8月の通航船は83.7%減 LNG船は確認されず
生産施設への攻撃とLNG船の被弾 供給網の両端で混乱
LNGの流れが細った背景には、航路の安全リスクだけでなく、生産側の停止もあります。
2月末にイランをめぐる戦闘が始まった後、3月2日にはカタールのラスラファンなどが無人機攻撃を受け、同国はLNG生産を停止しました。
さらに7月7日には、LNGを積んだカタール関連の「Al Rekayyat」がホルムズ海峡付近で被弾。ラスラファンのLNG輸出基地へ向かっていた空荷のLNG船3隻も引き返しました。
LNGを生産する施設と、それを運ぶ船の双方で混乱が続いたことが、8月のAISデータにも表れたとみられます。
9月に入ると、カタールのラスラファンでLNGを積んだ「Al Marrouna」が海峡を通過し、9月10日にパキスタンへ到着しました。空荷のカタール関連船2隻も9月6日と9日に海峡内で確認されています。
ただ、9月10日に海峡を通過した商用船は全船種を合わせても7隻で、戦闘前の1日約125隻を大きく下回りました。数隻の通航は輸送再開の動きですが、安定輸送に戻ったとはまだいえません。
数隻の動きは再開の兆しではあるものの、安定輸送に戻ったと判断できる段階ではありません。
2月末にイランをめぐる戦闘が始まった後、3月2日にはカタールのラスラファンなどが無人機攻撃を受け、同国はLNG生産を停止しました。
さらに7月7日には、LNGを積んだカタール関連の「Al Rekayyat」がホルムズ海峡付近で被弾。ラスラファンのLNG輸出基地へ向かっていた空荷のLNG船3隻も引き返しました。
LNGを生産する施設と、それを運ぶ船の双方で混乱が続いたことが、8月のAISデータにも表れたとみられます。
9月に入ると、カタールのラスラファンでLNGを積んだ「Al Marrouna」が海峡を通過し、9月10日にパキスタンへ到着しました。空荷のカタール関連船2隻も9月6日と9日に海峡内で確認されています。
ただ、9月10日に海峡を通過した商用船は全船種を合わせても7隻で、戦闘前の1日約125隻を大きく下回りました。数隻の通航は輸送再開の動きですが、安定輸送に戻ったとはまだいえません。
数隻の動きは再開の兆しではあるものの、安定輸送に戻ったと判断できる段階ではありません。
日本の中東依存は11% 直接輸入が少なくても影響
日本のLNG輸入は豪州が約40%を占め、中東のカタール、オマーン、UAEは合わせて約11%です。中東依存度が9割を超える原油に比べると、その割合は高くありません。
2026年2月から5月にかけてLNG輸入量は約200万トン(約2000TMT)減少しましたが、7月には前年並みに戻っており、日本の輸入量そのものへの影響は現時点では限定的と考えられます。
ただ、ホルムズ海峡を通っていたLNGは世界全体の約2割に相当します。中東からの供給が減ると、アジアや欧州の買い手が米国や豪州などの代替貨物を求めるため、国際的なLNG価格や輸送コストを通じて日本にも影響する可能性があります。
さらに、日本の最大のLNG輸入先である豪州では、2027年7月から輸出量の20%を国内供給向けに優先させる方針が決定しています。今後、日本向け輸出にどの程度影響するかが焦点です。
こうした状況を背景に、7月下旬には北東アジア向けのLNGの市場価格が5週連続で上昇し、4か月ぶりの高値となる22ドル/MMBtu(※)まで上昇しました。
ただ、スポット価格の上昇が、そのまま同じ幅で都市ガス料金に反映されるわけではありません。調達先や長期契約の比率は事業者ごとに異なり、為替も影響します。
ホルムズ海峡の混乱は、都市ガス料金を直ちに決める要因というより、原料調達費を押し上げる可能性のあるリスクとして見る必要があります。
※MMBtuはLNGの熱量を表す単位
2026年2月から5月にかけてLNG輸入量は約200万トン(約2000TMT)減少しましたが、7月には前年並みに戻っており、日本の輸入量そのものへの影響は現時点では限定的と考えられます。
ただ、ホルムズ海峡を通っていたLNGは世界全体の約2割に相当します。中東からの供給が減ると、アジアや欧州の買い手が米国や豪州などの代替貨物を求めるため、国際的なLNG価格や輸送コストを通じて日本にも影響する可能性があります。
さらに、日本の最大のLNG輸入先である豪州では、2027年7月から輸出量の20%を国内供給向けに優先させる方針が決定しています。今後、日本向け輸出にどの程度影響するかが焦点です。
こうした状況を背景に、7月下旬には北東アジア向けのLNGの市場価格が5週連続で上昇し、4か月ぶりの高値となる22ドル/MMBtu(※)まで上昇しました。
ただ、スポット価格の上昇が、そのまま同じ幅で都市ガス料金に反映されるわけではありません。調達先や長期契約の比率は事業者ごとに異なり、為替も影響します。
ホルムズ海峡の混乱は、都市ガス料金を直ちに決める要因というより、原料調達費を押し上げる可能性のあるリスクとして見る必要があります。
※MMBtuはLNGの熱量を表す単位
冬の料金、先に消えた値引きと遅れて届くLNG価格
資源エネルギー庁は今回の「電気・ガス料金支援」について、夏の電力・ガス使用量が増える時期の家計や企業の負担を軽減するための支援としています。2026年夏の支援は7~9月使用分が対象で、都市ガスの値引き単価は7月使用分が1立方メートルあたり14円、8月使用分が18円、9月使用分が14円でした。
この支援は9月使用分で終了しました。月30立方メートルを使う家庭では、10月使用分から420円分の値引きがなくなります。東京ガスでは、9月使用分にあたる10月検針分まで14円/m³の値引きが適用されています。
さらに東京ガスでは、東京地区などで10月1日から料金を改定し、11月検針分から新しい料金が適用されます。料金改定の理由は、物価上昇に伴う諸経費の高騰やガス販売量の減少などで、ホルムズ海峡の混乱によるものではありません。
