20℃以上の温度差も 暑さ対策の帽子は、色・素材で効果が変わる!?
赤白帽にも蓄熱に大きな差
炎天下、色と素材で帽子内の温湿度は違う
北先生は39種類の色と素材の帽子について調べました。実験は、地面から約70cmの高さの台上に帽子を並べ、帽子内部に温湿度計を設置して、30分おきに計測しました。
運動中の体温への影響は?
実際に人が帽子をかぶって活動しているときはどうなのでしょうか。北先生は、運動中について検証しました。
使ったのは、先の実験で最も温度上昇が抑えられた綿ポリ素材で、ピンク・グレー・白・黒の色別の帽子です。ゴルフ、ウォーキングなど動き方の異なる5種の運動を実施し、運動前後の深部体温、実施中の帽子内平均温度を計測しました。
「最も温度上昇を抑えたのは白色の帽子で、逆に黒色の帽子は40〜45℃程度の高温になりやすく危険なことがわかりました。一方、全てのタイプの帽子で深部体温が38℃以上の高温になるケースはみられませんでした」(北先生)
深部体温とは体の内部の温度で、脳や臓器などを守るため通常37℃前後に保たれているのです。
「温度が高くなりにくい素材や色の帽子を選んだことで、運動後に生命や健康を脅かすような深部体温の上昇は見られなかったのだと思います」(北先生)
使ったのは、先の実験で最も温度上昇が抑えられた綿ポリ素材で、ピンク・グレー・白・黒の色別の帽子です。ゴルフ、ウォーキングなど動き方の異なる5種の運動を実施し、運動前後の深部体温、実施中の帽子内平均温度を計測しました。
「最も温度上昇を抑えたのは白色の帽子で、逆に黒色の帽子は40〜45℃程度の高温になりやすく危険なことがわかりました。一方、全てのタイプの帽子で深部体温が38℃以上の高温になるケースはみられませんでした」(北先生)
深部体温とは体の内部の温度で、脳や臓器などを守るため通常37℃前後に保たれているのです。
「温度が高くなりにくい素材や色の帽子を選んだことで、運動後に生命や健康を脅かすような深部体温の上昇は見られなかったのだと思います」(北先生)
どんな帽子が効果的?
夏場の暑さがますます厳しくなっている状況で、北先生は小学校の赤白帽の代わりに「桃白帽」など、帽子による温暖化適応策について提言しています。
「まず帽子を着用することが大切です。黒帽でも深部体温の上昇が抑えられた例からもわかるように、黒や赤などの色の濃い帽子でも、かぶらないよりはよいのです。
暑熱環境下で長時間作業する際には、『綿ポリ製』『淡い色(薄い色) 』『通気性の高い形状の帽子』を選ぶことが推奨されます。
ただし、通気穴については、数分おきに脱帽して帽子内の温湿度を逃してやれば、通気穴がある帽子と同程度の効果が得ることができます。
一方、蓄熱してしまった帽子だと脱帽しても帽子自体の温度は低下しませんので、日光反射率の高い色の薄いもの、素材は綿ポリ製がおすすめです」(北先生)
「まず帽子を着用することが大切です。黒帽でも深部体温の上昇が抑えられた例からもわかるように、黒や赤などの色の濃い帽子でも、かぶらないよりはよいのです。
暑熱環境下で長時間作業する際には、『綿ポリ製』『淡い色(薄い色) 』『通気性の高い形状の帽子』を選ぶことが推奨されます。
ただし、通気穴については、数分おきに脱帽して帽子内の温湿度を逃してやれば、通気穴がある帽子と同程度の効果が得ることができます。
一方、蓄熱してしまった帽子だと脱帽しても帽子自体の温度は低下しませんので、日光反射率の高い色の薄いもの、素材は綿ポリ製がおすすめです」(北先生)
酷暑の日が頻発するなかで健康に過ごすためには、データに基づいた正しい対策が重要でしょう。
「私が帽子の研究を始めるきっかけは、東京オリンピック・パラリンピック開催前の状況にあります。当時、明らかなデータがないまま、酷暑への不安や心配の声ばかりがクローズアップされていました。
私が長年研究してきたゴルフでは、プレー中の帽子内や着衣内の温湿度などは未知の領域。暑熱環境下の帽子についても、何十年も前の古い研究ばかりで、現代のこれまで経験したことがない猛暑下には適応できないものでした。
“地球沸騰化” の時代にも適応できる新たな知見を得るため、帽子に関する研究を継続していきます」(北先生)
地球温暖化が進行するなか、暑さ対策に重宝される帽子の選び方・使い方もアップデートが必要になっているのかもしれません。
「私が帽子の研究を始めるきっかけは、東京オリンピック・パラリンピック開催前の状況にあります。当時、明らかなデータがないまま、酷暑への不安や心配の声ばかりがクローズアップされていました。
私が長年研究してきたゴルフでは、プレー中の帽子内や着衣内の温湿度などは未知の領域。暑熱環境下の帽子についても、何十年も前の古い研究ばかりで、現代のこれまで経験したことがない猛暑下には適応できないものでした。
“地球沸騰化” の時代にも適応できる新たな知見を得るため、帽子に関する研究を継続していきます」(北先生)
地球温暖化が進行するなか、暑さ対策に重宝される帽子の選び方・使い方もアップデートが必要になっているのかもしれません。
温暖化の影響は私たちの生活にも大きな変化をもたらす可能性があります。ウェザーニュースでは、気象情報会社の立場から地球温暖化対策に取り組むとともに、さまざまな情報をわかりやすく解説し、みなさんと一緒に地球の未来を考えていきます。まずは気候変動について知るところから、一緒に取り組んでいきましょう。
特集 ウェザーニュースと考える地球の未来
お天気ニュース記事をアプリで見るお天気ニュース記事一覧
参考資料
北徹朗ら「帽子の素材・色・形状が暑熱環境下でのスポーツ実施中の生理指標と帽子内温湿度に及ぼす影響」(「デサントスポーツ科学」第42巻、公益財団法人石本記念デサントスポーツ科学振興財団)、文部科学省及び気象庁「日本の気候変動 2025 — 大気と陸・海洋に関する観測・予測評価報告書 —」
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北徹朗ら「帽子の素材・色・形状が暑熱環境下でのスポーツ実施中の生理指標と帽子内温湿度に及ぼす影響」(「デサントスポーツ科学」第42巻、公益財団法人石本記念デサントスポーツ科学振興財団)、文部科学省及び気象庁「日本の気候変動 2025 — 大気と陸・海洋に関する観測・予測評価報告書 —」
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