かえって肌荒れに？ 「肌の乾燥対策」5つの誤解

季節の変わり目は体のコンディションが乱れやすいものです。特に晩秋から冬にかけての気温や湿度の変化は肌には厳しく、年末に向けての忙しさなどが加わってコンディションが悪くなりがちです。

しかし、乾燥を防いだり肌を潤そうとすることのなかには、かえって肌に負担となっているものがあるといいます。

「肌のためにやっているつもりが、やり過ぎや誤った方法では肌へのストレスとなってしまうこともあるのです」(野村先生)

詳しく教えていただきましょう。

乾燥対策によいと思って次のような“スキンケア”を行ってはいないでしょうか。

（1）長時間の入浴で肌を潤す
寒い季節の入浴は、体が心から温まりリラックスできるもの。肌もしっとりして潤うように感じます。

「入浴には、血行改善やストレス解消などさまざまなよい効果があるものです。ただし湯温が高過ぎたり、長時間の入浴では、肌の皮脂や角質細胞間脂質などが過剰に失われてしまいます。保湿成分が失われることで、肌の乾燥が進んでしまうおそれがあります。

ぬるめの湯温で入浴時間は10〜15分程度にしましょう。そして、入浴後は、すぐに保湿します」(野村先生)

（2）化粧水でこまめにたくさん保湿
乾燥がひどいとき、化粧の上からでも使えるスプレー化粧水が便利です。

「スプレー化粧水を適切に使うことは、肌の乾燥を防ぐのに役立ちます。しかし、あまり化粧水を使い過ぎると肌がふやけてしまったり、水分と皮脂のバランスを崩す引き金となりますので、スプレー化粧水は適切に使い、乾燥しやすい頬には乳液を重ねづけしたりクリームをつけるなど、保湿剤を上手に組み合わせてみましょう」(野村先生)

（3）加湿器の蒸気に顔を近づけて潤す
加湿器から吹き出ている蒸気に顔を近づけて潤したくなることもあります。

「加湿器などでミスト状の水分を長時間、顔に近づけると、一時的に潤ったように感じますが、肌の水分が蒸発すると同時に肌の潤いも奪われてしまう可能性があります。

加湿器は部屋の湿度を調整するために使用し、スチーマーは時間や距離などを守って適切に使用しましょう」(野村先生)

（4）フェイスパックを長時間使用
スペシャルケアなどによいフェイスパック、せっかくだからと頑張ってつけているうちに乾いてきてしまうことがあります。

「長く使用すれば、保湿効果が高まるわけではありません。あまり長時間つけると、本来は入ってほしくない成分まで皮膚の奥に浸透してしまい、刺激となってしまうこともあります。

基本的には10〜15分程度まで、使用するパックのパッケージの記載に従って適切に使いましょう」(野村先生)

（5）荒れ気味の肌に機能性の高いローション・クリーム
肌が荒れ気味、かゆみや赤味があるというとき、焦って機能性の高い化粧品を頼ろうとしていないでしょうか。

「今は基礎化粧品にもさまざまな機能性をもたせたものがあり、それぞれ効果が期待できます。ただ、それらは肌が健康なときに使います。

かゆみや赤味など肌に違和感があるのは、肌のバリア機能が落ちているだけではなく、炎症が生じている状態です。敏感になっており成分が刺激となってしまうことがあります。

肌に気になることがあるときは、刺激の少ないシンプルな基礎化粧品を選ぶようにしましょう」(野村先生)


本格的な冬がやってくると、ますます寒さや空気の乾燥がひどくなります。正しいケアで乾燥から守っていきましょう。

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