この支援は9月使用分で終了しました。月30立方メートルを使う家庭では、10月使用分から420円分の値引きがなくなります。東京ガスでは、9月使用分にあたる10月検針分まで14円/m³の値引きが適用されています。
さらに東京ガスでは、東京地区などで10月1日から料金を改定し、11月検針分から新しい料金が適用されます。料金改定の理由は、物価上昇に伴う諸経費の高騰やガス販売量の減少などで、ホルムズ海峡の混乱によるものではありません。
一方、LNGなど都市ガスの原料価格の変化は、すぐに料金へ反映されるわけではありません。
都市ガスの「原料費調整制度」では、過去の貿易統計をもとに算出した平均原料価格が、数か月遅れて料金に反映されます。例えば東京ガスの2026年4月検針分では、2025年11月~2026年1月の平均原料価格が使われました。
実際、東京ガスでは2026年10月検針分について、2026年5~7月の平均原料価格をもとに料金を調整し、東京地区などでは9月検針分から30立方メートルあたり307円の値上げとなっています。なお、この10月検針分にも9月使用分に対する14円/m³の政府支援が適用されています。
このため、今後ホルムズ海峡の混乱などによってLNGの調達価格が上昇した場合も、その影響が都市ガス料金に表れるまでには時間差があります。東京ガスも、中東情勢による原料価格の変化がガス料金に反映されるまでには時間がかかると説明しています。
実際の料金は、今後のLNG輸送の回復状況や調達契約、為替などによって変わります。また、冬は気温が下がることでガスの使用量そのものが増えるため、請求額は使用量の影響も受けます。
今冬のガス料金を見る際は、「使用量」「政府支援の終了」「料金改定」「原料費調整」を分けて確認すると、料金が変化した要因を把握しやすくなります。
都市ガスの「原料費調整制度」では、過去の貿易統計をもとに算出した平均原料価格が、数か月遅れて料金に反映されます。例えば東京ガスの2026年4月検針分では、2025年11月~2026年1月の平均原料価格が使われました。
実際、東京ガスでは2026年10月検針分について、2026年5~7月の平均原料価格をもとに料金を調整し、東京地区などでは9月検針分から30立方メートルあたり307円の値上げとなっています。なお、この10月検針分にも9月使用分に対する14円/m³の政府支援が適用されています。
このため、今後ホルムズ海峡の混乱などによってLNGの調達価格が上昇した場合も、その影響が都市ガス料金に表れるまでには時間差があります。東京ガスも、中東情勢による原料価格の変化がガス料金に反映されるまでには時間がかかると説明しています。
実際の料金は、今後のLNG輸送の回復状況や調達契約、為替などによって変わります。また、冬は気温が下がることでガスの使用量そのものが増えるため、請求額は使用量の影響も受けます。
今冬のガス料金を見る際は、「使用量」「政府支援の終了」「料金改定」「原料費調整」を分けて確認すると、料金が変化した要因を把握しやすくなります。
AISで見える海上の異変 料金への影響には時間差
AISデータは、都市ガス料金の値上がりを直接予測するものではありません。
一方で、輸入統計や料金明細に表れる前に、LNGを運ぶ船がホルムズ海峡を通航しているかどうかを捉えることができます。
今後の焦点は、LNG船が1隻通ったかどうかではなく、積荷のあるLNG船の通航が、どの程度の規模で継続して回復するかです。
海上輸送の回復、LNGの国際価格、為替、原料費調整制度など、複数の要素を時間差を踏まえて見る必要があります。
ウェザーニューズでは、引き続きホルムズ海峡の船舶動向を確認していきます。
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一方で、輸入統計や料金明細に表れる前に、LNGを運ぶ船がホルムズ海峡を通航しているかどうかを捉えることができます。
今後の焦点は、LNG船が1隻通ったかどうかではなく、積荷のあるLNG船の通航が、どの程度の規模で継続して回復するかです。
海上輸送の回復、LNGの国際価格、為替、原料費調整制度など、複数の要素を時間差を踏まえて見る必要があります。
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◼︎引用・参考文献
・山根 小雪=日経エネルギーNext「イラン攻撃でカタールがLNG生産停止、JEPXスポット市場価格への影響は?」
・Reuters「Qatari LNG tanker awaits salvage off Oman after projectile strike」
・Reuters「Four oil and gas tankers turn back from Hormuz strait after vessel attacks」
・Reiters「Australia to mandate 20% of LNG exports for domestic use starting July 2027 on its East Coast」
・Reiters「US LNG exports set for endurance test as high gas prices bite」
・世界エネルギー推移統計「エネルギー輸入国が地政学的ショックに対するエネルギー安全保障を構築する方法」
・TOKYO GAS「原料費調整制度とは?」
※船舶の航行データ(AIS)はKpler社が提供するMarine Trafficデータを利用しています。
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