ゲンジボタルが光る理由
まず初めに蛍はなぜ光るのか、その理由や目的を教えてください。
「世界には約2200種の蛍がいますが、その内たった数十種の蛍が幼虫が水生で水の中で過ごします。日本を代表するゲンジボタルは水生の蛍です。
川の中で幼虫期を過ごすと、どうしても分散してしまいます。そこで、広大な河川の中で仲間を集めて雄(おす)と雌(めす)が出会う機会を高めるために光を使います。雄は雌の光を見つけると近づいて行って交尾をするのです。
ただ、成虫以外の卵も幼虫も蛹(さなぎ)も光ります。その光る役割はよく分かっていません」
「世界には約2200種の蛍がいますが、その内たった数十種の蛍が幼虫が水生で水の中で過ごします。日本を代表するゲンジボタルは水生の蛍です。
川の中で幼虫期を過ごすと、どうしても分散してしまいます。そこで、広大な河川の中で仲間を集めて雄(おす)と雌(めす)が出会う機会を高めるために光を使います。雄は雌の光を見つけると近づいて行って交尾をするのです。
ただ、成虫以外の卵も幼虫も蛹(さなぎ)も光ります。その光る役割はよく分かっていません」
ゲンジボタルの交尾可能期間が短い!?
蛍が交尾する際、「OK?、YES!」を示すようなサインはあるのでしょうか。
「ゲンジボタルに関しては雌雄の光のやり取りというのは緻密ではありませんが、林などに住むヒメボタルなどの蛍はとても緻密に雄と雌が光を交わします。
ヒメボタルでは雌の近くに降り立った雄が光って(OK?)、それに決まった時間的な遅れの後に雌が光って(YES!)答えるという会話を繰り返すことで雌雄がコミュニケーションをとります」
「ゲンジボタルに関しては雌雄の光のやり取りというのは緻密ではありませんが、林などに住むヒメボタルなどの蛍はとても緻密に雄と雌が光を交わします。
ヒメボタルでは雌の近くに降り立った雄が光って(OK?)、それに決まった時間的な遅れの後に雌が光って(YES!)答えるという会話を繰り返すことで雌雄がコミュニケーションをとります」
ゲンジボタルが光るメカニズムとは
蛍が光る化学反応の仕組みについて、詳しく教えてください。
「蛍の場合は体内の『ルシフェリン』という物質が酸素と結びついて光を出し、『ルシフェラーゼ』という酵素がその反応を手助けしているのです。
ゲンジボタルの成虫の場合、ルシフェリンは身体全体に、ルシフェラーゼは尻の部分に白く見える『発光器』の中に存在します。ルシフェラーゼは蛍によって性質に違いがあり、よく見られる黄緑色以外にも、黄色や赤色などの色を発光する種もいます。
最近の研究では、蛍のさなぎは尻だけでなく頭も光り、尻と頭では発光の仕組みが違っていることが発見されています。蛍が光る仕組みや役割には、いまだに多くの謎が残されているのです」
「蛍の場合は体内の『ルシフェリン』という物質が酸素と結びついて光を出し、『ルシフェラーゼ』という酵素がその反応を手助けしているのです。
ゲンジボタルの成虫の場合、ルシフェリンは身体全体に、ルシフェラーゼは尻の部分に白く見える『発光器』の中に存在します。ルシフェラーゼは蛍によって性質に違いがあり、よく見られる黄緑色以外にも、黄色や赤色などの色を発光する種もいます。
最近の研究では、蛍のさなぎは尻だけでなく頭も光り、尻と頭では発光の仕組みが違っていることが発見されています。蛍が光る仕組みや役割には、いまだに多くの謎が残されているのです」
蛍の光は地域によって発光パターンが違う?

東日本と西日本の蛍では発光パターンが異なるそうですが。
「ゲンジボタルの東西における明滅間隔の違いに初めて気づいたのは“日本の発光生物研究の礎を築いた”とされる神田左京氏(1874-1939年)で、著書の『ホタル』(1935年刊)に『東日本は1分間に16回、西日本は1分間に34回明滅』などと記しました。
その後“日本の蛍研究の第一人者”である横須賀市博物館の大場信義先生(1945-2020年)が、さらに研究を進められて、ゲンジボタルの明滅の間隔は東日本では4秒間隔、西日本と九州では2秒間隔と明らかにされました。
最近では長崎大学の大庭伸也准教授により、長崎県五島列島の一部に1秒間隔で明滅するゲンジボタルが発見されています。五島のゲンジボタルは1秒ずつ“パッパッパッパッ”と光るのに対し、西日本と九州は明滅の間隔が2秒、東日本は4秒です」
東西で明滅間隔が異なる理由は判明しているのでしょうか。
「最近、ゲンジボタルの全ゲノム解析が行われ、ゲンジボタルの遺伝子の全容がわかってきたようですし、多くの研究者によってゲンジボタルの生態についても調べられています。
東西で明滅間隔が異なる理由はまだよくわかっていませんが、今後何かわかるのかもしれません」
東と西で明滅間隔の異なるゲンジボタルの光り方をはじめ、蛍の光にはまだまだ謎が宿っているのですね。そんな思いを込めてじっくり観察してみてはいかがでしょうか。
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「ゲンジボタルの東西における明滅間隔の違いに初めて気づいたのは“日本の発光生物研究の礎を築いた”とされる神田左京氏(1874-1939年)で、著書の『ホタル』(1935年刊)に『東日本は1分間に16回、西日本は1分間に34回明滅』などと記しました。
その後“日本の蛍研究の第一人者”である横須賀市博物館の大場信義先生(1945-2020年)が、さらに研究を進められて、ゲンジボタルの明滅の間隔は東日本では4秒間隔、西日本と九州では2秒間隔と明らかにされました。
最近では長崎大学の大庭伸也准教授により、長崎県五島列島の一部に1秒間隔で明滅するゲンジボタルが発見されています。五島のゲンジボタルは1秒ずつ“パッパッパッパッ”と光るのに対し、西日本と九州は明滅の間隔が2秒、東日本は4秒です」
東西で明滅間隔が異なる理由は判明しているのでしょうか。
「最近、ゲンジボタルの全ゲノム解析が行われ、ゲンジボタルの遺伝子の全容がわかってきたようですし、多くの研究者によってゲンジボタルの生態についても調べられています。
東西で明滅間隔が異なる理由はまだよくわかっていませんが、今後何かわかるのかもしれません」
東と西で明滅間隔の異なるゲンジボタルの光り方をはじめ、蛍の光にはまだまだ謎が宿っているのですね。そんな思いを込めてじっくり観察してみてはいかがでしょうか。
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