ラニーニャ現象に近づくも発生には至らない見通し(エルニーニョ監視速報)

2025-09-10 13:40 ウェザーニュース

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気象庁は今日9月10日(水)、エルニーニョ監視速報を発表しました。

一時的にラニーニャ現象に近い状態となる可能性がありますが、その状態は長続きしない見込みです。ラニーニャ現象の発生には至らず、冬にかけて平常の状態が続く可能性が高くなっています。

現在は平常の状態が継続

8月のエルニーニョ監視海域の海面水温は基準値からの差が-0.3℃で、7月からはやや下がったものの基準値に近い値となりました。また、エルニーニョ/ラニーニャ現象発生の判断に使用している5か月移動平均値の6月の値は-0.1℃で、基準値に近い値でした。

太平洋赤道域の海面水温は西部で平年より高かった一方、中部を中心に平年より低くなりました。太平洋赤道域の大気下層の東風(貿易風)は中部で平年より強く、対流活動はインドネシア付近では活発でしたが、太平洋赤道域の日付変更線付近では不活発でした。

このような大気と海洋の状態は、一部でラニーニャ現象側の特徴が見られるものの、エルニーニョ現象もラニーニャ現象も発生していない平常の状態であることを示しています。

一時的にラニーニャ現象に近づくも継続しない見通し

大気海洋結合モデルによると、太平洋赤道域の中部と東部で冷水が先月より強まっており、今後、太平洋赤道域で貿易風が強い状態が続くため、冬のはじめにかけてエルニーニョ監視海域の海面水温が低下すると予測されています。

しかし、その後は大気海洋結合が弱くなるためこの状態は長続きせず、冬にかけて海面水温は次第に上昇して基準値に近づくと予測されています。

このため、冬のはじめにかけて一時的にラニーニャ現象に近い状態となりますが、長く続かないためラニーニャ現象の発生には至らない見通しです。冬にかけて平常の状態が続く可能性が高くなっています。

▼エルニーニョ/ラニーニャ現象発生の定義
気象庁ではエルニーニョ監視海域の海面水温の基準値との差の5か月移動平均値が6か月以上続けて+0.5℃以上となった場合を「エルニーニョ現象」、−0.5℃以下となった場合を「ラニーニャ現象」と定義しています。

海面水温や対流活動の状態から秋も高温傾向を予想

海面水温や対流活動の傾向から、上空を吹く強い西寄りの風(偏西風)は平年より北を流れやすくなるとみられます。

太平洋高気圧は平年に比べると強い状態が継続し、日本列島には暖かな空気が流れ込みやすくなる見込みです。気温の高い傾向はこの先も続く予想となっています。
長期予報 この先3か月の天候見解

出典
気象庁
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