日本では3年ぶりの皆既月食 7日(日)深夜の満月が赤銅色に 《皆既月食2025年9月8日》

2025-09-01 12:00 ウェザーニュース

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9月7日(日)夜に昇ってくる満月が、日付が変わった8日(月)未明から欠け始め、明け方にかけて全国で「皆既月食」が起こります。日本で皆既月食が見られるのは3年ぶりです。

皆既月食は、満月が地球の影になる空間を通過するときに光が失われ赤銅色になる現象で、全国どこでも同じタイミングで起こります。

いつ起こる? 時間帯は全国共通

満月は7日(日)の日の入りの頃に昇ってきますが、月食が始まるのは日付が変わって9月8日(月)になってからです。時間帯は次の通りで、全国で共通です。

▼月食の時刻(全国共通)
部分食の始まり 8日(月)1時27分頃
皆既食の始まり 8日(月)2時30分頃
皆既食の最大  8日(月)3時12分頃
皆既食の終わり 8日(月)3時53分頃
部分食の終わり 8日(月)4時57分頃

今回は月が地球の影の中心近くを通るため、皆既食の時間は比較的長く、約1時間20分にわたって皆既食を見ることができます。部分食の始まりから終わりまでの全行程は3時間半に及びます。
月食の現象が起こるタイミングは全国共通ですが、その時間帯の月の見える位置は地域によって差があります。

今回の月食は概ね各地とも空高いところで始まりますが、後半ほど月が低くなり地形や建物の影響を受けやすくなります。北日本ほど月の沈む時刻が早いため、月食を最後まで見たい場合はなるべく空の西側が開けた場所からお楽しみください。
月の出の時刻を確認

気になる7日(日)深夜〜8日(月)明け方の天気は?

7日(日)深夜〜8日(月)明け方は、秋雨前線に相当する雲の帯が日本付近に形成される可能性が高くなってきました。この前線の位置と活動の程度次第で、月食が見えるかどうかが変わってきそうです。現時点での予想では、月食の時間帯には前線は日本海〜北日本付近を南下しているタイミングになるとみています。北陸〜北日本はこの雲の影響を受けて天体観測の難しい天気となってしまいそうです。

東日本や西日本では所々で雲の出る可能性はあるものの、月食を見るチャンスはある天気になりそうです。沖縄も湿った空気の影響を受けて雲が発生しますが、雲の隙間から月食を見られるチャンスがありそうです。

前線や高気圧の位置・活動の程度次第で、この先天気予報が変わる可能性があります。こまめに予報の変化をチェックしておいてください。
今日・明日〜2週間先までの週間天気予報今日・明日〜2週間先までの週間天気予報
この先の「雲量」予想マップ
PCで数値予報モデルを見る「ウェザーニュースPro」

特設ライブカメラも公開予定


ウェザーニュースでは月食の様子を特設ライブカメラで生中継し、YouTubeでライブ配信する予定です。特別番組もオンエア予定ですので、ウェザーニュースのチャンネルをチェックしてみてください。
YouTube ウェザーニュースチャンネル
X(旧Twitter) @wni_jp

次に日本で皆既月食が見られるのは、来年の春、2026年3月3日です。
花粉カレンダー

月食と日食の違い

月食は夜間に満月が一時的に暗くなる現象、日食は日中に太陽が一時的に見えなくなる現象です。

月食のしくみは、地球の影になっている空間を月が通過し、月の表面に太陽光がほとんど届かなくなることで起こります。満月の日、太陽—地球—月の位置関係の時に起こります。月が部分的に暗くなる部分月食と、完全に暗くなる皆既月食があります。

日食のしくみは、地球から見たときの太陽の前を月が横切って、月で太陽が隠されることで起こります。新月の日、太陽—月—地球の位置関係の時に起こります。太陽が部分的に見えなくなる部分日食と、完全に見えなくなる皆既日食、リング状に中心部が見えなくなる金環日食があります。

月食と日食 どちらの方が珍しい?

月食と日食のどちらが珍しいかというと、一方を挙げることはできません。頻度は日食のほうが多くなりますが、1回の日食が見られる範囲は地球上でも限られた地域となり、特に皆既日食はごく限られた地域でしか見られません。

一方、月食が起こる頻度は日食よりも少ないものの、1回起これば夜の地域ではどこでもその様子を観察することができます。

現象の継続時間も月食のほうが長い場合がほとんどです。

一生のうちで遭遇する回数は月食のほうが圧倒的に多くなりそうです。

月食の欠け方と、普段の月の満ち欠け

月は1か月弱の周期で満ち欠けを繰り返していますが、月食との違いを見分ける方法はあるでしょうか。

月食は満月の時にしか起こらない現象です。皆既月食の日もまずは部分食から始まります。部分食が始まると、普段の月の満ち欠けとは違って、月が細くなっていくのではなく一端からかじられたように暗くなっていきます。欠けた部分の弦の曲線が逆なのがわかります(写真)。欠け方が半分以上になると、普段の満ち欠けと弦の向きは同じになりますが、皆既食の直前には光っている弧そのものが小さくなっていきます。

皆既食が終わったあとの部分食も、これと逆順で同様の変化を辿ります。

また、普段の満ち欠けと比較すると、弦の部分の明暗の境界線がいくぶんぼんやりと見えるはずです。実は、明確な暗い部分よりも外側の領域も若干暗くなっていて、半影(はんえい)と呼ばれます。
ウェザーニュース 星空Ch.
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参考
国立天文台「ほしぞら情報」、アストロアーツ「星空ガイド」
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