青森県豪雨、12市町などを対象に社会・経済的影響は約5.3億円と試算 地域ごとに異なる「被害の顔」

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2026年9月2日から3日にかけて、青森県では記録的な大雨となり、線状降水帯も発生しました。

ウェザーニューズが、住宅浸水や道路被害、農業への影響など、算定時点で把握できた情報をもとに、青森県内12市町を中心とした社会・経済的影響を独自に試算したところ、広域交通の途絶や車両浸水による影響を含めた試算総額は約5.3億円となりました。

線状降水帯の発生で記録的な大雨に

2026年9月2日から3日にかけて、青森県では記録的な大雨となりました。気象庁によると、2日早朝には線状降水帯の発生情報が発表され、鰺ヶ沢では1時間に82.0mm、日降水量246.0mmを観測。いずれも同地点の観測史上1位となりました。

ウェザーニューズが、住宅浸水や道路被害、農業への影響など、9月7日の算定時点で把握できた情報をもとに、青森県内12市町を中心とした社会・経済的影響を独自に試算したところ、広域交通の途絶や車両浸水による影響などを含め、約5.3億円となりました。

今回の試算から見えてきたのは、被害額の大きさだけではありません。同じ大雨でも、地域によって被害を受ける場所や、暮らしや経済への影響が異なることがわかりました。

道路と農業関連で約6割 住まいにも大きな影響

今回の試算で大きな割合を占めたのが、道路と農業関連への影響です。

道路への影響は約1.5億円、農業関連の間接的な影響も約1.5億円となり、合わせて約3.1億円(※1)。試算総額約5.3億円の約58%を占めました。

一方、住宅への影響は約0.8億円、家財への影響は約0.5億円で、住まいに関する影響は合わせて約1.3億円となりました。

青森県が公表した被害状況でも、水田や大豆、りんご園、野菜畑などへの浸水・冠水や土砂流入のほか、道路の冠水や損壊などが確認されています。

今回の試算でも道路や農業関連への影響が大きく、大雨の影響は住宅だけでなく、道路や農地など、地域の暮らしや産業を支える場所にも広がっていることがうかがえます。

※1.各金額は表示単位で四捨五入しているため、単純に足すと3.0億円になりますが、合計は四捨五入前の数値をもとに算出しています。

青森市は「道路」、鰺ヶ沢町は「住まい」に影響

市町別では、青森市分の試算額が約1.5億円、鰺ヶ沢町分が約1.2億円と大きくなりました。

ただし、内訳を見ると、両地域で特徴が異なります。

青森市では、道路への影響が約1.0億円となり、青森市分の試算額の約7割を占めました。農業関連の間接的な影響も約0.4億円となっています。

一方、鰺ヶ沢町では、住宅への影響が約0.5億円、家財への影響が約0.3億円となり、住まいに関する影響が合わせて約0.8億円と試算額の6割を超えました。

つまり、同じ大雨でも、青森市では道路、鰺ヶ沢町では住宅や家財への影響が相対的に大きいという違いがみられました。

大雨への備えを考えるときも、「地域全体で何が起こるか」だけでなく、自宅周辺では浸水なのか、道路なのか、土砂災害なのか、農地への影響なのかを知っておくことが重要です。

青森県の大雨による被害規模の試算(※2)
対象試算額
青森市約1.47億円
鰺ヶ沢町約1.23億円
鶴田町約0.47億円
つがる市約0.38億円
五所川原市約0.37億円
弘前市約0.30億円
中泊町約0.11億円
深浦町約0.09億円
板柳町約0.08億円
むつ市約0.07億円
外ヶ浜町約0.05億円
今別町約0.03億円
広域交通途絶による影響(※3)約0.17億円
車両浸水による影響(※3)約0.46億円
総額約5.3億円

※2.各金額は表示単位で四捨五入しています。試算総額は丸める前の試算値を合算しているため、表示額の単純合計とは一致しない場合があります。
※3.「広域交通途絶による影響」「車両浸水による影響」は、市町村別には区分していません。

