竹は木、草、どっち? 1日1m以上伸びるって本当? 知っておきたい竹の不思議

2026-05-10 05:00 ウェザーニュース

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春から初夏にかけては、竹が一年でもっとも勢いよく成長する時季です。青々とした竹林は、"日本の風景"を形づくる存在として親しまれてきました。

けれど「そもそも竹は木なのか草なのか」を知らない人は少なくありません。さらに「1日に1m以上も伸びる」「竹林の竹同士は地下でつながっている」「100年に1度だけ花を咲かせる」など、ウソかホントかわからない話もしばしば耳にする、謎めいた存在でもあります。

知っておきたい「竹の不思議」についての解説を、近畿大学農学部環境管理学科教授の井上昭夫先生にお願いしました。

木でも草でもなく「竹は竹」?

まず最初に、竹は木なのでしょうか。それとも草なのでしょうか。

「木でも草でもなく、『竹は竹』といえます。植物学上の『タケ』はイネ科のタケ亜科に属する多年生植物で、タケ類は変種や品種を除いて国内には20種ほどとされています。ササ(笹)類もタケ亜科の植物です。

木にも草にもみられない竹ならではの特性として、樹木の幹にあたる『稈(かん)』の内部に節が存在することや、中が空洞であることなどが挙げられます」(井上先生)
どうして竹には節があるのですか。

「稈の強度を高めるためです。竹の節を詳しく観察してみると、節同士の間隔は根元のほうが狭く、上に向かうにつれて広くなっていきますが、先端は根元と同じように狭くなっていることがわかります。

根元は竹全体の自重に耐えられるように、先端は枝葉の重さを支えられるように、それぞれ狭くなっているのです」(井上先生)
節の間隔は、中央部付近でもっとも広く、そこから根元や先端に向かうにつれて狭くなっている
なぜ節の間隔が一定ではいけないのですか。

「節の間隔が根元から狭いままで一定だと丈夫になり過ぎて、強風などによる横からの大きな力が加わったときに折れてしまう可能性が高まるからです。

中間部分の節の間隔を広げることで稈に“しなやかさ”が生じ、強い風による力を逃がせるようにできるのです。

そのほか竹が強さを増すしくみとして、『維管束鞘(いかんそくしょう)』の構造が挙げられます。維管束鞘とは水を通す『道管(どうかん)』と養分を通す『師管(しかん)』の束とそれを囲む鞘(さや)で、外側が密に、中心に近づくにつれて疎(まばら)になっています。

これによって竹は負荷のかかりやすい稈の外側が丈夫になります。維管束鞘はコンクリート内部の鉄筋のような役割を果たしているのです」(井上先生)

竹の成長最大記録は1日1.2m

「竹は1日に1m以上も伸びる」というのは本当ですか。

「はい、モウソウチクのような大型の竹の場合、成長の最大記録は1日で1.2mとされています。竹の成長スピードはとても速く、2~3ヵ月で10~20mほどです。

ただし、2~3ヵ月で成長しきってしまうと、その後に伸びたり太さを増したりはしません」(井上先生)
竹はどうしてそんなに速く成長するのですか。

「樹木は種類や環境にもよりますが、20mに達するには30~40年かかりますから、光の奪い合いといった生存競争が有利になるからです。

また、竹は樹木に比べて細胞分裂が生じる『成長点』が多いのです。樹木が細胞分裂で伸びる箇所は先端の1ヵ所だけですが、竹は全ての節ごとに分裂組織をもっています。つまり、成長点の数が樹木に比べて極めて多いため、成長が速くなるのです。

竹の節の数はタケノコの段階で決まっていて、節の数だけ節ごとに伸びます。タケノコの内部にはたくさんの空洞がありますが、それぞれの間隔がアコーディオンのように2~3ヵ月のうちに一気に広がって、伸びていくのです。

『竹取物語』で、節の中で『三寸ばかり(約10cm)』だったかぐや姫が3ヵ月で成人したのは、竹の特徴になぞらえたものだと思われます」(井上先生)

竹林の地面の下はどうなっているの?

「竹林の下では竹同士がつながっている」のですか。

「はい。地面から下では竹同士が『地下茎(ちかけい)』でつながっています。竹は作り出した養分を地下茎に送って蓄え、タケノコはその養分を用いて成長します。

樹木は発芽したのちは自力で栄養を作って成長していきますが、竹(タケノコ)は地下茎を使い“親の稼ぎで子が面倒をみてもらっている”ような形といえるでしょう」(井上先生)

竹にも花が咲く?

黒竹の花
竹は「100年に1度だけ花を咲かせる」というのは本当ですか。

「竹の開花のしくみはいまだ謎に包まれていますが、60~120年に1度という極めて長い間隔で花を咲かせます。

竹は主に地下茎による無性生殖で増え、おしべとめしべによる繁殖(開花)もまれであるため、花による繁殖の機会は限られています。 竹を植える際には、根を切って別の場所に移し替える『株分け』が用いられます」(井上先生)
竹は古代から生活用品や武具、芸術品などの素材として広く用いられてきました。井上先生は「竹は『最少材料最大強度』を実現している植物で、その構造を研究することで、軽量で丈夫な新素材の開発につながる可能性がある 」と話します。

旬のタケノコを味わう前に、縦切りにされた節の隙間の一つ一つが一気に成長する様子を想像してみてはいかがでしょうか。
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