欧州3カ国の山火事 社会・経済的影響は約5,600億円(約31億ユーロ)と試算
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2026年夏、欧州各地で大規模な山火事が相次ぎました。欧州森林火災情報システム(EFFIS)によると、EU域内の焼失面積は9月23日時点で約67.9万haとなり、過去20年の同時期平均約35.5万haを大きく上回っています。
今年の夏の総括として、ウェザーニューズでは、スペイン、ポルトガル、ギリシャの3カ国について、山火事による社会・経済的影響を独自に推定しました。その結果、3カ国合計で約5,600億円(約31億ユーロ)に達する試算となりました。
今年の夏の総括として、ウェザーニューズでは、スペイン、ポルトガル、ギリシャの3カ国について、山火事による社会・経済的影響を独自に推定しました。その結果、3カ国合計で約5,600億円(約31億ユーロ)に達する試算となりました。
被害推計は3カ国で約5,600億円 スペインが全体の約9割
スペイン:約28万haの森林が焼失、農業にも被害が広がる
3カ国の中で推計額が最も大きくなったスペインでは、平年を大幅に上回る大規模森林火災が発生しました。
スペイン生態移行・人口問題省(MITECO)の9月28日時点の暫定集計によると、2026年の森林焼失面積は約27.6万haに達し、2016~2025年の平均と比べて約2.5倍もの規模に拡大しました。500haを超える大規模森林火災も45件確認されています。
火の手は森林にとどまらず、人々の食を支える現場を直撃しました。スペイン農業・漁業・食料省(MAPA)によると、火災の影響を受けた約27万haのうち約6万haが農業用地でした。農作物や家畜の牧草地、養蜂施設、農村のインフラ設備にまで被害が及び、地域経済の基盤に大きな打撃を与えています。
スペイン生態移行・人口問題省(MITECO)の9月28日時点の暫定集計によると、2026年の森林焼失面積は約27.6万haに達し、2016~2025年の平均と比べて約2.5倍もの規模に拡大しました。500haを超える大規模森林火災も45件確認されています。
火の手は森林にとどまらず、人々の食を支える現場を直撃しました。スペイン農業・漁業・食料省(MAPA)によると、火災の影響を受けた約27万haのうち約6万haが農業用地でした。農作物や家畜の牧草地、養蜂施設、農村のインフラ設備にまで被害が及び、地域経済の基盤に大きな打撃を与えています。
ポルトガル:ブドウなど被災 土壌流出など環境悪化も懸念
ポルトガルでも夏を通じて激しい山火事が相次ぎ、森林とともに重要な農地が大きな被害を受けました。被災地域では、地域の特産物であるブドウやオリーブ、アーモンドなどの農業生産への影響が報告されており、現地の人々の生計に直結する問題となっています。現在、ポルトガル政府によって農業生産能力を立て直すための回復支援が進められています。
さらに問題となっているのが、火が消えた後に生じる二次被害です。山火事で斜面の木々が失われたことにより、大雨に伴う土壌流出や川への泥の混入による水質悪化など、鎮火後も環境面に重い課題が残っています。森林の焼失は、その土地が持つ治水や環境保全の機能を奪い、長期的な生活環境の悪化を招くリスクをはらんでいます。
さらに問題となっているのが、火が消えた後に生じる二次被害です。山火事で斜面の木々が失われたことにより、大雨に伴う土壌流出や川への泥の混入による水質悪化など、鎮火後も環境面に重い課題が残っています。森林の焼失は、その土地が持つ治水や環境保全の機能を奪い、長期的な生活環境の悪化を招くリスクをはらんでいます。
ギリシャ:生活インフラに被害 観光シーズン直撃で地域経済に打撃
ギリシャでは7月末から8月にかけて各地で山火事が発生し、人々の日常生活を支える住宅や地域の企業、農地などに直接的な被害が報告されました。被災者や事業者の生活再建に向けて、ギリシャ政府は被害を受けた住宅や企業、農業事業者に対する財政支援などの対応を急いでいます。
今回の火災が深刻なのは、一年で最も観光需要が高まる夏季のピーク時に発生した点です。住民だけでなく多くの旅行者が避難を余儀なくされ、店舗や宿泊施設の営業制限が生じたことで、地域の基幹産業である観光関連事業にも幅広い悪影響を及ぼす可能性があります。気象災害によるインフラの停止は、サプライチェーンや観光業を通じて地域経済全体を揺るがす事態へと発展しています。
今回の火災が深刻なのは、一年で最も観光需要が高まる夏季のピーク時に発生した点です。住民だけでなく多くの旅行者が避難を余儀なくされ、店舗や宿泊施設の営業制限が生じたことで、地域の基幹産業である観光関連事業にも幅広い悪影響を及ぼす可能性があります。気象災害によるインフラの停止は、サプライチェーンや観光業を通じて地域経済全体を揺るがす事態へと発展しています。
火が消えても終わらない山火事被害 土砂流出や産業復興が課題に
山火事の脅威は、炎が鎮火した瞬間に終わるわけではありません。欧州森林火災情報システム(EFFIS)によると、EU域内の焼失面積は9月23日時点で約67.9万haに達し、過去20年の同時期平均である約35.5万haの2倍近くまで広がりました。これほど広範囲の自然が失われたことで、社会活動の正常化には長い年月が必要とみられます。
今後は被災した農林業の生産力回復や、壊れた住宅・インフラの早期復旧が急務となります。同時に、草木を失った焼失地からの土砂や有害な灰の流出、生態系の再生、さらには観光需要の回復など、長期にわたる課題への対処が求められます。
気象の極端化がもたらす火災は、生態系のみならず人間社会の経済構造そのものを脅かし続けています。
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今後は被災した農林業の生産力回復や、壊れた住宅・インフラの早期復旧が急務となります。同時に、草木を失った焼失地からの土砂や有害な灰の流出、生態系の再生、さらには観光需要の回復など、長期にわたる課題への対処が求められます。
気象の極端化がもたらす火災は、生態系のみならず人間社会の経済構造そのものを脅かし続けています。
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◼︎算出根拠と推計方法
今回の試算では、各国の焼失面積や人口・経済統計、農林業関連データなどの公開情報をもとに、農林業、森林・環境、建物・インフラ、災害対応、観光・地域経済など、各国で確認された主な影響を経済価値に換算しています。
算定にあたっては、夏季終了後に公表された各国政府・公的機関の実績データとも照合し、公開情報との乖離が大きい一部の人的影響や建物被害などは本記事掲載額から除外しています。なお、これらの項目を算定対象から除外したことは、実際に被害が発生していないことを意味するものではありません。
本試算は公的機関による確定被害額ではなく、一定の前提条件に基づくウェザーニューズ独自算定による推定値です。円建ての推計額を基準とし、ユーロへの参考換算には1ユーロ=180円を使用しています。
◼︎主な出典・参考情報
・欧州委員会共同研究センター(JRC)/欧州森林火災情報システム(EFFIS):2026年欧州山火事・焼失面積
・スペイン生態移行・人口問題省(MITECO):2026年森林火災暫定集計
・スペイン農業・漁業・食料省(MAPA):山火事による農業被害・支援情報
・ポルトガル政府・自然保護森林研究所(ICNF):山火事・復旧支援情報
・ギリシャ気候危機・市民保護省:山火事・被災者支援情報
・各国政府・自治体等が公表する2026年山火事関連情報
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