【震災15年調査】8割超が災害時のSNSのデマ・AIのフェイクの識別に不安 スマホが使えない時の代わりの連絡手段は?

2026-03-06 12:52 ウェザーニュース

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未曾有の被害をもたらした東日本大震災の発生から今年で15年を迎えます。 スマートフォンやSNS、AIの普及など、ライフスタイルが大きく変化する中、災害時の情報収集や連絡の手段はどう変わったのでしょうか。

ウェザーニュースでは、今後の防災・減災に繋げていくために、毎年調査を継続して行っています。2026年2月21日(土)から25日(水)に実施した「減災調査2026.03」(有効回答数:10,269人)の結果をまとめました。

■ 調査項目 ■
1:災害情報の入手方法
2:停電・回線混雑時の連絡手段
3:停電・回線混雑時の情報取得
4:AI・SNSのフェイクやデマ
5:帰宅困難への備え
6:備えを見直すきっかけ
7:ローリングストックの認知

【1:災害情報の入手方法】年配者ほどテレビやラジオの割合大

地震発生時、何を使って情報を取得するか伺ったところ、「天気・地震アプリ・サイト(33.0%)」や「ニュースアプリ・サイト(16.8%)」など、スマートフォン・インターネットを経由した情報収集が主流となっています。

5年前の「減災調査2021」でもインターネットの割合が年々増加し、テレビ・ラジオが減少傾向にあることが指摘されていましたが、このデジタル化の波は現在も定着しています。

年代別で見ると、若年層ほどライブ動画配信やSNSなどのインターネット上のメディアから、年配層ほどテレビやラジオから情報を得ている割合が、比較的高いことがわかりました。
関連記事「震災10年実態調査〜東日本大震災から10年 減災調査2021まとめ〜」

【2:停電・回線混雑時の連絡手段】半数以上が「決めていない」

しかし、この「スマホ・インターネットへの高い依存」がいざという時の死角になり得ることが調査から見えてきました。

停電や回線の混雑でスマホやPCが使えなくなった時の「家族との連絡手段」について伺ったところ、「災害用伝言ダイヤル『171』(20.0%)」や「事前に決めた『集合場所』(18.9%)」を抑え、最も多かったのは「決めていない(53.1%)」でした。半数以上の人が、スマホが使えない事態への想像が及んでいない懸念があります。

決めている人からは、「公衆電話をさがす」「震災時は固定電話や公衆電話で連絡を取り合いました」と、東日本大震災時に繋がりやすかった公衆電話を頼りにする声や、「自宅ポストに油性ペンを常備してるので、アナログに伝言を書き残して、避難する」といった、あえてデジタルに頼らない工夫をしているといった意見が届きました。

一方で、「決めなきゃいけないとは思うが、やってない」「改めてこの機会に決めたいと思います」など、今回の調査をきっかけに危機感を持ったという声も多く寄せられました。

【3:停電・回線混雑時の情報取得】頼みの綱は「ラジオ」と「車」

また、同条件下での災害に関する「情報の取得手段」については、「ラジオ」が58.5%で圧倒的トップ、テレビ、防災無線と続く結果となりました。

寄せられたコメントを見ると、「自家用車のナビでテレビかラジオ」「車のエンジンをかけてテレビをみる」といった、車を情報源や電源として活用する声が非常に多く見られました。また、「乾電池と手動ハンドル式のラジオが抜群の威力を発揮し…」「ポータブル電源を確保し、スマホで情報収集」など、独自の電源を確保しているといった声も多数寄せられていました。

日頃はスマホでいつでも繋がるからこそ、「もしもバッテリーが切れたら」「基地局がダウンしたら」を想定し、外部電力や通信網に依存しない『代替手段(ラジオや公衆電話、集合場所の決定など)』を確保しておくことが、現代の防災の第一歩と言えます。

【4:AI・SNSのフェイクやデマ】8割超がフェイクを見抜く「自信なし」

スマホの普及は、誰もが発信者・受信者になれるSNS社会をもたらしましたが、災害時には「情報の質」が命に関わります。

「SNSのフェイク画像やデマを見分けられる自信はありますか?」という質問に対し、「ある」と答えた人はわずか16.5%にとどまりました。「ない(28.3%)」「わからない(55.2%)」を合わせると、実に80%以上の人が情報の真偽を見極める自信がない状態であることが判明しました。

AI技術の進化により、実際の被害とは異なる精巧なフェイク画像や、悪質な救助要請のデマが拡散しやすい現代。公式の自治体や報道機関など「信頼できる情報源(ソース)」を平時から確認しておき、情報の真偽を冷静に取捨選択する「デジタル防災リテラシー」の向上が不可欠です。

「自信を持って見分けられる」と思っている方も、普段と状況が違う災害時には冷静な判断ができない可能性があります。いつも以上に冷静に、注意深く情報を取り扱うことが大切です。

【5:帰宅困難への備え】災害の経験の有無で地域差

東日本大震災の際に首都圏などで大きな問題となった「帰宅困難」。発生から15年経った現在、外出先での大地震を想定した対策をしているか伺ったところ、「十分に対策している」「ある程度対策している」人は約3割(32.4%)にとどまりました。

