川から離れた"高台のくぼ地"で道路冠水 現地リポートから振り返る千葉の台風25号被害
ウェザーニュース
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台風25号の影響で千葉県は9月20日(日)から21日(月)にかけて広い範囲で大雨となり、各地で道路の冠水や浸水が発生しました。
ウェザーニュースでは、千葉県内から寄せられた約1万件のウェザーリポートと、浸水状況をたずねたアプリ内アンケートをもとに、被害の実態を分析しました。
【台風25号】大雨被害リポートマップ
冠水・浸水の報告をハザードマップや標高データと照らし合わせると、約半数は川から離れた「高台のくぼ地」で起きていました。なぜ高台で冠水したのか、2つのハザードマップの違いとともに解説します。
ウェザーニュースでは、千葉県内から寄せられた約1万件のウェザーリポートと、浸水状況をたずねたアプリ内アンケートをもとに、被害の実態を分析しました。
【台風25号】大雨被害リポートマップ
冠水・浸水の報告をハザードマップや標高データと照らし合わせると、約半数は川から離れた「高台のくぼ地」で起きていました。なぜ高台で冠水したのか、2つのハザードマップの違いとともに解説します。
約1万件の現地報告から見えた、千葉県の台風25号浸水被害の実態
今回の分析では、千葉県内から寄せられたウェザーリポートの本文と写真から被害の有無を判定し、被害があった地点の位置をハザードマップや標高データと重ねました。
あわせてアプリ内のアンケートで「一番高かった時の浸水状況」と「周辺の一番大きな浸水被害」を伺い、千葉県内からの回答を集計しています。
※それらに加えて下記のデータを照らし合わせて分析しています。
(1)洪水浸水想定区域
国や都道府県などの河川管理者が、河川が氾濫した場合に浸水が想定されると定めた区域(想定最大規模)
(2)内水ハザードマップ
千葉市、船橋市、八千代市、柏市など各自治体が公表している、下水道や側溝の排水が追いつかずに浸水が想定される区域
(3)標高データ
国土地理院の数値標高モデル。リポートの位置の周辺100mの高低差を算出
(4)土砂災害警戒区域
千葉県が指定する、土砂災害のおそれがある区域
(5)雨量
気象庁アメダスの観測値
あわせてアプリ内のアンケートで「一番高かった時の浸水状況」と「周辺の一番大きな浸水被害」を伺い、千葉県内からの回答を集計しています。
※それらに加えて下記のデータを照らし合わせて分析しています。
(1)洪水浸水想定区域
国や都道府県などの河川管理者が、河川が氾濫した場合に浸水が想定されると定めた区域(想定最大規模)
(2)内水ハザードマップ
千葉市、船橋市、八千代市、柏市など各自治体が公表している、下水道や側溝の排水が追いつかずに浸水が想定される区域
(3)標高データ
国土地理院の数値標高モデル。リポートの位置の周辺100mの高低差を算出
(4)土砂災害警戒区域
千葉県が指定する、土砂災害のおそれがある区域
(5)雨量
気象庁アメダスの観測値
冠水・浸水の報告、半数は「川から離れた高台のくぼ地」で
21日(月)から22日(火)に千葉県内から寄せられたウェザーリポート10,133件のうち、本文や写真から実際に浸水や道路冠水が起きていたと確認できた447件の場所を調べると、半分は川の近くなどの低い土地、もう半分は川から離れた高台のくぼ地でした。
洪水ハザードマップと標高データをもとに場所を分けると、3つのタイプになりました。
①川の近くの低い土地(洪水マップで色がある場所):36%(158件)
茂原市、市川市、佐倉市、市原市の養老川沿いなどが該当。川の水位が上がって水があふれたり引かなかったり、床下・床上浸水や田畑の冠水が目立ちました。
②沿岸部や水路沿いの低い土地(洪水マップでは色がない場所):16%(73件)
浦安市や九十九里沿岸の白子町、長生村、大網白里市など。大きな川はないものの標高が低く、雨水がはけずに冠水したとみられます。
③川から離れた高台のくぼ地(まわりより低い場所):48%(216件)
八街市、船橋市の内陸部、成田市、千葉市緑区・若葉区など。坂の下やまわりより低い交差点に雨水が集まり、冠水報告が届きました。
低い土地(①+②)が約52%、高台のくぼ地(③)が約48%です。③は一時的な道路冠水が多く、床上浸水や田畑の長期冠水など生活への影響が大きい被害は、①の川の近くの低い土地に多くみられました。
洪水ハザードマップと標高データをもとに場所を分けると、3つのタイプになりました。
①川の近くの低い土地(洪水マップで色がある場所):36%(158件)
茂原市、市川市、佐倉市、市原市の養老川沿いなどが該当。川の水位が上がって水があふれたり引かなかったり、床下・床上浸水や田畑の冠水が目立ちました。
②沿岸部や水路沿いの低い土地(洪水マップでは色がない場所):16%(73件)
浦安市や九十九里沿岸の白子町、長生村、大網白里市など。大きな川はないものの標高が低く、雨水がはけずに冠水したとみられます。
