家庭でできる温暖化対策 冬に実践したい効果的な"エアコン省エネ術"

2025-12-19 05:00 ウェザーニュース

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12月の半ばから真冬並みの寒波が日本列島を包み、「電気代が不安だけど、エアコン暖房をフルにつけていないと厳しい」という方も多いのではないでしょうか。

資源エネルギー庁は冬季の省エネについて「寒い冬は暖房の使用が増えるため、まず暖房から着手すると効果的です。ガマンではなくエネルギーの効率的利用が基本です」としています。

本格的な冬の訪れを前に、「冬こそ実践したい効果的な“エアコン省エネ術”」について、まとめてみました。

家庭における冬の電気の使用割合は暖房がトップ

2023年度の国⽴環境研究所温室効果ガスインベントリオフィスによる調査では、日本の一人当たりの家庭部門CO2排出量は約1764kgで、そのうち電気が46.0%(811kg)と最も多くなっています。

また、資源エネルギー庁の調査では、冬季の1日間、家庭における電気の使用割合の32.7%が暖房で占められています。
その内訳はエアコンが17.0%と最も多く、電気ストーブの3.8%、こたつの2.1%などを大きく上回っています。


猛暑が続いた印象から、夏場はエアコン冷房使用時間が長く電気代もかさむという印象が強いかもしれません。ところが実際は、エアコン暖房を使用する冬場のほうが電気代が高くなっているのです。

総務省の2024年家計調査で2人以上世帯の月別平均電気代をみると、1月が1万995円、2月が1万2556円、3月が1万2583円でした。

これに対して7月が8972円、8月が1万999円、9月が1万2226円と、冬場のほうが夏場に比べて全体として“やや高め”であることがわかります(電気代の請求・支払額は一般に前月使用分のため、ずれが存在)。

なぜ冷房よりも暖房のほうが電気代が高い?

エアコン冷房使用時よりも暖房使用時のほうが電気代が高くなるのはなぜなのか、さらに効果的な節電術などについて、ダイキンコーポレートコミュニケーション室広報グループの重政周之(しげまさ・ちかし)さんに伺いました。

まず、エアコン暖房はどんな仕組みで部屋を暖かくしているのですか。

「エアコンは、外気中から集めた『熱』を室内に移動させることで部屋を暖かくしています。実は冬の冷たい空気の中にも熱は存在していて、それを暖房に活用しているのです。

外気中から熱を取り出しているのが室外機です。取り出された熱はパイプを通って室内機へ運ばれ、室内機が温風として室内に送り出しています。これを繰り返すことで室内の熱を増やしているのです。

冷房はこれと反対に、室内の熱を外へ追い出すことで涼しくしています」(重政さん)
熱の移動という機能は同じなのに、なぜ冷房よりも暖房のほうが電気代は高くなってしまうのでしょうか。

「たとえば、外気温が35℃の夏場に設定温度27℃で冷房した場合、外気温と設定温度の差は8℃です。一方で外気温7℃の冬に設定温度20℃で暖房した場合、その温度差は13℃で夏場の温度差を上回ります。

温度差が大きい方がより多くの熱を運ぶ必要があるため、冷房よりも暖房の方が電気代が高くなりやすいのです」(重政さん)

エアコン暖房の効果的な節電術

エアコン暖房の効果的な節電術を教えてください。

「30分程度の外出なら1度オフするより『つけっぱなし』のほうが電気代の節約、つまり節電につながります。

エアコンは、暖房運転を開始すると多くの電力を使って部屋を素早く暖めます。その後は、比較的少ない電力で室温を維持します。

室温と設定温度の差が大きい時ほど消費電力が大きくなるため、こまめに入り切りすると、下がった室温を再び上げるタイミングが増え、そのたびに多くの電力を使ってしまうことがあるからです。
同様の理由で、部屋にいる時はスイッチのON、OFFを控え、エアコンの温度調節機能に任せるのがおすすめです。
室外機の前のスペースを広く取ることも大切です。吹き出し口付近や周囲に物を置いたり、カバーで覆ってふさいだりすると、吹き出された冷たい空気が室外機の後ろに回りこみ、それを吸い込んで暖房の効率が落ちてしまうからです。

また、2週間に1度を目安にエアコン内部のフィルターを掃除しましょう。エアコンのフィルターを1年間掃除しないと消費電力が約25%も無駄になると言われています。フィルター掃除は節電に効果的です。

フィルターにゴミやほこりがついて目詰まりすると、吸い込める空気の量が少なくなって暖める力も小さくなるため、部屋を暖めるのに多くの電気が必要になります。フィルターはホコリを掃除機で吸い取り、汚れがひどい時には、中性洗剤を溶かしたぬるま湯で洗った後、日陰でよく乾かしてください」(重政さん)
暖房効率を高めて無駄を防ぐためにはどうすればいいでしょうか。

「3つのポイントがあります。1つ目は、部屋の温度ムラを防ぐことです。暖かい空気は上昇する性質があるため、床付近に『冷気だまり』が生じやすくなります。風向をできるだけ下向きにしたり、空気清浄機やサーキュレーターなどで空気をかきまぜたりして、気流をコントロールしましょう。
2つ目は、加湿機能付きの空気清浄機や加湿器、洗濯物の部屋干しなどで、部屋の湿度を40~60%程度に保つことです。湿度が低いと体感温度が下がり、同じ温度でも寒さを感じやすくなるからです。設定温度が1℃下げられれば、約10%の節電につながります。

3つ目は、窓から熱を逃がさないことです。カーテンは断熱性の高いものを選び、上下に隙間ができないように天井から床まで垂らすと、保温効果が高まります。カーテンを暖色系にすることでも節電効果が期待できるかもしれません。暖色系でまとめられた部屋は、寒色と比べて暖かく感じるといわれています」(重政さん)
ウェザーニュースでは、気象情報会社の立場から地球温暖化対策に取り組むとともに、さまざまな情報をわかりやすく解説し、みなさんと一緒に地球の未来を考えていきます。まずはエアコン暖房の節電から、一緒に取り組んでいきましょう。
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