猛暑でお米が白く濁る? 品質を守る「暑さに強い品種」と米作りの工夫
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新米が店頭に並ぶ季節を迎えました。今年の夏は偏西風が平年より北に偏って流れやすかった影響により、北・西日本で気温がかなり高くなりました。
東京では8月の平均気温が26.7℃と昨年を2.9℃下回った一方、福岡では30.5℃と昨年より0.6℃高い値を記録。また、8月上旬は近畿地方、四国地方と九州北部地方で、8月下旬も九州北部地方で酷暑日が観測されるなど、西日本を中心に厳しい暑さとなりました。
近年の高温による農業への影響は大きく、コメ栽培でも品質や収量の維持に力を注いでいるといいます。
農林水産省の「令和7年地球温暖化影響調査レポート(速報)」によると、コメの品質を損なう白未熟粒(しろみじゅくりゅう)は、全国の作付面積の3〜4割で発生し、特に影響の大きかった西日本では、5〜6割の地域で発生がみられました。
この対策の1つとして急速に増えているのが、高温に強い品種です。
東京では8月の平均気温が26.7℃と昨年を2.9℃下回った一方、福岡では30.5℃と昨年より0.6℃高い値を記録。また、8月上旬は近畿地方、四国地方と九州北部地方で、8月下旬も九州北部地方で酷暑日が観測されるなど、西日本を中心に厳しい暑さとなりました。
近年の高温による農業への影響は大きく、コメ栽培でも品質や収量の維持に力を注いでいるといいます。
農林水産省の「令和7年地球温暖化影響調査レポート(速報)」によると、コメの品質を損なう白未熟粒(しろみじゅくりゅう)は、全国の作付面積の3〜4割で発生し、特に影響の大きかった西日本では、5〜6割の地域で発生がみられました。
この対策の1つとして急速に増えているのが、高温に強い品種です。
暑さがコメの品質や収量に影響
コメの品質は、実が成熟する「登熟期(とうじゅくき)」の気温の影響を強く受けます。通常の気温で育ったコメの粒では、デンプンがきれいに蓄積されて透明感のある粒になります。
ところが、高温下ではデンプン粒に隙間ができて、光が乱反射することで白く濁って見える白未熟粒が発生しやすくなります。また、内部にヒビが入った胴割粒も発生しやすくなります。
ところが、高温下ではデンプン粒に隙間ができて、光が乱反射することで白く濁って見える白未熟粒が発生しやすくなります。また、内部にヒビが入った胴割粒も発生しやすくなります。
白未熟粒対策として導入が進められているのが、高温に強い新品種の栽培です。
「コシヒカリは暑さに比較的弱く、白未熟粒の増加により検査等級が落ちる年があるのに対し、暑さに強い品種は白未熟粒が増えにくい特徴があります。
暑さに対して耐性のある『富富富(ふふふ/富山県)』『新之助(しんのすけ/新潟県)』や、『にじのきらめき』のように穂が高温になりにくい品種など、品種によって暑さに強い仕組みが異なることが明らかになりつつあります」(農研機構)
「コシヒカリは暑さに比較的弱く、白未熟粒の増加により検査等級が落ちる年があるのに対し、暑さに強い品種は白未熟粒が増えにくい特徴があります。
暑さに対して耐性のある『富富富(ふふふ/富山県)』『新之助(しんのすけ/新潟県)』や、『にじのきらめき』のように穂が高温になりにくい品種など、品種によって暑さに強い仕組みが異なることが明らかになりつつあります」(農研機構)
高温に強いコメ、そのメカニズムは?
