「ヤブ蚊」の分布域が北上中、気候変動とともに感染症リスクが高まる?
温暖化で蚊の分布域が拡大!?
温暖化により、日本でのヒトスジシマカの生息域が北上しているといいます。
「ヒトスジシマカは日本でも一般的な蚊ですが、熱帯から温帯までアジアの広い地域に分布しています。東南アジアの多くの地域では、ヒトスジシマカは郊外に分布していることが多いのですが、温帯地域である日本では都市部での発生密度が高くなっています」(山口先生)
日本の年平均気温は、1898~2024年の間に100年当たり1.40℃の割合で上昇しています。これにともない、ヒトスジシマカの分布が北上する可能性があることが指摘されています。
「年平均気温が11℃以上で定着可能とされていますが、温暖化によりヒトスジシマカにとって適した地域が広がっているのです。
「ヒトスジシマカは日本でも一般的な蚊ですが、熱帯から温帯までアジアの広い地域に分布しています。東南アジアの多くの地域では、ヒトスジシマカは郊外に分布していることが多いのですが、温帯地域である日本では都市部での発生密度が高くなっています」(山口先生)
日本の年平均気温は、1898~2024年の間に100年当たり1.40℃の割合で上昇しています。これにともない、ヒトスジシマカの分布が北上する可能性があることが指摘されています。
「年平均気温が11℃以上で定着可能とされていますが、温暖化によりヒトスジシマカにとって適した地域が広がっているのです。
蚊が媒介する感染症のリスク
注意したいデング熱とは
温暖化が進むと蚊が越冬する恐れも?
今後もヒトスジシマカなどによる感染症のリスクは高くなると考えられるのでしょうか。
「2030年には、ヒトスジシマカが北海道札幌市周辺、小樽市、苫小牧市、室蘭市、函館市、帯広市などの都市部に定着してもおかしくないという研究があります。
温暖化により、冬が暖かくなることもリスクとなります。卵、幼虫、成虫で越冬する蚊の冬季死亡率が低下し、蚊が増えやすくなる可能性があります。例えば都市部で雨水マスが冬季に凍結することが減ると考えられますが、幼虫が越冬しやすくなります。
また、日本国内のデング熱の媒介蚊はヒトスジシマカですが、東南アジアではネッタイシマカが多いです。ネッタイシマカは熱帯・亜熱帯地域に分布しますが、台湾にも生息していて、今後温暖化により日本に北上してくることも考えられます」(山口先生)
「2030年には、ヒトスジシマカが北海道札幌市周辺、小樽市、苫小牧市、室蘭市、函館市、帯広市などの都市部に定着してもおかしくないという研究があります。
温暖化により、冬が暖かくなることもリスクとなります。卵、幼虫、成虫で越冬する蚊の冬季死亡率が低下し、蚊が増えやすくなる可能性があります。例えば都市部で雨水マスが冬季に凍結することが減ると考えられますが、幼虫が越冬しやすくなります。
また、日本国内のデング熱の媒介蚊はヒトスジシマカですが、東南アジアではネッタイシマカが多いです。ネッタイシマカは熱帯・亜熱帯地域に分布しますが、台湾にも生息していて、今後温暖化により日本に北上してくることも考えられます」(山口先生)
蚊の発生を抑え、刺されるリスクを減らす
私たちにできることはあるのでしょうか。
「2015年に厚生労働省から『蚊媒介感染症に関する特定感染症予防指針』が示されたほか、行政では幼虫対策として幼虫調査や発生源対策、国内感染発生時の成虫駆除の備えなどが進められています。
極端に神経質になる必要はありませんが、個人でもできることはあります。
まず、幼虫が殖(ふ)える水溜まりを減らすため古タイヤや植木鉢の受け皿などに注意する、庭木の剪定(せんてい)や下草刈りなど蚊を寄せない環境作りです。実際に1943年のデング熱流行では、防空法により各家に備えられていた防火水槽に蚊が多数発生していたという報告があります。
暑さ対策としてクールビズなど軽装が一般化していますが、半ズボン、半袖など肌を露出した服装での活動が増えれば、蚊に刺さされやすくなります。虫除け剤や蚊取り線香など適切に使用しましょう。
感染症の流行地への渡航の際は、必要なワクチン接種や蚊に刺されない工夫をして、もしも帰国後に異常があればすみやかに医療機関を受診しましょう」(山口先生)
蚊についての正しい知識を得て、生活のなかで対策していくことが大切ですね。
今日・明日〜2週間先までの週間天気予報今日・明日〜2週間先までの週間天気予報
「2015年に厚生労働省から『蚊媒介感染症に関する特定感染症予防指針』が示されたほか、行政では幼虫対策として幼虫調査や発生源対策、国内感染発生時の成虫駆除の備えなどが進められています。
極端に神経質になる必要はありませんが、個人でもできることはあります。
まず、幼虫が殖(ふ)える水溜まりを減らすため古タイヤや植木鉢の受け皿などに注意する、庭木の剪定(せんてい)や下草刈りなど蚊を寄せない環境作りです。実際に1943年のデング熱流行では、防空法により各家に備えられていた防火水槽に蚊が多数発生していたという報告があります。
暑さ対策としてクールビズなど軽装が一般化していますが、半ズボン、半袖など肌を露出した服装での活動が増えれば、蚊に刺さされやすくなります。虫除け剤や蚊取り線香など適切に使用しましょう。
感染症の流行地への渡航の際は、必要なワクチン接種や蚊に刺されない工夫をして、もしも帰国後に異常があればすみやかに医療機関を受診しましょう」(山口先生)
蚊についての正しい知識を得て、生活のなかで対策していくことが大切ですね。
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ウェザーニュースでは、気象情報会社の立場から地球温暖化対策に取り組むとともに、さまざまな情報をわかりやすく解説し、皆さんと一緒に地球の未来を考えていきます。
特集 ウェザーニュースと考える地球の未来
お天気ニュース記事一覧お天気ニュース 記事一覧
参考資料
国立感染症研究所「病原微生物検出情報Vol.45 No.8(No.534)」、東京都感染症情報センター「蚊媒介感染症」、環境省「地球温暖化と感染症-いま、何がわかっているのか」、文部科学省「日本の気候変動2025概要版」、厚生労働省検疫所 FORTH「デング熱(Dengue Fever)」
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