一時的にラニーニャ現象に近づく 冬は平常の状態(エルニーニョ監視速報)

2025-10-10 14:17 ウェザーニュース

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気象庁は10月10日(金)にエルニーニョ監視速報を発表しました。

現在はラニーニャ現象に近い状態となっていて、冬の前半にかけてこの状態が続く見通しです。その後は急速に解消するためラニーニャ現象の発生には至らず、平常の状態が続く可能性が高くなっています。

現在は平常の状態が継続

9月のエルニーニョ監視海域の海面水温は基準値からの差が−0.5℃で、基準値より低い値となりました。また、エルニーニョ/ラニーニャ現象発生の判断に使用している5か月移動平均値の7月の値は−0.3℃で、基準値に近い値でした。

太平洋赤道域の海面水温は西部で平年より高かった一方、中部から東部では平年より低くなりました。太平洋赤道域の海洋表層の水温も西部で平年より高く、中部から東部では平年より低く、特に中部で低温が強まりました。

太平洋赤道域の大気下層の東風(貿易風)は日付変更線付近を中心に平年より強く吹きました。対流活動はインドネシア付近では活発でしたが、太平洋赤道域の日付変更線付近では不活発でした。

このような大気と海洋の状態は、エルニーニョ現象もラニーニャ現象も発生していない平常の状態ながらも、ラニーニャ現象に近い状態となっていることを示しています。

11月にかけて監視海域の海面水温は低い

大気海洋結合モデルの予測によると、太平洋赤道域で貿易風が強い状態が続くため、冬の前半にかけてエルニーニョ監視海域の海面水温がさらに低下すると予測されています。

しかし、その後は大気海洋結合が弱くなるため、この状態は長続きせず、冬の終わりにかけて海面水温は上昇して基準値に近づくと予測されています。冬の前半にかけてラニーニャ現象に近い状態が続きますが、ラニーニャ現象の発生には至らず、冬にかけて平常の状態が続く可能性が高いとみられます。

▼エルニーニョ/ラニーニャ現象発生の定義
気象庁ではエルニーニョ監視海域の海面水温の基準値との差の5か月移動平均値が6か月以上続けて+0.5℃以上となった場合を「エルニーニョ現象」、−0.5℃以下となった場合を「ラニーニャ現象」と定義しています。

冬の前半が寒くなる予想

一時的にラニーニャ現象に近づくことで、冬のはじめは偏西風が平年よりも南を流れる見通しです。日本付近には寒気が流れ込みやすくなって、12月の気温は平年並みか平年より寒くなるとみられます。

その後は平常の状態に戻るため、平年並みの冬の天候になる予想です。
長期予報 この先3か月の天候見解

出典
気象庁
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