台風14号は温帯低気圧化 秋雨前線と一体化へし日本海を東進
2024/09/21 15:57 ウェザーニュース
9月21日(土)15時現在、台風14号(プラサン)は温帯低気圧に変わりました。このあと低気圧は秋雨前線と一体化し、日本海を東進する予想です。東北や北陸などで大雨のおそれがあります。
▼台風14号 9月21日(土)15時
擾乱種類 温帯低気圧(LOW)
中心位置 黄海
移動 東 30 km/h
中心気圧 994 hPa
» ピンポイント天気予報
明日にかけて大雨に警戒
雨雲の予想
秋雨前線は午後も同じような所に停滞するため、石川県能登地方は発達した雨雲が通過しやすい状況が続きます。
また、台風14号から変わった低気圧が明日22日(日)の朝に北陸付近を通過する見込みです。
低気圧が通過するまで断続的に強雨となり、さらに200mm以上の大雨が予想されます。これまで降った雨と合わせると、400mm前後に達するような大雨となり、土砂災害や河川氾濫などの被害が拡大するおそれがあります。また、低気圧の通過時は強風による家屋の影響などにも警戒が必要です。
能登半島地震の影響で、普段よりも災害の発生しやすい状態になっている地域もあります。今後も最新の情報をしっかりと確認し、雨が落ち着くまで安全の確保を最優先にしてください。
台風の暴風域に入る確率
5日先までに台風の暴風域に入る確率がが3%以上の府県予報区は以下の通りです。(気象庁)
奄美地方 2 %
沖縄本島地方 13 %
宮古島地方 54 %
八重山地方 72 %
新たな台風が発生予想
台風13号(バビンカ)は17日(火)9時に中国の華中で勢力を落として熱帯低気圧に変わりました。
一方、気象庁は南シナ海の熱帯低気圧について「12時間以内に台風に発達する見込み」との情報を発表しています。この熱帯低気圧は南シナ海に進んで西進する予想となっているため、日本への直接の影響はありません。
▼熱帯低気圧 9月17日(火)9時
中心位置 南シナ海
移動 西 35 km/h
中心気圧 998 hPa
最大風速 15 m/s (中心付近)
最大瞬間風速 23 m/s
» レーダー 風モード(ウィンドフロー)» 雨雲レーダー
台風はこの後さらに加速しながら北西に進み、時速50km前後の速度で今夜沖縄本島付近を通過していく予想です。暴風域を伴わない勢力ですが、進路の北側にあたる沖縄本島や奄美では風が強まりやすいため、強風や高波に注意が必要です。土砂降りの雨や強風による横殴りの雨にも注意してください。夕方以降は荒天のピークを迎えるのでなるべく外出を控え、屋内で安全を確保するようにしてください。
参考 世界各国の気象機関が計算した進路の数値シミュレーション結果
この図の細い線1本1本は世界各国の気象機関が計算した数値シミュレーションの結果をあらわします。アンサンブル予報という手法の過程で得られるもの(メンバー)で、想定される進路にかなりの幅があることをイメージするために掲載しています。
これらのメンバーを比較すると、日本の東に北上する傾向は概ね揃っているものの、その先で北東に離れる予測と本州方面に向かう予測でばらつきがあることがわかります。西寄りの進路となった場合には三連休の頃に風雨の影響が出る可能性があるため、予報の変化に注視が必要です。日がたつにつれて誤差は縮小する見込みですので、今後の情報にご注意ください。
9月は台風の接近が多い時期
平年の台風発生数
台風の発生は、11日(水)に発生した台風13号以来で、今月に入ってから4つめです。
台風発生数の平年値を見ると、9月は平均5.0個で8月に次いで台風の発生が多い時期です。一方、台風の接近数の平年値は3.3個と8月と同値、台風の上陸数の平年値は1.0個と9月が年間トップです。
本格的な台風シーズンですので、台風対策・大雨対策等を整えておくようにしてください。
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台風の名前
北西太平洋や南シナ海で発生した台風の名前は、国際機関「台風委員会」の加盟国などが提案した名称があらかじめ140個用意されていて、発生順につけられます。
台風14号の名前「プラサン(Pulasan)」はマレーシアが提案した名称で、果物の名前からとられています。
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