インフルエンザ感染対策、ウイルスが大幅に減る加湿のポイントとは!?

2026-01-06 05:10 ウェザーニュース

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2025~26年シーズンのインフルエンザの流行は例年より1~2ヵ月ほど早い10月頃から始まりました。その後、患者数は減少傾向にありますが、依然として流行は続いています。

インフルエンザの感染予防にはマスクの積極的な着用、消毒や手洗い、互いの距離を取るなどいくつかの対策が挙げられますが、なかでも室内の「加湿」が重要とされています。

ウェザーニュースが2025年12月23〜24日にかけて「冬場、部屋の加湿を心がけていますか?」というアンケート調査を実施しました。
その結果、北陸と沖縄では「いいえ」という回答が目立った一方で、その他の地域では「心がけている」人の割合が約5〜6割に上ることが分かりました。

湿度とインフルエンザ感染との関係や加湿のポイントなどについて、日本大学医学部救命救急センター科長の山口順子先生に解説して頂きました。

冬の乾燥に注意、インフルエンザ流行状況

冬場にインフルエンザが流行するのはなぜなのでしょうか。

「ウイルスの生存率に、湿度と温度の低下が大きく関係しているからです。

湿度が高い夏場は空気中に漂うウイルスが水分を含んで重くなり、地面に落ちてしまいます。逆に湿度が低く乾燥する冬場はウイルスが水分を含まず軽くなり、空気中を浮遊する時間が長くなります。そのため、ウイルスが体内に取り込まれやすい環境がつくられるのです。

また、空気中の水分が少ないと、感染者のせきやくしゃみで体外に放出されたウイルスを含む飛沫が拡散されやすくもなります。

室内での暖房の使用による空気の乾燥も、ウイルスの活発な活動を助長します。特に就寝中は水分補給ができず、無意識で口呼吸になってしまう人も多いので、のどから肺に通じる気道の乾燥状態が高まり続けます」(山口先生)

温度と湿度を上げるとウイルスの生存率が低下

インフルエンザウイルスの“寿命”は、温度や湿度によってどのように変化するのでしょうか。

「インフルエンザウイルスの寿命についての研究では、G.J.ハーパー氏が発表した『ウイルスの生存実験』が知られています。実験装置にウイルスを浮遊させて、温度や湿度を変えて生存率の変化を追うという内容です。

インフルエンザウイルスの6時間後生存率は、温度7〜8℃、湿度20〜25%の場合で63%でしたが、湿度を49〜51%に上げると生存率は42%に、81〜82%では35%に低下しました。

温度20.5〜24℃、湿度20〜25%の場合の6時間後生存率は66%でしたが、湿度を49〜51%に上げると生存率は3〜5%に落ちました。
温度が20.5〜24℃の場合で6時間後のウイルス生存率を詳しく見ると、湿度が40%未満だとまだウイルスが半数以上残ってしまいますが、50%を超えると生存率は大幅に減少します。

1〜2月は一年で最も空気が乾燥する時期なので、室内では加湿器などを使って、十分な湿度(50〜60%)を保つことが、感染対策には重要です。

ただし、過度な加湿で湿度が70%以上になると、カビが多く発生しやすくなるので注意してください」(山口先生)

「適度な加湿」がウイルスから体を守る理由

乾燥する時期、のどや鼻腔などの粘液を減らさないためには加湿が欠かせない
加湿がインフルエンザ予防に有効な理由のポイントは、どんなところにあるのでしょうか。

「適度な加湿によって、気道内の『線毛』の働きを正常化させることで、ウイルスが体内へ侵入するのを妨げることが理由の一つです。つまり、空気の乾燥状態が続くと、のどの粘膜の防御機能が低下し、インフルエンザにかかりやすくなるのです。

空気中に浮遊しているインフルエンザウイルスは、呼吸の際に鼻や口から気道に入り、気道上皮細胞に密着して体内に侵入しようとします。

線毛は気道上皮から伸びている小さな細胞群で、気道内の粘液にのどから口や鼻へ向かう流れを生じさせます。これを『線毛運動』といいます。
ウイルスは粘液に絡め取られて、咳(せき)や痰(たん)として体外に放出されます。また、ウイルスを含む粘液は唾液と共に飲み込まれて胃に至り、胃液で分解もされます。

ところが鼻腔・口腔や気道内が乾燥すると、粘液の量が減ってウイルスが体内へ侵入しやすくなってしまうのです。インフルエンザなどのウイルスから体を守ってくれる線毛運動の正常化には、加湿によって体内の水分量を保つことが必要なのです」(山口先生)
冬場は室内湿度50~60%に加え、室温を18~22℃に保つことがインフルエンザウイルス予防に最適とされています。また、積極的に水分を摂って口や喉を潤すことも大切です。

加湿器や暖房器具を有効に使い、換気と水分補給も忘れず、今後も続くインフルエンザの流行に備えましょう。
乾燥指数 空気中の水分量の予想
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