熱帯キノコが本州でも越冬? 分布拡大の背景に温暖化の影響も?
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秋は野生のキノコを見かける機会が増える季節です。近年、オオシロカラカサタケをはじめ、熱帯・亜熱帯性のキノコが見つかるようになってきたそうです。
この現象は地球温暖化と関係があるのでしょうか。長年キノコを研究してきた農学博士で、元・千葉県立中央博物館の上席研究員の吹春俊光(ふきはる・としみつ)さんに解説していただきました。
この現象は地球温暖化と関係があるのでしょうか。長年キノコを研究してきた農学博士で、元・千葉県立中央博物館の上席研究員の吹春俊光(ふきはる・としみつ)さんに解説していただきました。
熱帯キノコが本州で越冬?
地球温暖化は、動植物だけでなく、キノコの分布にも影響を与えている可能性があるといいます。
「地球温暖化がキノコの分布に影響を与えているのではないかと言われる一例が、熱帯から亜熱帯に分布する『オオシロカラカサタケ』です。日本では1937年に初めて記録され、その後、1980年代以降には大阪湾岸を中心に分布を広げ、北上する様子が確認されるようになりました。
さらに、北上に伴って全国の分布数も増えています。長年、オオシロカラカサタケなどを観察・研究している中島淳志さんによれば、2023年を境に急激に増加し、2026年度は途中集計であるものの、2023年の3倍以上になるのではと予想されています」(吹春さん)
「地球温暖化がキノコの分布に影響を与えているのではないかと言われる一例が、熱帯から亜熱帯に分布する『オオシロカラカサタケ』です。日本では1937年に初めて記録され、その後、1980年代以降には大阪湾岸を中心に分布を広げ、北上する様子が確認されるようになりました。
さらに、北上に伴って全国の分布数も増えています。長年、オオシロカラカサタケなどを観察・研究している中島淳志さんによれば、2023年を境に急激に増加し、2026年度は途中集計であるものの、2023年の3倍以上になるのではと予想されています」(吹春さん)
堆肥や腐葉土から芝地や公園でも発生
熱帯性のキノコの胞子は、台風などの風に乗って、以前から毎年大量に日本へ運ばれてきていたそうです。
「運ばれてきた胞子のほとんどは、冬の寒さに耐えられず死滅していました。しかし、オオシロカラカサタケは、2000年ごろには、ある程度寒い場所でも、枯れ草や枝葉が堆積して腐葉土となり、発酵熱で温度が高くなる場所(ホットスポット)に生えるようになりました。
「運ばれてきた胞子のほとんどは、冬の寒さに耐えられず死滅していました。しかし、オオシロカラカサタケは、2000年ごろには、ある程度寒い場所でも、枯れ草や枝葉が堆積して腐葉土となり、発酵熱で温度が高くなる場所(ホットスポット)に生えるようになりました。
その後2010年ごろには、ホットスポットだけでなく、公園の芝生などごく普通の場所でも生えるようになり、一般の方が見かけるようになったのです。
また、『ツブカラカサタケ』は、以前はホットスポットや温室で見られるキノコとして知られていましたが、温室の外でも、木材チップをまいた場所で冬を越すようになってきました。
1981年に沖縄や熊本など日本の南方で発見された『ニオウシメジ』も、じわじわと日本列島を北上し、関東地方でも見られるようになってきました。
確かに、発酵熱のある場所は、熱帯性のキノコが生き残るうえで適した環境でした。しかし、そうした場所だけでなく、公園の芝地などにも生えて分布を拡大していることから、日本の気候や環境の変化も関係していると考えられています」(吹春さん)
また、『ツブカラカサタケ』は、以前はホットスポットや温室で見られるキノコとして知られていましたが、温室の外でも、木材チップをまいた場所で冬を越すようになってきました。
1981年に沖縄や熊本など日本の南方で発見された『ニオウシメジ』も、じわじわと日本列島を北上し、関東地方でも見られるようになってきました。
確かに、発酵熱のある場所は、熱帯性のキノコが生き残るうえで適した環境でした。しかし、そうした場所だけでなく、公園の芝地などにも生えて分布を拡大していることから、日本の気候や環境の変化も関係していると考えられています」(吹春さん)
継続的なキノコ観察が重要
キノコの分布が広がっても、その原因を地球温暖化と断定するのは難しいといいます。
「キノコはふだん、地中や落ち葉の中などに菌糸を広げて暮らしています。地上に姿を現すのは、胞子をつくるための『子実体(しじつたい)』を発生させたときです。そのためキノコを通してだと、動植物と比べて環境の変化に気づきにくい面があります。
また、熱帯性のキノコが新たに見つかったとしても、地球温暖化によるものか、ヒートアイランド(都市化)や人為的な環境変化(土や芝生の持ち込み)などによるものか、簡単には判断できません。
だからこそ、こうした分布域の拡大や変化については、継続的な観察や記録が重要なのだと思います」(吹春さん)
身近な公園や道端で見かけるキノコ。地球温暖化や地球環境の変化のセンサーとしての見方もできるのですね。
特集 ウェザーニュースと考える地球の未来
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参考資料
横山和正(1995)「熱帯性きのこオオシロカラカサタケの京阪神地区(近畿地方)への侵入」、河合繁好(2013)「熱帯性きのこ“オオシロカラカサタケChlorophyllum molybdite”の日本国内での分布の拡大状況 (要旨)」
「キノコはふだん、地中や落ち葉の中などに菌糸を広げて暮らしています。地上に姿を現すのは、胞子をつくるための『子実体(しじつたい)』を発生させたときです。そのためキノコを通してだと、動植物と比べて環境の変化に気づきにくい面があります。
また、熱帯性のキノコが新たに見つかったとしても、地球温暖化によるものか、ヒートアイランド(都市化)や人為的な環境変化(土や芝生の持ち込み)などによるものか、簡単には判断できません。
だからこそ、こうした分布域の拡大や変化については、継続的な観察や記録が重要なのだと思います」(吹春さん)
身近な公園や道端で見かけるキノコ。地球温暖化や地球環境の変化のセンサーとしての見方もできるのですね。
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横山和正(1995)「熱帯性きのこオオシロカラカサタケの京阪神地区(近畿地方)への侵入」、河合繁好(2013)「熱帯性きのこ“オオシロカラカサタケChlorophyllum molybdite”の日本国内での分布の拡大状況 (要旨)」
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