週刊地震情報 2025.8.24
北海道で深発地震　離れた所で強く揺れる異常震域

19日(火)7時19分頃、北海道の渡島地方東部を震源とするマグニチュード5.1、深さ133kmと推定される地震が発生しました。この地震で北海道浦幌町で最大震度3、北海道から東北北部の広い範囲で震度1〜2の揺れを観測しています。

震源は道南の渡島地方でしたが、最も強い揺れを観測したのは道東の十勝地方でした。今回の地震は深さ133kmのいわゆる深発地震で、沈み込んでいる海のプレートに沿う地域に揺れが伝わることで「異常震域」となりました。

札幌市では震度1以上の揺れを観測しなかった一方で、それよりも震央から遠い、根室市や岩手県一関市などで揺れを観測しています。

この領域では同じようなタイプの深発地震が時々発生していて、1992年のマグニチュード6.1では十勝地方で最大震度4、根室地方から岩手県にかけての太平洋側の広い範囲で震度3の揺れとなりました。

21日(木)10時44分頃、伊豆諸島の新島・神津島近海を震源とするマグニチュード4.8、深さ16kmと推定される地震が発生しました。この地震で伊豆諸島の利島村、新島村で最大震度3、伊豆大島町、静岡県東伊豆町で震度2を観測しています。

新島・神津島近海を震源とする地震で震度3以上を観測するのは、2023年5月以来、約2年ぶりです。

この領域ではしばしば活発な地震活動が起こることがあり、最近では2023年5月にマグニチュード5.3、最大震度5弱を最大とする活動、2020年に12月にはマグニチュード5.0、最大震度5弱を最大とする活動がありました。

新島・神津島近海ではフィリピン海プレートが沈み込むことによる地震活動や地下のマグマの動きに関連する地震が起きていています。三宅島が噴火した2000年には今回よりも南の領域で、地震活動が非常に活発になり、マグニチュード6以上の地震が4回発生しました。

今回は21日(木)の地震発生以降、一時的に地震が増えた程度で、有感地震は起きていません。ただ、この領域の地震は震源が浅いことから、強い揺れになりやすく、日頃からの備えが必要です。マグニチュード7クラスの地震は20年に一度の割合で発生している領域ですので、日頃からの対策が欠かせません。

アメリカ地質調査所の解析によるマグニチュード6以上の地震は2回発生しています。最も大きな地震は、ドレーク海峡で発生したマグニチュード7.5です。

日本時間の22日(金)午前に、南アメリカ大陸と南極半島の北に連なるサウス・シェトランド諸島の間のドレーク海峡を震源とするマグニチュード7.5、深さ約11kmと推定される地震が発生しました。

地震のメカニズムは横ずれ型と解析されています。規模が大きく震源の浅い地震でしたが、横ずれ型だったため目立った津波は発生しませんでした。

ドレーク海峡はスコシアプレートと南極プレートの境界付近にあたり、時々規模の大きな地震が起きています。今年5月には今回の震源の北側でマグニチュード7.4の地震が発生しました。比較的近い所で起きた地震ですが、5月の地震は南米大陸の太平洋沿岸に伸びるチリ海溝の南端で起きていて、今回とは違うタイプです。
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出典・参考
※日本国内の震源･震度の情報は特に記載が無ければ気象庁より。海外の震源情報は特に記載が無ければアメリカ地質調査所(USGS)より。発表機関により震源情報に差が生じることがあります。