③川から離れた高台のくぼ地(まわりより低い場所):48%(216件)
八街市、船橋市の内陸部、成田市、千葉市緑区・若葉区など。坂の下やまわりより低い交差点に雨水が集まり、冠水報告が届きました。
低い土地(①+②)が約52%、高台のくぼ地(③)が約48%です。③は一時的な道路冠水が多く、床上浸水や田畑の長期冠水など生活への影響が大きい被害は、①の川の近くの低い土地に多くみられました。
3割近くが冠水を経験、多くは足首程度
周辺で目撃した被害を聞いた設問では、4人に1人が何らかの被害を見ており、その中心は大規模な道路冠水やアンダーパスの水没でした。床下・床上浸水を目撃した人は全体の5%ほどです。
令和8年8月千葉豪雨(以下、千葉豪雨)の翌朝に同じ設問で行ったアンケートでは、冠水・浸水を経験した人が43%、ひざより上まで来た人が17%で、今回はどちらも大きく下回っています。
周辺の被害でも、車の水没やアンダーパスの水没を目撃した人は千葉豪雨の半分以下に減った一方、床下・床上浸水の割合はほぼ変わりませんでした。水位が急に上がって車が動けなくなるような被害は減り、家屋の浸水は同じ程度に起きていたことになります。
関連記事「令和8年8月千葉豪雨の振り返り」
令和8年8月千葉豪雨(以下、千葉豪雨)の翌朝に同じ設問で行ったアンケートでは、冠水・浸水を経験した人が43%、ひざより上まで来た人が17%で、今回はどちらも大きく下回っています。
周辺の被害でも、車の水没やアンダーパスの水没を目撃した人は千葉豪雨の半分以下に減った一方、床下・床上浸水の割合はほぼ変わりませんでした。水位が急に上がって車が動けなくなるような被害は減り、家屋の浸水は同じ程度に起きていたことになります。
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千葉豪雨との違いは雨の強度 総雨量は同じでも1時間雨量は3分の1
千葉豪雨と比べると、8月13日(木)は1日で351.0mm、1時間最大は111.5mmでした。今回は24時間で352.5mm、1時間最大は42.5mmです。同じ量の雨が、1時間あたりでは3分の1ほどの強さで、時間をかけて降った形です。
8月13日(木)は短時間の猛烈な雨で都市の排水が追いつかず、千葉駅周辺などが深く浸水しました。今回は冠水は浅かった一方、長雨で川の水位が上がり、雨がやんだ後まで被害が続きました。
写真「千葉豪雨の被害の様子」
8月13日(木)は短時間の猛烈な雨で都市の排水が追いつかず、千葉駅周辺などが深く浸水しました。今回は冠水は浅かった一方、長雨で川の水位が上がり、雨がやんだ後まで被害が続きました。
写真「千葉豪雨の被害の様子」
なぜ高台で冠水したのか くぼ地と排水能力
理由の一つは地形です。リポートの位置情報をもとに国土地理院の標高データで周辺100mの高低差を調べると、高台の被災地点の多くは周辺より数十cmから2m程度低い、すり鉢状のくぼ地(浅い谷の底)にありました。八街市や鎌ケ谷市では周辺より約2m低い地点もあります。
普段は気づきにくいわずかな高低差でも、舗装された道路や住宅街では雨水が地面に染み込まず、周囲の坂からいちばん低いくぼ地に集まります。
もう一つは排水能力です。一般的な道路側溝や雨水管は1時間50mm程度の雨を想定して設計されており、今回は多くの地点で1時間40〜60mm前後と、その上限に近いか上回る雨が降る時間帯がありました。
さらに長時間の雨で地面が水分を多く含み、庭や畑でも雨水が染み込みにくくなって道路や側溝に集中したとみられます。リポートでも「マンホールから水が噴き出した」「側溝から逆流した」といった報告がありました。
普段は気づきにくいわずかな高低差でも、舗装された道路や住宅街では雨水が地面に染み込まず、周囲の坂からいちばん低いくぼ地に集まります。
もう一つは排水能力です。一般的な道路側溝や雨水管は1時間50mm程度の雨を想定して設計されており、今回は多くの地点で1時間40〜60mm前後と、その上限に近いか上回る雨が降る時間帯がありました。
さらに長時間の雨で地面が水分を多く含み、庭や畑でも雨水が染み込みにくくなって道路や側溝に集中したとみられます。リポートでも「マンホールから水が噴き出した」「側溝から逆流した」といった報告がありました。
洪水と内水、2種類のハザードマップ
水害には、川の水があふれる「外水氾濫」と、街に降った雨が下水道や側溝からはけずにあふれる「内水氾濫」があります。一般的な洪水ハザードマップは前者を想定した地図で、川の氾濫では浸水しない高台には色が付きません。
一方、内水ハザードマップを公開している千葉市、船橋市、八千代市、柏市などの地図では、今回高台で冠水した場所の多くが「0.5m未満」の薄い色で示されたくぼ地と一致していました。洪水マップでは白くても、内水マップでは想定されていた場所だったことになります。
