桜はなぜピンク色? 「蕾(つぼみ)」→「咲き始め」→「散り際」で色が変わる?

2026-03-22 05:01 ウェザーニュース

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いよいよ桜の季節が始まり、19日には東京でも桜の開花が発表されました。

春の訪れとともに街も明るくやわらかな雰囲気に包まれ、通りや公園では少しずつ桜を楽しむ人の姿も見られるようになっています。

これから見頃を迎えるにつれて、お花見を心待ちにする声もさらに増えていきそうです。
ウェザーニュースで「今年、お花見行く?」というアンケート調査を実施したところ、「行く」という回答が4割近くの37%に達しました。今年もお花見を楽しもうと考えている人が一定数いることがわかります。

桜が私たちの心を引きつけるのは、満開の時期がわずか数日間という“はかなさ”に加えて、特に染井吉野(ソメイヨシノ)の淡いピンクの花色が“心地よさ”を感じさせてくれることにあるようです。

桜はなぜピンク色の花を咲かせるのか、またピンク色以外の桜が存在するのかなどについて、日本花の会研究員の小山徹さんに解説して頂きました。

ピンク色の正体はアントシアニンという色素

青空に桜の淡いピンク色が鮮やかに映える
桜の花がピンクに色づくのは、どのような理由によるのでしょうか。

「桜に限らず、一般的に植物が花をピンクや赤にするのは、植物が『子孫を残すための戦略』ともいえます。受粉を助けてくれるハチやアブなどの昆虫を惹きつける役割があると考えられています。

春のまだ緑が少ない時期に目立つ桜のピンク色は、虫たちに見つけてもらうための『格好の的(まと)』のような役割を果たしています。植物にとって、受粉さえしてしまえば用のなくなった花弁は、役割を終えてハラハラと落ちてしまいます」(小山さん)

染井吉野の花の微妙な色合いは、どのような成分によるのでしょうか。

「『染井吉野の花色は』と聞くと、多くの方がピンクと即答するでしょう。桜はアントシアニンと呼ばれる色素成分によってピンクに発色します。

気温が低い(特に夜間の冷え込みがある)と植物は糖分を蓄えやすくなり、それを原料とするアントシアニンの合成が促進されます。つまり、気温が低く蕾の期間が長いほど花びらの中に色素がじっくりと蓄積されるため、色が濃くなる傾向があります。

そのため、寒い地域や開花時期に寒の戻りがあった年の桜は、徐々にゆっくりと花を咲かせ、ピンクが鮮やかで濃くなるといわれています。

逆に気温が高いと、アントシアニンの合成が追いつかないまま一気に花が咲いてしまうため、色素が薄まってしまいます」(小山さん)

花色は時間の経過とともに変化する

染井吉野の花の色は時間の経過とともに変化しているのですか。

「染井吉野は咲き始めの蕾の頃は赤みが強く、開き始めは淡いピンク色をしています。

その後、花びらが広がるにつれてアントシアニンが分散し、色が薄くなります。さらに光を反射しやすくなるため、ほぼ白からほんのりと淡いピンクが載ったように見えます。

そして、散る間際になると色素を花の中心部(花托=かたく)やめしべの根元に集め、赤く染まってきます。

森林総合研究所多摩森林科学園(東京都八王子市)の勝木俊雄先生が書かれた『桜の科学』(SBクリエイティブ)によると、日本の文化では淡い色合いの桜が好まれがちで、開花後のソメイヨシノの花弁の色は白に近い淡紅色です。

ところが散る間際になると、花弁やおしべ、めしべの基部(花の中心部)が赤くなってきます。これが『散るサイン』とも言われます。

どの桜もそうですが、桜が美しいと思われる時期は非常に短いです。個人的には3〜4割ほど咲いている桜(蕾と花が一緒に撮れる時期)がきれいだと思いますが、この時の染井吉野は一般的に『ごく薄いピンク』から『白』に近い色をしています」(小山さん)

桜の色や香りには癒し効果がある?

桜の花の色や香りには、癒し効果があると聞きました。

「桜の薄いピンク色はカラーセラピーでは『精神を穏やかにする』といわれています。

桜の花は心を和ませる淡い芳香で、気分を高揚させるそうです。特に葉や花を加工した際に強まる香りの正体はクマリンという成分で、桜餅に使われる塩漬けにされた葉の香りに近い匂いを発します。クマリンには脳の神経を鎮め、ストレスを緩和したり、睡眠を促したりする効果があるそうです。

香りがいい桜の品種としては、駿河台匂(スルガダイニオイ)、上匂(ジョウニオイ)、千里香(センリコウ)などが挙げられます」(小山さん)

ピンク色以外に黄色や緑色の桜もある

「御衣黄」と呼ばれる黄緑色の花を咲かせる桜の品種
染井吉野はピンク、大島桜(オオシマザクラ)は白い花色ですが、それ以外の色の桜もあるのでしょうか。

「黄緑色の花を咲かせる桜には、御衣黄(ギョイコウ)、鬱金(ウコン)、須磨浦普賢象(スマウラフゲンゾウ)などがあり、園里黄桜(ソノサトキザクラ)は黄緑色の花に緑の筋が入っています。緑色は園里緑龍(ソノサトリョクリュウ)などです。

花が目立たないこれらの桜は進化論的に考えると、子孫を残す機会が少なくなるため自然界であれば淘汰されるはずです。人間が希少価値を見出して育てたことで、形質が保たれているのです」(小山さん)

まもなく桜の見頃がやってきます。今年はピンクの花色の移り変わりにも注目して、お花見を楽しんでみてはいかがでしょうか。
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