秋に美味しくなる野菜は？ 秋が旬の野菜・果物カレンダー

秋と名がつく野菜では、「秋なす」を思い浮かべる人も多いと思います。

「なすは本来、夏野菜ですが、夏に収穫されるものは水分が多くてみずみずしいのに対し、秋なすは実がしまって甘みが増し、種が少なく皮も薄くて柔らかいのが特徴です。

秋から初冬にかけては、『秋にんじん』が旬を迎えます。夏のにんじんはみずみずしく淡白で、香りも弱めのものが多いのですが、秋に入ると甘みと香りが増してバランスが良くなり、コクがあるものへと変化していきます」（吉田さん）

芋類は秋から冬にかけて旬を迎えるものが多く、じゃがいもやさつまいもがその代表として挙げられます。

「じゃがいもは春の新じゃがと異なり、甘みが強くホクホクとした食感で、煮物やコロッケ、おでんなどには絶好です。ただ男爵などは煮崩れしやすいので気をつけましょう。主産地北海道ではおおむね順調に育っているため、値段も平年並みと言われています。

芋掘りで親しまれるさつまいもはこれから収穫時期を迎えますが、収穫後に甘みが増すよう貯蔵するため、9月後半から10月以降がおすすめです。

里芋も旬を迎えます。千葉県や埼玉県が主産地ですが、生育はおおむね順調なので、値段も平年並みで推移すると言われています。独特のねっとり感が増し、成熟して糖質が増えるため、自然の甘みが感じられ、煮物に最適です」（吉田さん）

鍋物野菜もこれからが旬を迎えるそうです。

「大根は1年中出回っていますが、秋から冬にかけてぐっとおいしさが増す野菜です。繊維のきめが細かくなり、柔らかくみずみずしくなるので、大根おろしがおすすめです。今年はサンマが豊漁なので、サンマの塩焼きにたっぷり添えていただきましょう。

白菜も気温が下がってくると葉が柔らかくなってうま味が増します。ただ9月前半は高温の影響でやや高値で推移しそうです。その後は平年並みになると予想されています」（吉田さん）

国産の栗は9月の中旬以降に最も多く出荷されます。

「主に中生（なかて）種で、甘みと大きさのバランスが良いと言われています。10月中旬からは晩生（おくて）種が出てきます。品種にもよりますが、実が大きくて甘みが強く、ホクホク感が抜群です。

梨は『幸水』が終わり、やや大玉の果汁たっぷりジューシーで、甘みと酸味のバランスが良い『豊水』が出てきます。また最近人気が出てきている、糖度が高く酸味が少ない『秋月』、中には1kgを超えるものもある『新高』が出てきます。

『シャインマスカット』などのぶどうも旬を迎えています。シャインマスカットは雨が少なく高温の影響があり、小粒であるものの、糖度が高く値段もお手頃になっています。おなじみの巨峰はすでに終盤、かわって巨峰より大粒の『ピオーネ』や皮ごと食べられる『ナガノパープル』などが出回ります。

柿も露地栽培の本格的な出荷時期に入ります。柿は品種によって味・食感が異なるので、食べ比べするのも楽しいと思います」（吉田さん）

9月に入ってもまだ暑さが続きそうです。旬の野菜や果物をしっかり摂って、残暑を乗り切りましょう。

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