夏に酷使した製氷機、氷が臭う原因は？ どれくらいの頻度で掃除するべき？

近年は自動製氷機能を備えた家庭用冷蔵庫が一般的ですが、いざ出来上がった氷を使おうと貯氷ケースから取り出した時、イヤな臭いを感じたことはありませんでしたか。

臭いの原因は水ではなく、実は製氷機のほうに問題があったようです。製氷機で作った氷が臭う理由や製氷機の掃除頻度や予防法などについて、全国で家事代行サービスなどを展開するカジタク・ハウスクリーニングチームの上田律樹さんに教えて頂きました。

まず、製氷機で作った氷にイヤな臭いが生じるのは、どんな理由からなのでしょうか。

「家庭用冷蔵庫の製氷機で作った氷が臭う原因は、製氷機に発生するカビのせいです。水道水で氷を作る場合は、塩素で殺菌されていますから、基本的にそのまま飲んでも雑菌やカビを心配する必要はありません。

ところが、塩素の濃度は時間の経過とともに薄まり、それに伴って殺菌作用も弱まってきます。そのため、製氷機を掃除しないと、カビが発生しやすくなるのです」（上田さん）

一般的に家庭用の製氷機は給水タンクの水が製氷皿に送られて、氷になったら貯氷ケースに落ちるという構造になっています。カビが発生しやすい箇所は、どこなのでしょうか。

「給水タンクは冷蔵庫内、製氷皿と貯氷ケースは冷凍庫内に設置されていますが、このうちカビが最も発生しやすいのは給水タンクです。

冷蔵庫の中でもカビなどの細菌は死滅しません。カビが発生した状態の給水タンクに、水道水をそのまま入れて製氷すると、水中に溶けだしてしまったカビまで一緒に凍らせてしまいます。これが、出来た氷からイヤな臭いが生じる原因になるのです」（上田さん）

製氷機はどのぐらいの頻度で掃除する必要がありますか。

「水道水で氷を作っている場合は、製氷機の給水タンクは1週間に1回のペースで掃除するように心掛けてください。定期的な掃除は、発生したカビの繁殖予防のためにも望ましく、パイプ内などの製氷機内部にもカビが発生しにくくなります。最低でも月に2回は掃除した方がいいでしょう。

浄水フィルターは給水タンクと一緒に、週に1回水洗いをしてください。そのうえで、機種によって異なりますが、約3年を目安として新品への交換が推奨されています。

製氷皿は取り外し可能となっている場合は、1年に1〜2回のペースで掃除をします。

給水タンク内に目立つ汚れが発生していたらスポンジを使って落としましょう。ただし、柔らかいタイプを使ってください。たわしの部分や硬いスポンジを使って傷つけてしまうと、傷に汚れが溜まり雑菌やカビが発生する原因になります。

製氷機の構造や掃除の手順などはメーカーごとに違いますので、必ず事前に取扱説明書をよく確認してから作業を行うようにしてください」（上田さん）

水道水でなく、ミネラルウォーターを使って製氷する家庭はどうでしょうか。

「ミネラルウォーターや浄水器を通した水は、塩素殺菌された水道水よりもぬめりやカビの発生、雑菌の繁殖がしやすくなります。よりこまめに、週2～3回程度は掃除をしてください。

氷そのものは腐りませんが、水に含まれる不純物は腐る可能性があります。製氷機で作った氷は長期間放置せず、新しい氷と入れ替えてください。

また、給水タンクに水を入れたままにしておくとカビが発生する原因になりますので、氷を使わない時は水を捨てて、空にしておいてください」（上田さん）

猛暑が過ぎたこの時季は、製氷機の掃除ができる好タイミングといえます。これをきっかけに製氷機や給水タンクを定期的に掃除して、清潔を保つようにしましょう。
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