なぜ、「にじのきらめき」は高温に強いのでしょうか。
「これまでの研究から、出穂後20日間の平均気温が27℃を超えると白未熟粒が増加し、整粒歩合が低下するといわれています。
しかし、『にじのきらめき』では図のように低下が緩やかなのです。この期間の平均気温が28℃の場合、コシヒカリの整粒歩合は70%を下回りますが、『にじのきらめき』は一等米の目安である整粒歩合70%程度を維持できます」(農研機構)
「これまでの研究から、出穂後20日間の平均気温が27℃を超えると白未熟粒が増加し、整粒歩合が低下するといわれています。
しかし、『にじのきらめき』では図のように低下が緩やかなのです。この期間の平均気温が28℃の場合、コシヒカリの整粒歩合は70%を下回りますが、『にじのきらめき』は一等米の目安である整粒歩合70%程度を維持できます」(農研機構)
その理由として挙げられるのが、高温条件下での穂の温度の違いです。
「登熟期の午前11〜12時に、『にじのきらめき』の穂温を測ったところ、特に高温条件下において、コシヒカリより低い結果となりました。
午前11〜12時は気温や日射量が安定して高い時間帯ですが、穂が群落の中に隠れている草型が、穂への直射日射量を少なくする効果や、穂の周りの葉の蒸散による冷却効果の恩恵を受けやすくする効果をもたらすと推察されます。
こういったことから、『にじのきらめき』は気温が高い時にも穂温が上昇しにくい『高温回避性』を有すると考えられます」(農研機構)
「登熟期の午前11〜12時に、『にじのきらめき』の穂温を測ったところ、特に高温条件下において、コシヒカリより低い結果となりました。
午前11〜12時は気温や日射量が安定して高い時間帯ですが、穂が群落の中に隠れている草型が、穂への直射日射量を少なくする効果や、穂の周りの葉の蒸散による冷却効果の恩恵を受けやすくする効果をもたらすと推察されます。
こういったことから、『にじのきらめき』は気温が高い時にも穂温が上昇しにくい『高温回避性』を有すると考えられます」(農研機構)
“暑さを乗り切る米作り”はほかにも
コメ栽培において、品種の転換以外にも高温障害を軽減するための対策が行われています。
「広く行われている対策としては、田植えを遅くして出穂を遅らせ、出穂後の暑さを避けることがあります。ただし、暑い期間が長引くと効果は限定的です。
実施面積はあまり多くないと思われますが、高温による白未熟粒の発生を抑えるため、出穂直前に少量の窒素追肥を行う指導もなされています。これまで行われてこなかった施肥法で、地域によっては『耐暑肥(たいしょごえ)』と呼ばれるものです。
「広く行われている対策としては、田植えを遅くして出穂を遅らせ、出穂後の暑さを避けることがあります。ただし、暑い期間が長引くと効果は限定的です。
実施面積はあまり多くないと思われますが、高温による白未熟粒の発生を抑えるため、出穂直前に少量の窒素追肥を行う指導もなされています。これまで行われてこなかった施肥法で、地域によっては『耐暑肥(たいしょごえ)』と呼ばれるものです。
出穂後の水の掛け流しは、水温が低い場合は有効とされていますが、高温年は水不足になることも多く、水利の状況によっては実施できない場合が多いと思われます。出穂後、節水しつつ田んぼが高温になるのを防ぐ水管理として、『飽水管理』が推奨される傾向にあります。
飽水管理とは水をためっぱなしにせず、水がなくなったらこまめに水を入れ、土を湿った状態に保つ方法です」(農研機構)
将来のコメ作りはどうなる?
このまま気候変動が進んで高温になる日が増えれば、私たちが食べるコメは変わるのでしょうか?
「現在、品質面で高温に強い品種がいくつも開発されていますが、さらに強い品種の開発や新しい遺伝子の探索が行われています。今後さらなる温暖化が予想されていますので、収量維持のためにも高温で不稔になりにくい品種の開発が必要です。
また、前述の耐暑肥の施用や水管理を人が直接行うのではなく、ドローンやICT(情報通信技術)を活用するための技術開発も行われています。夏の暑い中での作業を減らすことで、生産者の熱中症対策にもなります」(農研機構)
「現在、品質面で高温に強い品種がいくつも開発されていますが、さらに強い品種の開発や新しい遺伝子の探索が行われています。今後さらなる温暖化が予想されていますので、収量維持のためにも高温で不稔になりにくい品種の開発が必要です。
また、前述の耐暑肥の施用や水管理を人が直接行うのではなく、ドローンやICT(情報通信技術)を活用するための技術開発も行われています。夏の暑い中での作業を減らすことで、生産者の熱中症対策にもなります」(農研機構)
気候変動時代に私たちが“変わらず”コメを食べていけるよう、品種や技術の研究開発、安定生産に向けた努力が続けられています。
ウェザーニュースでは、気象情報会社の立場から地球温暖化対策に取り組むとともに、さまざまな情報をわかりやすく解説し、皆さんと一緒に地球の未来を考えていきます。
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