一方、内水ハザードマップを公開している千葉市、船橋市、八千代市、柏市などの地図では、今回高台で冠水した場所の多くが「0.5m未満」の薄い色で示されたくぼ地と一致していました。洪水マップでは白くても、内水マップでは想定されていた場所だったことになります。
雨がやんだ後も続いた被害 土砂災害の報告も
被害は、雨のピークと同時には終わりませんでした。
佐倉市を流れる高崎川や印旛沼の周辺では、雨が上がった22日(火)早朝になってから「印旛沼の船戸大橋付近、現在越水発生しています」「冠水は時間を増すごとに広がってきていて、佐倉駅北口のロータリーにまで水が入ってきています」というリポートが相次ぎました。
上流の広い範囲に降った雨が時間をかけて川に集まり、雨がやんだ後に水位がピークを迎えたとみられます。
土砂崩れや崖崩れに言及したリポートも46件あり、木更津市、君津市、市原市、袖ケ浦市などの房総丘陵が中心でした。「裏山が崩れてバイクが埋まった」「下の家が土砂で半壊した」「街道が土砂崩れで通行止め」など、深刻な被害が報告されています。
これらの多くは千葉県が指定する土砂災害警戒区域の周辺と一致していました。房総丘陵では降り始めからの雨量が400〜490mmに達し、斜面が水を抱えきれなくなって崩れたとみられます。
佐倉市を流れる高崎川や印旛沼の周辺では、雨が上がった22日(火)早朝になってから「印旛沼の船戸大橋付近、現在越水発生しています」「冠水は時間を増すごとに広がってきていて、佐倉駅北口のロータリーにまで水が入ってきています」というリポートが相次ぎました。
上流の広い範囲に降った雨が時間をかけて川に集まり、雨がやんだ後に水位がピークを迎えたとみられます。
土砂崩れや崖崩れに言及したリポートも46件あり、木更津市、君津市、市原市、袖ケ浦市などの房総丘陵が中心でした。「裏山が崩れてバイクが埋まった」「下の家が土砂で半壊した」「街道が土砂崩れで通行止め」など、深刻な被害が報告されています。
これらの多くは千葉県が指定する土砂災害警戒区域の周辺と一致していました。房総丘陵では降り始めからの雨量が400〜490mmに達し、斜面が水を抱えきれなくなって崩れたとみられます。
今回の分析から見えたこと
今回の台風25号の大雨を約1万件の現地リポートから分析すると、3つのことが見えてきました。
1)川から遠い高台でも冠水・浸水リスクあり
自治体のホームページで内水ハザードマップを探し、自宅のまわりや普段使う道路に薄い色が付いていないか確認してください。内水マップがない地域でも、周囲の坂を見渡していちばん低い場所を知っておくことが大切です。
2)長く降り続く雨に排水が追いつかず
猛烈な雨とは行かずとも雨が長く降り続くと、側溝の排水能力を超えて冠水が広がります。側溝から水があふれ始めたら車の運転を控え、アンダーパスや坂の下の交差点には進入しないでください。
3)被害は雨がやんだ後にも発生
大きな川や沼の近くでは、上流の水が遅れて押し寄せることがあります。避難情報や河川の水位が落ち着くまで、川や冠水した道路を見に行くのは避けてください。
次の大雨に備えて、洪水と内水のハザードマップ、そして避難経路の確認をしておきましょう。
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1)川から遠い高台でも冠水・浸水リスクあり
自治体のホームページで内水ハザードマップを探し、自宅のまわりや普段使う道路に薄い色が付いていないか確認してください。内水マップがない地域でも、周囲の坂を見渡していちばん低い場所を知っておくことが大切です。
2)長く降り続く雨に排水が追いつかず
猛烈な雨とは行かずとも雨が長く降り続くと、側溝の排水能力を超えて冠水が広がります。側溝から水があふれ始めたら車の運転を控え、アンダーパスや坂の下の交差点には進入しないでください。
3)被害は雨がやんだ後にも発生
大きな川や沼の近くでは、上流の水が遅れて押し寄せることがあります。避難情報や河川の水位が落ち着くまで、川や冠水した道路を見に行くのは避けてください。
次の大雨に備えて、洪水と内水のハザードマップ、そして避難経路の確認をしておきましょう。
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調査概要
■ウェザーニュースアプリユーザー対象質問:「1番高かった時の浸水状況は?」
調査日:2026年9月22日(火)7時〜14時頃 (※途中結果)
調査対象:関東
回答者数:約12,000人
選択肢:大規模冠水/車が水没/アンダーパス水没/床下浸水/床上浸水/被害なし
質問:「周辺の1番大きな浸水被害は?」
調査日:2026年9月22日(火)7時〜14時頃 (※途中結果)
調査対象:関東
回答者数:約3,000人
選択肢:腰以上の高さ/ひざ以上の高さ/ひざ以上の高さ/冠水なし
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