桜餅の葉っぱはオオシマザクラの葉だった シェア7割の産地を取材

2026-04-04 05:00 ウェザーニュース

シェアする
x_shareline_share
copy_share
シェアする
x_shareline_share
copy_share
西日本や東日本では桜が見頃を迎え、開花前線は東北地方を北上中です。

お花見のおともには「桜餅」がピッタリですが、この桜餅を包む桜の葉、じつはオオシマザクラの桜葉漬けが用いられています。

その桜餅の葉っぱの約7割を供給しているのが、静岡県松崎町であることをご存知でしょうか。どうして一つの町が、全国で食べられる桜餅の葉の約7割を供給しているのか。その秘密を松崎町役場企画観光課から教えてもらいました。
桜開花予想・見頃情報

桜餅の葉っぱの歴史

オオシマザクラの葉
桜餅はいつから食べられるようになり、どんな歴史を経て今に伝えられてきたのでしょうか。

「桜餅は、江戸時代に始まりました。江戸・長命寺の寺男が隅田川堤の桜の落ち葉を塩漬けにして、餅を包んで売ったのが最初と言われています。

伊豆半島では明治末期、南伊豆の子浦地区で桜葉漬けが始まり、1960~61年頃から自生のオオシマザクラを使った薪炭生産が盛んな松崎が中心地となりました。松崎は、燃料となる薪炭材を量産するため、オオシマザクラの植林に力を入れていました。
戦後燃料の主役が石油になると、薪炭材としてのオオシマザクラの需要はなくなりました。松崎町では、桜葉を収穫するためにオオシマザクラの畑地栽培を始めました。

2001年時点で、200戸ほどの農家がオオシマザクラを栽培していました。松崎町は、全国シェアの約7割の桜葉の生産量を誇るようになったのです」(松崎町役場企画観光課)

なぜ松崎町でオオシマザクラ?

なぜ松崎町でオオシマザクラ?
なぜ松崎町にはオオシマザクラが多いのでしょうか。また、なぜオオシマザクラは桜餅を包むのに適しているのでしょうか。

「伊豆半島は年間を通して温暖で、日照時間にも恵まれています。中でも西伊豆の海に面した松崎町は、潮風や強風といった過酷な条件にも耐えるオオシマザクラが多く自生していました。
1960年代の高度経済成長期、和菓子の需要が高まるのに合わせて、松崎町では桜葉を収穫するための桜畑を随所に設けました。それまでの山採りから畑作に切り替えたことで、桜葉漬けの生産量を飛躍的に伸ばすことができたのです。

オオシマザクラは葉形が良く、若葉はきれいな緑色です。また、桜葉特有の芳香成分である『クマリン』の含有量が他の桜より多く含まれています。他の桜には葉の裏面にうぶ毛がありますが、オオシマザクラにはうぶ毛が全くないので、口当たりが良いのが特長です」(松崎町役場企画観光課)

桜葉の採取方法

50枚を1束として結ぶ「まるけ」と呼ばれる作業(提供/松崎町)
松崎町では、どのようにして桜葉を採取し、桜葉漬けをつくっているのでしょうか。

「桜畑では、葉を取るために花を咲かせません。オオシマザクラの木を畑に植え、毎年1月下旬~2月上旬にかけて根元から20~30cm残して剪定します。そこから伸びた枝の葉を5月上旬~8月下旬まで1枚1枚丁寧に手摘みするのです。
摘み採った葉は大きさを選別し、50枚を1束としてカヤの紐でくくって結びます。この作業は『まるけ』と呼ばれ、桜葉づくりでしか使われない独特の言葉です。

塩漬けされた桜葉は、半年くらい経つと甘い香りを漂わせて、べっこう色に仕上がります。その香りは、環境省の『香り風景百選』にも選ばれているほどです」(松崎町役場企画観光課)

松崎町では「桜餅」ではなく「桜葉餅」

松崎町でつくられる桜餅は、ほかの地域でつくられる桜餅とどのような違いがあるのでしょうか。
「全国的には桜餅と呼ばれますが、葉っぱの産地である松崎町では“桜葉餅”と呼ばれています。また、桜餅は春限定の和菓子と思われていますが、松崎町では3店舗で桜葉餅が年間を通じて販売されています。町内の他のお菓子屋さんでも、春になると店独自の桜葉餅を販売します。

桜餅には関東風と関西風(道明寺)がありますが、松崎町内では両方を食べることができます。各店舗で餅や餡に違いがあるので、ぜひ食べ比べてみてください」(松崎町役場企画観光課)
桜餅を包む桜葉は、葉桜の季節に摘み採られて塩蔵され、半年かけて桜餅になるのですね。

私たちが食べる桜餅の約7割は、松崎町でつくられる桜葉で包まれていると考えると、桜の長い旅が偲ばれます。

桜開花予想・見頃情報
お天気ニュース記事をアプリで見るお天気ニュース記事一覧
シェアする
x_shareline_share
copy_share

お天気ニュース

各エリアの天気予報

アクセスランキング

アメダスランキング

気温

降水量

降雪量

湿度

  • 順位

    地点

    観測値

    ()

    ()

    ()

    ()

    ()

    ()

警報・注意報の履歴

お天気ニュース

ウェザーニュース公式SNS
  • https://gvs.weathernews.jp/onebox/img/sns_facebook.svg
  • https://gvs.weathernews.jp/onebox/img/sns_x.svg
  • https://gvs.weathernews.jp/onebox/img/sns_line.svg
  • https://gvs.weathernews.jp/onebox/img/sns_youtube.svg
  • https://gvs.weathernews.jp/onebox/img/sns_insta.webp
  • https://gvs.weathernews.jp/onebox/img/sns_tiktok.svg