なぜ毎年カメムシが話題になるの? 温暖化で日本の害虫地図に変化!?
果物に被害もたらすカメムシ?
独特の臭いを放つカメムシですが、日本にはその仲間が1,300種以上生息しているとされ、地域や生活環境によって身近なカメムシの色や形、サイズなどに違いがあるようです。
農業で主に問題となるのは、イネに被害をもたらす斑点米(はんてんまい)カメムシ類、カンキツやリンゴ、ナシなどの果物につく果樹カメムシ類です。
農業で主に問題となるのは、イネに被害をもたらす斑点米(はんてんまい)カメムシ類、カンキツやリンゴ、ナシなどの果物につく果樹カメムシ類です。
「果樹を加害するカメムシにはたくさんの種類がありますが、被害をもたらすことの多いチャバネアオカメムシ、クサギカメムシ、ツヤアオカメムシの3種類をまとめて『果樹カメムシ類』と呼んでいます」(三代さん)
カメムシというと臭いが厄介なイメージがありますが、農業で問題となるのは作物への深刻な被害です。
「果樹カメムシ類は、口吻(こうふん)の中にある口針(こうしん)を果実に刺して吸汁をします。口針は外側がヤスリ状になっていて、果物を削り、唾液を混ぜて飲み込みます。
吸汁された果物は吸汁部分が陥没したり腐敗したりするほか、幼果の落下、変形果などの問題が起きます。例えば、カンキツでは早期に吸汁されると着色が早くなって落下し、収穫直前では吸汁されたところから腐敗が進んでしまいます。
果実を直接傷つけるため、収穫量が大きく減少するだけでなく、わずかな被害でも、商品価値が大きく損なわれてしまいます」(三代さん)
カメムシというと臭いが厄介なイメージがありますが、農業で問題となるのは作物への深刻な被害です。
「果樹カメムシ類は、口吻(こうふん)の中にある口針(こうしん)を果実に刺して吸汁をします。口針は外側がヤスリ状になっていて、果物を削り、唾液を混ぜて飲み込みます。
吸汁された果物は吸汁部分が陥没したり腐敗したりするほか、幼果の落下、変形果などの問題が起きます。例えば、カンキツでは早期に吸汁されると着色が早くなって落下し、収穫直前では吸汁されたところから腐敗が進んでしまいます。
果実を直接傷つけるため、収穫量が大きく減少するだけでなく、わずかな被害でも、商品価値が大きく損なわれてしまいます」(三代さん)
果樹カメムシ類への対策は!?
果樹カメムシ類による被害を防ぐため、果樹園ではさまざまな対策が講じられています。
「果樹園に被害をもたらす果樹カメムシ類のほとんどは園外からやってきたものです。スギ・ヒノキ林などで発生・増殖し、果樹園に飛来して加害するのです。年や地域により飛来量や飛来時期が異なり、防除の難しさにつながっています。
現在、果樹カメムシ類には農薬による防除と、果実への袋がけ、果樹園に細かい目の網をかけることでカメムシが侵入できないようにしています。
特に外部から果樹園に飛来するタイミングで退治することが重要なので、各農家さんが気を配っているほか、各都道府県でモニタリングして防除情報等を出しています。
ただ、近年は飛来量や飛来時期に変化が見られ、これまでの知見や経験が十分に通用しない場面も多く、対策に苦労するケースが増えています」(三代さん)
「果樹園に被害をもたらす果樹カメムシ類のほとんどは園外からやってきたものです。スギ・ヒノキ林などで発生・増殖し、果樹園に飛来して加害するのです。年や地域により飛来量や飛来時期が異なり、防除の難しさにつながっています。
現在、果樹カメムシ類には農薬による防除と、果実への袋がけ、果樹園に細かい目の網をかけることでカメムシが侵入できないようにしています。
特に外部から果樹園に飛来するタイミングで退治することが重要なので、各農家さんが気を配っているほか、各都道府県でモニタリングして防除情報等を出しています。
ただ、近年は飛来量や飛来時期に変化が見られ、これまでの知見や経験が十分に通用しない場面も多く、対策に苦労するケースが増えています」(三代さん)
“カメムシ大発生“にも温暖化が!?
