五節句の最後「重陽の節句」は、なぜ「菊の節句」なの?
最大の陽数「9」が重なる縁起のいい日
和え物やおひたし、天ぷらで頂く食用菊
重陽の節句の行事食には、どのようなものがありますか。
「やはり菊の美しさや香り、味を楽しむ菊尽くし料理でしょう。食用の黄菊をほぐして茹で、すし飯に混ぜた美しい彩りの菊花ずし、揚げたてを塩で頂く菊花の天ぷら、菊の花びらを添えた和え物やおひたし、お吸い物などですね。
食用菊の主な品種は、青森県八戸市の特産で、江戸時代から八戸市を中心に食用されてきた黄色い『阿房宮(あぼうきゅう)』、紅紫色の品種としては、こちらも江戸時代からの山形県の特産品である『延命菊/もってのほか』、新潟県には白い色の『仙人菊』、薄紫色の『かきのもと/おもいのほか』などがあります。
刺身の彩りとしてよく添えられている小菊も、食用菊の一種です」(北野さん)
「やはり菊の美しさや香り、味を楽しむ菊尽くし料理でしょう。食用の黄菊をほぐして茹で、すし飯に混ぜた美しい彩りの菊花ずし、揚げたてを塩で頂く菊花の天ぷら、菊の花びらを添えた和え物やおひたし、お吸い物などですね。
食用菊の主な品種は、青森県八戸市の特産で、江戸時代から八戸市を中心に食用されてきた黄色い『阿房宮(あぼうきゅう)』、紅紫色の品種としては、こちらも江戸時代からの山形県の特産品である『延命菊/もってのほか』、新潟県には白い色の『仙人菊』、薄紫色の『かきのもと/おもいのほか』などがあります。
刺身の彩りとしてよく添えられている小菊も、食用菊の一種です」(北野さん)
長寿を祈る「菊の被綿」
行事食以外に、重陽の節句の慣習にはどのようなものがありますか。
「風流な習わしとして『菊の被綿(きせわた)』があります。9月8日の夜、庭の菊の花に綿を被せて夜露を染み込ませておきます。翌9日の朝に、菊の香りが移った綿で身体をなでて長寿を祈ります。
また、9日に摘んだ菊の花びらを天日干しにして、詰め物にして作った枕を『菊枕』と呼びます。菊枕で寝ると、好きな相手が夢に現れるとされ、女性から男性への贈り物に用いられました。菊枕の香りは頭痛や目の病に効くともいわれます」(北野さん)
「残暑厳しい折、長寿を祈りつつ飲む菊酒は、その香気が夏の疲れを癒してくれるように思います」と、北野さんは言います。
「風流な習わしとして『菊の被綿(きせわた)』があります。9月8日の夜、庭の菊の花に綿を被せて夜露を染み込ませておきます。翌9日の朝に、菊の香りが移った綿で身体をなでて長寿を祈ります。
また、9日に摘んだ菊の花びらを天日干しにして、詰め物にして作った枕を『菊枕』と呼びます。菊枕で寝ると、好きな相手が夢に現れるとされ、女性から男性への贈り物に用いられました。菊枕の香りは頭痛や目の病に効くともいわれます」(北野さん)
「残暑厳しい折、長寿を祈りつつ飲む菊酒は、その香気が夏の疲れを癒してくれるように思います」と、北野さんは言います。
重陽の節句にちなんで、菊の花をかたどった様々な和菓子も店頭に並んでいます。未成年者やお酒の飲めない人も、旬の主菜に食用菊の天ぷらや和え物、お吸い物などを添え、栗ご飯と共に頂いて、今年最後の節句を祝ってみてはいかがでしょうか。
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参考資料
『三省堂 年中行事事典』(田中宣一・宮田登編/三省堂)、『暮らしのならわし十二か月』(白井明大著/飛鳥新社)、『和のしきたり 日本の暦と年中行事』(監修:新谷尚紀/日本文芸社)、『植物でしたしむ、日本の年中行事』(湯浅浩史/朝日新聞出版)、『二十四節気の暮らしを味わう 日本の伝統野菜』(木村正典著/G.B)、『おりおりに和暦のあるくらし』(旧暦くらし研究会著/角川書店)、『日本の七十二候を楽しむ―旧暦のある暮らし―』(白井明大著/東邦出版)
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『三省堂 年中行事事典』(田中宣一・宮田登編/三省堂)、『暮らしのならわし十二か月』(白井明大著/飛鳥新社)、『和のしきたり 日本の暦と年中行事』(監修:新谷尚紀/日本文芸社)、『植物でしたしむ、日本の年中行事』(湯浅浩史/朝日新聞出版)、『二十四節気の暮らしを味わう 日本の伝統野菜』(木村正典著/G.B)、『おりおりに和暦のあるくらし』(旧暦くらし研究会著/角川書店)、『日本の七十二候を楽しむ―旧暦のある暮らし―』(白井明大著/東邦出版)
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