最も多かったのは「意識はしているが、具体的な対策はできていない(47.2%)」で、「特に対策をしていない(20.4%)」と合わせると、約7割弱の人が具体的な対策を「できていない」のが現状です。
都道府県別のデータを見ると、対策状況には地域差があることがわかります。対策率が一番高かったのが宮城県で47.0%、そのほかの東北地方の各県も高い対策率となっています。

東日本大震災のとき、交通の麻痺により大混乱を経験した首都圏も、対策率が東京都40.1%、神奈川県37.4%、千葉県35.1%と、比較的意識が高いことが伺えます。山梨県や埼玉県も対策率が高く、公共交通機関により都心方面に通勤、通学する人の多い地域でも高くなっています。

また、2016年の熊本地震などで都市部でも災害を経験している熊本県も、対策率が高くなっています。

エリアごとの傾向 地方は「車」がシェルターに

首都圏など都市部の方からのコメントを見ると、非常に実践的な対策が目立ちます。

「通勤時は革靴からスニーカー、リュックサックの歩ける格好にしました」
「公共交通を使わないで徒歩で帰宅するルートを常に頭の中で描いている。実際に10キロを徒歩で帰宅する実験もやった」
「無理に帰宅せず会社に留まる。会社の備蓄とは別に自分でも保存食と飲み物をロッカーにストックしている」

といった、一斉帰宅による二次災害を防ぐため、「歩いて帰るための装備」と「職場に留まるための備え」を両立させている様子がわかります。

大地震発生時、むやみに移動を開始すると群集事故などの二次災害に巻き込まれる危険があります。「歩いて帰るためのスニーカー」だけでなく、カバンにモバイルバッテリーや少量の食料を入れる「防災ポーチ」の携帯や、職場に留まるための備蓄など、「外での備え」が改めて問われています。
一方、公共交通機関よりも車での移動がメインとなる地方では、首都圏とは全く異なる対策が主流となっています。

「車通勤なので、車内に水、簡易トイレ、毛布、寝袋などを常備している」「車中泊仕様なのでしばらくはそれでしのげる」といった、車を移動する避難所(シェルター)」として活用する備えが広く浸透していることがわかります。

しかし同時に、車社会や生活圏の狭さゆえの「楽観視」や「油断」の声も多く寄せられました。

「田舎なので帰宅困難にはあまり遭遇しないであろうという考えが先に立っている」「帰宅困難は都会の問題」「車があるから何とかなる」という意識から、車に何も積んでいない、あるいは車から離れた場所での被災を想定できていない層が一定数いることも見えてきました。

【6:備えを見直すきっかけ】大地震のニュースを見た時が最多

「防災行動や備えを見直すきっかけとして一番当てはまるもの」を伺ったところ、最も多かったのは「大きな地震のニュースなどを見た時」で40.9%にのぼりました。次いで、「定期的に見直している」が16.2%、「防災の日や『東日本大震災から15年』など節目の機会」が14.4%、「実際に大きな地震にあった時」が13.2%と続きます。

多くの方が、ご自身が直接被害に遭わずとも、他地域の災害ニュースや震災の節目をきっかけに、我が事として備えを見直していることがわかります。

一方で、いざという時に「非常食の賞味期限が切れていた」「電池が使えなかった」という事態を防ぐためには、季節の変わり目などに定期的に見直すことがとても大切です。今回の調査でも、16.2%の方がすでに定期的な見直しを習慣化しています。
日常的に備蓄を見直す一環としておすすめなのが、非常時と通常時に同じものを使う「日常と非日常の境界をなくす」ことです。これが備えを長続きさせるうまくいくコツであり、その代表的な方法の一つに「ローリングストック法」があります。

日頃の備蓄として、普段の食事で消費しながら使った分だけ買い足していく「ローリングストック法」を聞いたことがあるか尋ねたところ、「実践している」と答えた人は37.3%となりました。

「名前だけ知っている」という人も35.8%おり、言葉自体の認知度は高いものの、まだ実際の行動には移せていない層が同程度いることがわかります。また、「ない(聞いたことがない)」という方も26.9%いらっしゃいました。

「非常食」として特別なものを奥底にしまい込むのではなく、普段から食べ慣れているレトルト食品や缶詰、飲料水を少し多めに買っておき、古いものから消費して使った分だけ買い足す。このローリングストックであれば、賞味期限切れを防ぎながら無理なく備えを継続できます。
関連記事「非常食などの備蓄に最適な”ローリングストック法” 日用品への応用も」

震災の教訓を今後の減災に

今後、いつどこで災害が起こるかわかりません。「もしもスマホが繋がらなかったらどうするか」をこの機会に考え、集合場所や171の使い方などを確認しておきましょう。また、自分のライフスタイルにあった備蓄や、定期的な備えの見直しなども重要です。

こちらも読む「【震災15年調査】被災地とその他地域で“現地の今”の認識に違い 世代間で記憶のギャップ広がる〜減災調査2026.03〜」
ウェザーニュースでは、今後も過去の災害の教訓を伝え、次の防災・減災に繋げる取り組みを続けてまいります。
関連「防災減災ハンドブック」
天気アプリで災害に備える

「減災調査2025.09」(防災の日)
対象:スマホアプリ「ウェザーニュース」利用者
期間:2026年2月21日〜25日
人数:10,269
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