欧州熱波の経済損失は約24兆円か 健康・農業・山火事など広範囲に影響
最も大きな影響は「人」への被害 約8兆円
試算した損失の中で、最も大きな割合を占めるのが「人」への影響です。
約8兆円(約440億ユーロ)と全体の約35%を占め、熱中症による健康被害や医療費の増大、暑さによる労働効率の低下などが含まれます。
気温が40℃を超えるような環境では、農業や建設、配送など屋外で働く人の作業効率が低下します。また、熱中症患者の増加による医療機関への負担も大きくなります。
フランスでは今夏、6月17日から7月2日までの熱波期間中、通常予測される全死因の死亡者数を5,764人上回ったと暫定推計されています。
熱波は単なる「暑さ」ではなく、人の健康や生活に直接影響を及ぼす気象リスクのひとつとなっています。
約8兆円(約440億ユーロ)と全体の約35%を占め、熱中症による健康被害や医療費の増大、暑さによる労働効率の低下などが含まれます。
気温が40℃を超えるような環境では、農業や建設、配送など屋外で働く人の作業効率が低下します。また、熱中症患者の増加による医療機関への負担も大きくなります。
フランスでは今夏、6月17日から7月2日までの熱波期間中、通常予測される全死因の死亡者数を5,764人上回ったと暫定推計されています。
熱波は単なる「暑さ」ではなく、人の健康や生活に直接影響を及ぼす気象リスクのひとつとなっています。
農業にも大きな打撃 農作物の品質や収穫量に影響
フランスでは住宅にも被害 乾燥で地盤が変化
フランスでは、熱波や干ばつによる住宅被害も問題になっています。
「地盤収縮」と呼ばれる現象では、粘土質の地面が乾燥して縮むことで、住宅の基礎が不安定になります。
その結果、外壁のひび割れやドア・窓が開閉しにくくなるなどの被害が発生し、場合によっては大規模な修繕や建て替えが必要になります。
フランスでは、この地盤収縮による被害が自然災害保険の支払額の大きな割合を占めています。近年は干ばつの増加に伴い、被害額も拡大しています。
台風や洪水のように短期間で大きな被害が現れる災害とは異なり、熱波による住宅への影響は時間をかけて少しずつ現れます。こうした見えにくい被害の広がり方も、熱波の特徴のひとつです。
「地盤収縮」と呼ばれる現象では、粘土質の地面が乾燥して縮むことで、住宅の基礎が不安定になります。
その結果、外壁のひび割れやドア・窓が開閉しにくくなるなどの被害が発生し、場合によっては大規模な修繕や建て替えが必要になります。
フランスでは、この地盤収縮による被害が自然災害保険の支払額の大きな割合を占めています。近年は干ばつの増加に伴い、被害額も拡大しています。
台風や洪水のように短期間で大きな被害が現れる災害とは異なり、熱波による住宅への影響は時間をかけて少しずつ現れます。こうした見えにくい被害の広がり方も、熱波の特徴のひとつです。
山火事も被害を拡大 自然環境や観光への影響も
高温・乾燥・強風が重なると、山火事のリスクも急激に高まります。
今夏、フランスでは約11万6000ヘクタールの森林が焼失しました(EFFISより、7月24日時点)。これは東京都の面積の約半分にあたり、欧州全体でも焼失面積は過去10年平均の3倍以上に達しています。
山火事による影響は、森林や生態系だけではありません。延焼のおそれがある地域では住民や観光客の避難、立ち入り制限が行われ、宿泊施設や観光地の利用にも影響が出ています。
フランスやスペインではこの先もしばらく雨が少ない予想で、引き続き山火事への警戒が必要です。
今夏、フランスでは約11万6000ヘクタールの森林が焼失しました(EFFISより、7月24日時点)。これは東京都の面積の約半分にあたり、欧州全体でも焼失面積は過去10年平均の3倍以上に達しています。
山火事による影響は、森林や生態系だけではありません。延焼のおそれがある地域では住民や観光客の避難、立ち入り制限が行われ、宿泊施設や観光地の利用にも影響が出ています。
フランスやスペインではこの先もしばらく雨が少ない予想で、引き続き山火事への警戒が必要です。
熱波への備えが経済損失の軽減につながる
今回の試算では、熱波による経済損失は約24兆円に達する可能性があることが分かりました。
熱波は短時間で大きな被害をもたらす台風や洪水とは異なり、長期間の暑さによって人の健康や産業、暮らしへ影響が広がる気象災害です。
一方で、事前に暑さのリスクを把握することで、農作業の調整、電力需要への備え、屋外活動の判断など、影響を抑える対策につなげることができます。
ウェザーニューズの試算では、一定の前提のもと、気象情報に基づく事前対策が計画どおり実行された場合、試算上、最大約0.9兆円の被害低減余地があると推計しました。
暑さが続く時期こそ先のリスクを知り、最新の気象情報を活用して早めに備えることが、被害や損失の軽減につながると考えています。
熱波は短時間で大きな被害をもたらす台風や洪水とは異なり、長期間の暑さによって人の健康や産業、暮らしへ影響が広がる気象災害です。
一方で、事前に暑さのリスクを把握することで、農作業の調整、電力需要への備え、屋外活動の判断など、影響を抑える対策につなげることができます。
ウェザーニューズの試算では、一定の前提のもと、気象情報に基づく事前対策が計画どおり実行された場合、試算上、最大約0.9兆円の被害低減余地があると推計しました。
暑さが続く時期こそ先のリスクを知り、最新の気象情報を活用して早めに備えることが、被害や損失の軽減につながると考えています。
※本試算はウェザーニューズの独自分析により算出した推計です(速報:2026年7月29日時点)。今後の公式被害データの反映により数値は変動する可能性があります。
※1ユーロ=180円換算
※出典元
・超過死亡データ(5,764人):Santé publique France(フランス公衆衛生庁) ※第1次速報推計値。2026年秋に確定版が公表予定。
・住宅被害(RGA)データ:フランス環境移行省
・山火事焼失面積:EFFIS(European Forest Fire Information System / Copernicus)
・気象観測・予報データ:Météo-France / ウェザーニューズ
・統計的生命価値(VSL)参考値:OECD
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