自宅の近くに河川が流れていないからといって安心することなく、内水氾濫に備えてマンホールや側溝など、周辺に水があふれ出す可能性がある場所を確認しておきましょう。
特に地下にいると地上の様子が分かりません。大雨注意報や警報などが出された時には、自分がどこにいるのか、直近の出入口はどこかを自覚しておくことが、自分を守ることに大きくつながります。
「まず、『水の力』の恐ろしさを日頃から認識しておくことです。そして、発災前や発災時、発災後にどう対応すべきか、事前に確認作業をしておきましょう。
具体的には、河川の堤防が決壊するなどの『外水氾濫(がいすいはんらん)』に加え、内水氾濫への注意も必要です。自宅の近くに河川が流れていないからといって安心することなく、内水氾濫に備えてマンホールや側溝など、周辺に水があふれ出す可能性がある場所を確認しておきましょう。
特に地下にいると地上の様子が分かりません。大雨注意報や警報などが出された時には、自分がどこにいるのか、直近の出入口はどこかを自覚しておくことが、自分を守ることに大きくつながります。
『水の力』で車に閉じ込められた場合、前部ドアよりも後部ドアのほうが開きやすいという実験結果もあります。浸水でパワーウィンドーが作動しないことも多いので、窓を割るためのハンマーなどを準備しておきましょう。
このように、事前にシミュレーションすることで、実際に災害が発生した場合でも時宜(じぎ)にかなった判断が可能になり、命を守る行動につながります」(石垣先生)
水害から命を守るためには、なによりも早めの避難行動が第一です。住んでいる地域のハザードマップを確認のうえ、水害の可能性が予想されたときには気象情報や自治体からの呼び掛けに応じて、適切な避難方法を実行しましょう。
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取材協力/石垣泰輔先生(関西大学環境都市工学部 名誉教授)
このように、事前にシミュレーションすることで、実際に災害が発生した場合でも時宜(じぎ)にかなった判断が可能になり、命を守る行動につながります」(石垣先生)
水害から命を守るためには、なによりも早めの避難行動が第一です。住んでいる地域のハザードマップを確認のうえ、水害の可能性が予想されたときには気象情報や自治体からの呼び掛けに応じて、適切な避難方法を実行しましょう。
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