9月は秋or夏? 温暖化で9月も「夏延長」? かつての8月並みの暑さに
9月は夏or秋?
「秋」という言葉を聞いたとき、いつのことを思い浮かべるでしょうか。
気象庁では、季節を表す用語として「秋」を「9月から11月までの期間」としています。では、体感としてはどうでしょうか?
気象庁では、季節を表す用語として「秋」を「9月から11月までの期間」としています。では、体感としてはどうでしょうか?
季節感がずれてきている?
「秋が短くなってきているのも、気候変動の影響の1つ」と、気候科学者で東京大学未来ビジョン研究センター教授の江守正多先生は指摘します。
特に、今年は6月から真夏を先取りしたような暑さに見舞われました。7〜8月も高温が続き、夏(6〜8月)の平均気温は基準値(1991〜2020年の30年平均値)から2.36℃も高く、昨年、一昨年の記録を大幅に更新。“観測史上最も暑い夏”となりました。
「温暖化により、日本の夏の平均気温は、変動を繰り返しながら上昇しています。今年は特に上振れした状況だったものの、長期的に見ても100年あたり1.38℃の割合で上昇しているのです。
その影響で、これまでよりも夏が長くなり、秋の訪れが遅くなってきています」(江守先生)
特に、今年は6月から真夏を先取りしたような暑さに見舞われました。7〜8月も高温が続き、夏(6〜8月)の平均気温は基準値(1991〜2020年の30年平均値)から2.36℃も高く、昨年、一昨年の記録を大幅に更新。“観測史上最も暑い夏”となりました。
「温暖化により、日本の夏の平均気温は、変動を繰り返しながら上昇しています。今年は特に上振れした状況だったものの、長期的に見ても100年あたり1.38℃の割合で上昇しているのです。
その影響で、これまでよりも夏が長くなり、秋の訪れが遅くなってきています」(江守先生)
実際に、日本の9月の平均気温も上昇傾向です。2024年は基準値(1991〜2020年の30年平均値)より2.52℃も高く、2023年の+2.66℃に次ぐ2位の高温となりました。
また、東京の直近100年間の9月の平均気温推移を見ると、近年は20世紀の8月の平均気温に迫っています。さらに、去年や一昨年などのように上回る年も出てきました。
9月に猛暑日を記録する日も増えています。一昔前は、9月に35℃を超えるような猛暑日はあまり記録されませんでしたが、昨年は9月だけで1,452地点も観測しています。近年の9月はかつての8月並みに暑くなってきているのです。
関連記事「1か月予報」
また、東京の直近100年間の9月の平均気温推移を見ると、近年は20世紀の8月の平均気温に迫っています。さらに、去年や一昨年などのように上回る年も出てきました。
9月に猛暑日を記録する日も増えています。一昔前は、9月に35℃を超えるような猛暑日はあまり記録されませんでしたが、昨年は9月だけで1,452地点も観測しています。近年の9月はかつての8月並みに暑くなってきているのです。
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影響は夏の暑さや長期化やだけではありません。
秋のかえでの紅(黄)葉日が、10年あたり3.1日の変化率で遅くなっていますが、これも長期的な気温上昇の影響と考えられています。
こうした身近な植物の変化も秋を短く感じる要因の一つかもしれません。
紅葉の名所の京都では、従来11月に見ごろを迎える年が多かったですが、最近は11月下旬から12月にずれ込む年も出てくるなど、秋の深まりが遅れつつあります。
全国の紅葉見頃情報・予想
秋のかえでの紅(黄)葉日が、10年あたり3.1日の変化率で遅くなっていますが、これも長期的な気温上昇の影響と考えられています。
こうした身近な植物の変化も秋を短く感じる要因の一つかもしれません。
紅葉の名所の京都では、従来11月に見ごろを迎える年が多かったですが、最近は11月下旬から12月にずれ込む年も出てくるなど、秋の深まりが遅れつつあります。
全国の紅葉見頃情報・予想
四季の移ろいに変化が
今後、温暖化が進むと日本の季節の変化にどのような影響を及ぼすのでしょうか。
「日本で気候帯が変わったり、季節の移り変わりがなくなったりするような極端なことにはならないと思いますが、平均気温が上昇すれば、今までよりも、夏は長く、春は早く、秋は遅く、冬は短くなることになります。
それにともなって、桜の開花が早まったり、紅葉が遅れたりするなどの季節感のずれも生まれやすくなります」(江守先生)
気候変動は地球規模で起きており、日本列島全体に影響が及びます。
「日本の地域性もずれてくる可能性があります。例えば、北海道や東北が暖かくなると雪が減って、太陽光を吸収しやすくなるので、他の地域よりも春や秋の気温が上がりやすくなります。逆に、沖縄は海に囲まれているため、温度上昇がおだやかです。これまで日本列島の南北間にあった温度差が縮まっていく傾向にあるでしょう」(江守先生)
「日本で気候帯が変わったり、季節の移り変わりがなくなったりするような極端なことにはならないと思いますが、平均気温が上昇すれば、今までよりも、夏は長く、春は早く、秋は遅く、冬は短くなることになります。
それにともなって、桜の開花が早まったり、紅葉が遅れたりするなどの季節感のずれも生まれやすくなります」(江守先生)
気候変動は地球規模で起きており、日本列島全体に影響が及びます。
「日本の地域性もずれてくる可能性があります。例えば、北海道や東北が暖かくなると雪が減って、太陽光を吸収しやすくなるので、他の地域よりも春や秋の気温が上がりやすくなります。逆に、沖縄は海に囲まれているため、温度上昇がおだやかです。これまで日本列島の南北間にあった温度差が縮まっていく傾向にあるでしょう」(江守先生)
「もちろん、影響は季節感だけではありません。例えば、近年では気候の極端化により災害級の猛暑や記録的な大雨が珍しくなくなってきています。以前であればちょっとした大雨で済んだはずが、規模が大きくなったために洪水や土砂崩れなどの被害が激甚化・頻発化するようになっています。
気候変動対策は世界の協力が不可欠ですが、その中で日本も当然取り組んでいく必要があります。そして、個人もその必要性を理解して、対策を後押しする気持ちが大事です」(江守先生)
私たち一人ひとりが、今、起きている変化を見逃すことなく自分のこととして捉えていかなければならないでしょう。
ウェザーニュースでは、気象情報会社の立場から地球温暖化対策に取り組むとともに、さまざまな情報をわかりやすく解説し、みなさんと一緒に地球の未来を考えていきます。まずは気候変動について知るところから、一緒に取り組んでいきましょう。
特集 ウェザーニュースと考える地球の未来
長期予報 この先3か月の天候見解
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気候変動対策は世界の協力が不可欠ですが、その中で日本も当然取り組んでいく必要があります。そして、個人もその必要性を理解して、対策を後押しする気持ちが大事です」(江守先生)
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