ホルムズ海峡の代替ルート“カスピ海” 水位低下が原油輸送に影響
海運業界への影響
高まる輸送需要
満載で運べない船が増加
水位低下の影響は、船が運べる原油の量にも及んでいます。
カザフスタン西部のアクタウ港周辺では、満載タンカーの最大喫水が2024年5月の6.0mから2026年5月には5.6mへ40cm低下しました。
40cmというとわずかな差に思えますが、大型タンカーでは喫水が1cm変わるだけで数トンの積載量に影響します。
例えば、大型トラックが車体を道路に擦らせないようにするためだけに満載にせず「半分空荷」の状態で走らせることを強いるようなものです。
そのため、以前なら満載で出港できた船でも、現在は積載量を減らさなければ航行できないケースが増えています。
つまり、利用する船は増えている一方で、航路は狭くなり、1隻あたりが運べる原油の量は減少しています。需要が高まる一方で輸送能力は低下するというミスマッチが起きているのです。
カザフスタン西部のアクタウ港周辺では、満載タンカーの最大喫水が2024年5月の6.0mから2026年5月には5.6mへ40cm低下しました。
40cmというとわずかな差に思えますが、大型タンカーでは喫水が1cm変わるだけで数トンの積載量に影響します。
例えば、大型トラックが車体を道路に擦らせないようにするためだけに満載にせず「半分空荷」の状態で走らせることを強いるようなものです。
そのため、以前なら満載で出港できた船でも、現在は積載量を減らさなければ航行できないケースが増えています。
つまり、利用する船は増えている一方で、航路は狭くなり、1隻あたりが運べる原油の量は減少しています。需要が高まる一方で輸送能力は低下するというミスマッチが起きているのです。
なぜカスピ海の水位は下がっているのか
背景にあるのが地球温暖化です。
カスピ海は海とつながっていない世界最大の湖(内陸海)のため、水位は流れ込む河川の水量と蒸発量のバランスに大きく左右されます。
近年は気温上昇によって蒸発量が増えた一方、最大の流入河川であるヴォルガ川では干ばつや積雪の減少などの影響で流入量が減少しています。
さらに北カスピ海は平均水深がおよそ5m程度と非常に浅く、水位が少し下がるだけでも航路や港に大きな影響を受けます。
カスピ海は海とつながっていない世界最大の湖(内陸海)のため、水位は流れ込む河川の水量と蒸発量のバランスに大きく左右されます。
近年は気温上昇によって蒸発量が増えた一方、最大の流入河川であるヴォルガ川では干ばつや積雪の減少などの影響で流入量が減少しています。
さらに北カスピ海は平均水深がおよそ5m程度と非常に浅く、水位が少し下がるだけでも航路や港に大きな影響を受けます。
環境への影響も深刻
水位低下は物流だけでなく、生態系にも大きな影響を与えています。
衛星画像では沿岸部の干上がりや藻類の大量発生(アオコ)が確認されており、このまま水位低下が続けば、巨大油田への船舶のアクセスが難しくなる可能性があります。
また、干上がった湖底から有害物質を含む砂塵が舞い上がる「アラル海シンドローム」のような現象が起きることも懸念されています。
衛星画像では沿岸部の干上がりや藻類の大量発生(アオコ)が確認されており、このまま水位低下が続けば、巨大油田への船舶のアクセスが難しくなる可能性があります。
また、干上がった湖底から有害物質を含む砂塵が舞い上がる「アラル海シンドローム」のような現象が起きることも懸念されています。
代替ルートにも限界
ホルムズ海峡への依存を減らすため期待されるカスピ海ですが、その代替ルートも気候変動による水位低下で機能が制限されつつあります。
ウェザーニューズの分析からは、地政学的リスクと気候変動という二つの課題が、世界のエネルギー輸送に同時に影響を及ぼし始めている実態が明らかになりました。
ウェザーニューズの分析からは、地政学的リスクと気候変動という二つの課題が、世界のエネルギー輸送に同時に影響を及ぼし始めている実態が明らかになりました。
参考
※当サイトにおける船舶位置情報はKpler社が提供するMarine Trafficデータを利用しています。
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