カメムシの発生数には様々な要因がありますが、近年注目されているのが“冬の暖かさ”です。
「図1は、チャバネ・クサギ・ツヤアオ、またはそのうちどれかの果樹カメムシ類に対して発表された注意報、警報数の推移です。発表数の多かった1996年と2024年は、実際に果樹カメムシ類が多く発生しました」(三代さん)
「図1は、チャバネ・クサギ・ツヤアオ、またはそのうちどれかの果樹カメムシ類に対して発表された注意報、警報数の推移です。発表数の多かった1996年と2024年は、実際に果樹カメムシ類が多く発生しました」(三代さん)
ただ、1996年と2024年では違いがありました。
「1996年には39都府県、2024年には38都府県で果樹カメムシ類の注意報・警報が発表されました。発表都府県数はほぼ同じですが、2024年は南東北でも防除情報が出されるなど、発生地域の広がりが注目されました。
また、2024年は多くの都府県で注意報の初発表時期が1996年より早く、カメムシの活動開始も早まったことが推察されます。
実は1996年の多発生は、前年にスギやヒノキの球果(きゅうか)が大豊作となり、それを餌に増殖したカメムシの成虫が越冬したことが主な要因でした。
一方、2024年の冬(2023年12月~2024年2月)の平均気温偏差は+1.27℃、さらに2024年の年平均気温偏差は+1.48℃となり、統計開始以来で最も高い値を記録しました。
こうした全国的な高温傾向も、2024年の大量発生に大きく影響したと考えられています」(三代さん)
「1996年には39都府県、2024年には38都府県で果樹カメムシ類の注意報・警報が発表されました。発表都府県数はほぼ同じですが、2024年は南東北でも防除情報が出されるなど、発生地域の広がりが注目されました。
また、2024年は多くの都府県で注意報の初発表時期が1996年より早く、カメムシの活動開始も早まったことが推察されます。
実は1996年の多発生は、前年にスギやヒノキの球果(きゅうか)が大豊作となり、それを餌に増殖したカメムシの成虫が越冬したことが主な要因でした。
一方、2024年の冬(2023年12月~2024年2月)の平均気温偏差は+1.27℃、さらに2024年の年平均気温偏差は+1.48℃となり、統計開始以来で最も高い値を記録しました。
こうした全国的な高温傾向も、2024年の大量発生に大きく影響したと考えられています」(三代さん)
「なお、果樹カメムシ類は成虫で越冬します。クサギカメムシは日当たりのよい建物の中・倒木や岩などの隙間、 ツヤアオカメムシは常緑樹の葉裏や茂みの中など、チャバネアオカメムシは雑木林や灌木などで越冬し、春以降に果樹園に飛来して加害します。
2024年は越冬量が関東以西で多く、東北でもクサギカメムシは並~多めでした。また、ツヤアオカメムシの加害エリアが東に拡大傾向になっていました」(三代さん)
2024年は越冬量が関東以西で多く、東北でもクサギカメムシは並~多めでした。また、ツヤアオカメムシの加害エリアが東に拡大傾向になっていました」(三代さん)
果樹カメムシ類の分布に変化
その後も高温傾向は続いています。2025年の年平均気温偏差は+1.23℃となり、2024年、2023年に次ぐ歴代3位の高温となりました。
「温暖化で夏場の温度が上がると、ヒノキやスギの結実量(カメムシにとっては餌)が増える傾向があります(花粉と同じ)。また、増殖速度もあがります。結果、発生量が多くなり、越冬量も多くなる傾向があります。これが一番大きな影響と考えられています」(三代さん)
「温暖化で夏場の温度が上がると、ヒノキやスギの結実量(カメムシにとっては餌)が増える傾向があります(花粉と同じ)。また、増殖速度もあがります。結果、発生量が多くなり、越冬量も多くなる傾向があります。これが一番大きな影響と考えられています」(三代さん)
また、果樹カメムシ類の注意報・警報は西日本で発表されることが多いものの、近年は発生地域の変化も見られています。
「チャバネアオカメムシは東北地方での発表が増加しており、ツヤアオカメムシは2010年から神奈川県・静岡県、2014年からは千葉県、2020年は新潟県でも発表されるようになるなどしています」(三代さん)
日本の温暖化が進むことにより、果樹カメムシ類の被害が拡大しやすくなると考えられるのでしょうか。
「チャバネアオカメムシは東北地方での発表が増加しており、ツヤアオカメムシは2010年から神奈川県・静岡県、2014年からは千葉県、2020年は新潟県でも発表されるようになるなどしています」(三代さん)
日本の温暖化が進むことにより、果樹カメムシ類の被害が拡大しやすくなると考えられるのでしょうか。
「これまでカメムシは、年によって問題となる害虫でしたが、近年では全国的に毎年注意が必要な存在へと変わりつつあります。
こうした温暖化による変化はカメムシに限らず、さまざまな病害虫で見られ、環境にやさしい栽培や果物の安定生産を難しくしています。対策を考え、変化に対応していくには時間がかかります。
まずは現状をしっかり把握し、今後を見据えて準備を進めていく必要があると考えています」(三代さん)
こうした温暖化による変化はカメムシに限らず、さまざまな病害虫で見られ、環境にやさしい栽培や果物の安定生産を難しくしています。対策を考え、変化に対応していくには時間がかかります。
まずは現状をしっかり把握し、今後を見据えて準備を進めていく必要があると考えています」(三代さん)
果樹カメムシ類の発生にはさまざまな要因が関わっていますが、近年は発生地域や発生時期の変化も注目されています。身近なカメムシを通して、気候と農業の関わりについて考えてみてはいかがでしょうか。
ウェザーニュースでは、気象情報会社の立場から地球温暖化対策に取り組むとともに、さまざまな情報をわかりやすく解説し、皆さんと一緒に地球の未来を考えていきます。
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