被害の全容が見える前に、影響の特徴を捉える


大雨で河口に向かって川の流れが激しい様子(2026年9月3日青森県むつ市)
※動画が見られない場合はこちらからご覧ください

青森県が9月8日9時時点でまとめた被害状況では、住家被害92棟、非住家被害68棟が確認されています。道路や農地、商工関係施設などでも被害が報告されており、現在も詳細な調査が続いています。

今回の試算は、9月7日の算定時点で得られた情報をもとにしているため、その後に明らかになった被害のすべてが反映されているわけではありません。今後の情報更新によって、試算結果が変わる可能性があります。

そのため、今回の速報推計は最終的な被害額を示すものではありません。

被害の全容が明らかになる前の段階で、どの地域に、どの分野で、どの程度の影響が生じている可能性があるのかを捉え、被害の特徴や規模感を把握するための参考情報として示すものです。

今回の試算に含まれていない被害も

今回の算定では、住宅・家財、道路、農業関連、災害対応、車両、交通途絶など、発災直後でも比較的把握しやすい項目を中心に試算しています。

一方、企業活動、観光・商業、物流、農地そのものの直接的な損失などは、算定していないか、限定的な反映にとどまっています。

また、試算額が0円となっている項目についても、被害がなかったことを示すものではありません。

今後、被害調査が進み、新たな情報が明らかになった場合には、今回の試算結果も変わる可能性があります。

自分の住む地域では、何に注意が必要?

今回の青森県豪雨では、道路や農業、住宅など、地域によって影響の大きい分野が異なりました。

大雨への備えは、ニュースで被害を知るだけでは十分ではありません。自分の住んでいる場所では、どんな災害が起こりやすいのかを、普段から確認しておくことが大切です。

日頃からハザードマップで自宅や職場周辺の浸水や土砂災害などのリスクを確認し、大雨が予想される際には、ウェザーニュースの気象情報や自治体から発表される避難情報を確認してください。

危険が迫ってからではなく、「まだ大丈夫」と思える段階から早めに行動できるよう、普段から避難先や避難経路を確認しておきましょう。
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◼︎試算の前提と留意事項
今回の試算は、2026年9月7日の算定時点で確認できた公表情報などをもとに、青森市、弘前市、五所川原市、むつ市、つがる市、今別町、外ヶ浜町、鰺ヶ沢町、深浦町、板柳町、鶴田町、中泊町の12市町を対象として、ウェザーニューズが独自に行った速報推計です。

・12市町分については、国土交通省 水管理・国土保全局「治水経済調査マニュアル(案)令和7年7月」の考え方を参考に、住宅、公共資産、地域経済、災害対応などへの影響を算定しています。広域交通途絶および車両浸水による影響は別枠で推計し、試算総額に加えています。

・農業関連については、算定時点で得られた情報をもとに間接的な影響を試算しており、農地・農作物そのものの直接的な被害額をすべて含むものではありません。

・企業活動、観光・商業、物流、農地の直接被害など、算定時点で十分な情報が確認できない影響は、算定していないか限定的な反映にとどめています。新たな情報によって試算結果が変わる可能性があります。

・記事本文の主要な金額は、速報推計であることを踏まえ、原則として億円単位の小数点1桁に四捨五入して表示しています。市町別などの内訳表は、比較のため小数点2桁で表示しています。

・本試算は、青森県や各市町村などが公表した公式な被害額ではなく、個別の住宅・施設・事業者などの実際の損害額を示すものではありません。

◼︎関連情報/出典
・気象庁「過去の気象データ検索/鰺ケ沢」
・青森県「令和8年9月2日の土砂災害危険警報等発表に係る被害報」
・国土交通省 水管理・国土保全局「治水経済調査マニュアル(案)令和7年7月」

写真:ウェザーリポート(ウェザーニュースアプリからの投稿)
猫々子さん
つがりあん🍈ケイさん
ただっちさん

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