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検証! おしぼりで汚れや雑菌を落とす効果はどれくらい?

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2024/02/15 05:00 ウェザーニュース

この時季、インフルエンザなどの感染症が流行しています。国立感染症研究所の1月第4週の統計によれば、インフルエンザは前週に比べて47都道府県のうち28都道府県で増加し、43都道府県で警報レベルを超える状況にあり、相変わらず猛威を振るっています。

感染症対策には、まず手洗いが重要、ということはコロナ禍の経験から浸透しましたが、手を洗えない時には「おしぼり」を使う方も多いと思います。

そこで飲食店やお弁当を買った時などについてくる紙おしぼりでは、どの程度汚れを落とすことができるのかを検証した、エフコープ生活協同組合機関運営・広報部の光安さんに伺いました。

汚れと菌の落ち方で調査

手をきれいにするには手についているホコリやゴミ、油分などの汚れと、ウィルスや菌を落とす必要があります。

「今回は、水道水、石鹸(せっけん)、紙おしぼりの3パターンで手についている汚れの落ち方、さらに水道水、石鹸、紙おしぼりと石鹸+アルコール消毒の4パターンで菌の落ち方を調査しました」(光安さん)

紙おしぼりの結果は?

まずは、汚れ落ち方の検証結果を見てみましょう。

ブラックライトにかざすと光る性質を持つ手洗いチェッカーローションを手につけて、「水道水で洗う」「石鹸で洗う」「紙おしぼりで拭く」の3パターンでブラックライトをかざしました。
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「『水道水で洗う』だと、全体的に薄くなっているもののローションは残ったままですが、『石鹸で洗う』は指先の一部、指の付け根に残っているのみで、ほぼローションは落ちています。

『紙おしぼりで拭く』は、手のひらや指などおしぼりでしっかり拭いた部分は落ちているが、それ以外はローションは残ったままですね。水道水よりは落ちていますが、石鹸よりは落ちていません。

つまり、おしぼりは石鹸での手洗いよりも汚れが落ちにくいことを意識する必要がありそうです。

もし紙おしぼりしかなければ、しっかりと拭き取ることは必須ですが、それでも手づかみで食べることはなるべく避けた方がよいと思います」(光安さん)

菌の落ち方には明らかな違いが!?

次に菌の落ち方の検証結果をみてみましょう。

挽き肉を手に付けてから「水道水で洗う」「石鹸で洗う」「紙おしぼりで拭く」「石鹸で洗う+アルコール消毒」の4パターン手洗いをして菌の状況を調査しました(※菌数の表示は手洗い前の状態を100として各条件下での数値を算出したもの)。
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「この結果から、『石鹸で洗う+アルコール消毒』は、もっとも菌数が減少し、衛生的だということが分かります。コロナ禍でも浸透したこの洗い方が最も効果が高いといえます。

『石鹸で洗う』も、菌数が大きく減っています。

一方で、『水道水で洗う』や『紙おしぼりで拭く』は、ある程度は菌数を減らすことはできたものの、衛生的とまでは言えない結果となりました。

やはり、食事の前には石鹸+アルコール消毒が理想ですが、どうしても紙おしぼりしかない場合には、やはりしっかりと拭き取り、なるべく手づかみは避けるようにしたほうがよいでしょう」(光安さん)
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改めて、手の洗い方も確認しておきましょう。手を洗う際には石鹸をつけて手のひらや指の間、手の甲、指先・爪などを念入りに洗います。

「手洗い後に菌が手に残らないようにするためにも、30秒ぐらいかけてすすぎを行うのがオススメ」だと光安さんは付け加えます。

インフルエンザやノロウィルス、コロナウィルスなどもまだ勢いは衰えていないこの時季、紙おしぼりしかない場合には手を入念に拭き取った上で、なるべく手づかみで食べないように、十分注意しましょう。
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取材協力
エフコープ生活協同組合 CHEER!days