冬に旬を迎える「寒」が付く魚たち 知っておきたい冬の魚介類の“旬カレンダー”

2025-12-02 05:00 ウェザーニュース

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気温も下がり、温かい鍋物が美味しい時季になりました。年末年始には刺身やお寿司など魚を食べる機会も増えてきます。

そこで冬から初春、12月から2月にかけて旬を迎える魚介類について、船橋地方卸売市場内、株式会社ヤマスエ水産取締役の内海貴久さん、有限会社まぐろ金辰商店取締役の金子俊輔さんに聞きました。

「寒」が付く魚が美味

冬に旬を迎えて美味しくなる魚といえば、「寒」が付く、寒ブリ、寒サワラ、寒ビラメが挙げられます。
「寒ブリ、寒サワラなど、名前に『寒』がつく魚は冬に特に脂がのって身が締まり、美味しくなることから名づけられています。これはブリやサワラが回遊魚であり、移動距離が長く、冬の荒波を泳ぐために脂肪を蓄える必要があるからです。

また、産卵前にあたるブリなどは、そのエネルギーとして脂肪を蓄えていますし、回遊しない魚でも代謝が下がって身に脂肪がついた状態で漁獲されることが多いため、冬に美味しくなる魚が増えるのです。

今シーズンの年末年始は、平年よりもまだ海水温が高いため、回遊に影響しそうで、天然ブリやサワラの漁獲量は少なめのようです。うちにもあまり入ってきていません」(内海さん)

鍋物具材の代表、カキは大不漁

冬と言えば鍋料理ですが、鍋ものに欠かせない魚介類も旬を迎えます。

「鍋物具材として人気のカキは、今年は猛暑による海水温の高さや塩分の変動、貧酸素状態など、複数の要因で出荷が遅れ、全国的に入荷量が少ない状況です。

特に日本一の産地・広島では水揚げ開始が例年より約20日遅れ、宮城でも出荷解禁が1ヵ月近く延期される異常事態となっています。

うちでも広島産はほとんど入ってきておらず、兵庫産を仕入れています。あまり生育が良くないものが多い中で、今一番おすすめできるのがサロマ湖産の殻カキです。旨みが濃く満足のいく美味しさです。

他に鍋物の白身魚の代表であるマダラ、スケソウダラ、フグ、ハタハタ、ゼラチン質が特徴で捨てるところがないと言われるアンコウも旬を迎えます」(内海さん)

王者本マグロ、メバチマグロが旬

回遊魚であるマグロでは、本マグロ、メバチマグロが日本近海を回遊してきます。

「年末年始は刺身や手巻き寿司などでマグロが大人気です。

この時季は天然の本マグロが津軽海峡から北海道に回遊してきます。生で入荷してきますが、これらは高級品として価格も高止まりしています。

一方、ここのところメバチマグロは冷凍ものが多く入荷しています。メバチマグロやキハダマグロはお手頃価格でしたが、最近は高級品である本マグロとの価格差が縮まってきました。

本マグロは価格上昇が少なめですが、お手頃価格だったメバチマグロなどが上昇してきています。この状況からすると、この年末年始はちょっと奮発して、本マグロを買ったほうがお得感がありそうです」(金子さん)
冬の魚は脂がのって、ぐんと旨みが増してきます。お刺身や鍋物で冬の美味しい魚介類をたっぷりいただいて、本格的な寒さに備えましょう。
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