週刊地震情報 2025.7.6
トカラ列島で震度6弱　活発な活動が長期間継続

7月3日(木)の16時13分頃、トカラ列島近海を震源とするマグニチュード5.5、深さ20kmと推定される地震が発生しました。この地震で鹿児島県十島村・悪石島で最大震度6弱、小宝島で震度3を観測しています。

6月21日(土)に始まった地震の活動として最大の揺れで、悪石島など十島村での震度観測の記録が残る1990年代以降、震度6弱を観測するのは初めてです。

また、7月5日(土)の6時29分の地震では震度5強を観測し、震度5弱以上は5回となっています。

今回の地震活動は6月21日(土)頃に始まり、23日(月)に有感地震の日回数が180回を超えて、一度目のピークを迎えました26日(木)〜27日(金)は地震回数が減少し、落ち着くかにみられました。

しかし、29日(日)頃から再び活発化。7月1日(火)以降は、連日100回以上の有感地震が発生し、一連の活動で1400回を超えています。

マグニチュード5以上の規模の大きな地震を見ると、21日(土)〜24日(火)は4日間で3回。29日(日)から7月5日(土)20時では、7日間で13回発生していて、数だけではなく規模も大きいものが増えていることがわかります。震度5弱以上はいずれも活動の後半に起きたものです。

今日6日(日)の午前はやや活動が落ち着きを見せているものの、10時の時点で30回以上の有感地震を観測しています。

政府の地震調査研究推進本部はトカラ列島近海の地震活動に関する評価を行い、宝島付近で大きな地殻変動があったことを明らかにしました。

また、2021年にマグニチュード6.1、1960年にマグニチュード6.2、1942年にはマグニチュード6.5と、今回以上の規模の地震が起きた記録もあり、当分は震度6弱程度の大きな揺れに対する注意を呼びかけています。

過去のこの地域の地震活動は活発な期間と落ち着いた期間を繰り返しながら継続することが多いため、活動の終わりを特定することは難しいとしています。

アメリカ地質調査所の解析によるマグニチュード6以上の地震は発生していません。最も大きな地震は、南アメリカ大陸の南端付近、南太平洋フィジー近海、トカラ列島近海で発生したマグニチュード5.6です。

今回は南アメリカの地震に注目します。日本時間の7月5日(土)の未明に南アメリカ大陸最南端の沖合を震源とするマグニチュード5.6、深さ約10kmと推定される地震が発生しました。

陸地からはやや離れていたことから揺れによる影響は出ていません。地震のメカニズムは横ずれ型と解析されています。

この領域は南極プレートと南アメリカプレート、スコシアプレートの3つのプレートが接していて、今回の震源は南極プレートとスコシアプレートとの境界付近です。マグニチュード5クラスの地震がしばしば起きています。

少し北西側では今年5月にマグニチュード7.4の地震が発生しましたが、こちらは逆断層型の地震で、今回の地震とは違うタイプでした。
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出典・参考
※日本国内の震源･震度の情報は特に記載が無ければ気象庁より。海外の震源情報は特に記載が無ければアメリカ地質調査所(USGS)より。発表機関により震源情報に差が生じることがあります。