将来、米の収量への影響は!? 温暖化でイネカメムシが増加?
イネカメムシ増加で米に被害!?
カメムシというと洗濯物や手などに臭いがついて、不快な思いをしたことがあるかもしれません。カメムシの仲間は日本には約1,300種以上生息しているといわれていますが、色や形、サイズ、エサなども様々です。そのなかで、果樹カメムシ類が果実類、斑点米カメムシ類が農業に被害をもたらす原因となっています。
「イネカメムシは、イネに被害をもたらす斑点米カメムシ類の1種で、茶褐色の体長12〜13mmと比較的大型です。
イネカメムシは雑木林などで、成虫で越冬し、イネの穂が実り始める頃に飛来して、籾(もみ)の汁を吸います。汁を吸われた籾は、不稔(ふねん)といってイネが実らなくなったり(収量減少)、籾に黒点ができる斑点米など、深刻な被害をもたらす原因になっているのです」(石島さん)
近年、イネカメムシが増加してきているといいます。
「イネカメムシは、イネに被害をもたらす斑点米カメムシ類の1種で、茶褐色の体長12〜13mmと比較的大型です。
イネカメムシは雑木林などで、成虫で越冬し、イネの穂が実り始める頃に飛来して、籾(もみ)の汁を吸います。汁を吸われた籾は、不稔(ふねん)といってイネが実らなくなったり(収量減少)、籾に黒点ができる斑点米など、深刻な被害をもたらす原因になっているのです」(石島さん)
近年、イネカメムシが増加してきているといいます。
農業の変化、温暖化で好条件に
なぜ、イネカメムシが増えているのでしょうか。
「1つには、イネカメムシの増殖に適した環境が増えたことがあります。
近年の担い手不足などによって経営体が大規模化したことや、飼料用米などのようにコメに対する需要が多様化したことによって、作期が分散しました。
そのことにより、イネカメムシの生息時期に、イネカメムシが好む、出たての穂がどこかの水田に常に存在する状態になったのです」(石島さん)
さらに見逃せないのが、温暖化により高温傾向となっていることです。
「害虫は生育適温が25℃ぐらいのものが多いのですが、イネカメムシの生育適温は28℃程度と高く、その温度あたりで発育速度が早くなり、羽化率も高くなることがわかっています。そのことから、温暖化により生育に有利な温度環境になっていることが考えられます」(石島さん)
「1つには、イネカメムシの増殖に適した環境が増えたことがあります。
近年の担い手不足などによって経営体が大規模化したことや、飼料用米などのようにコメに対する需要が多様化したことによって、作期が分散しました。
そのことにより、イネカメムシの生息時期に、イネカメムシが好む、出たての穂がどこかの水田に常に存在する状態になったのです」(石島さん)
さらに見逃せないのが、温暖化により高温傾向となっていることです。
「害虫は生育適温が25℃ぐらいのものが多いのですが、イネカメムシの生育適温は28℃程度と高く、その温度あたりで発育速度が早くなり、羽化率も高くなることがわかっています。そのことから、温暖化により生育に有利な温度環境になっていることが考えられます」(石島さん)
将来、日本の米は大丈夫?
このまま温暖化が進むと、イネカメムシは今後も増え続けていくのでしょうか。
「イネカメムシを含む斑点米カメムシ類の個体数が増えたり、分布が広まったりする可能性はあります。
一方で、農林水産省や各都道府県などの関係者の尽力によって、現在ではイネカメムシを含む斑点米カメムシ類の存在が広く知れ渡っています。
被害を防ぐには、イネカメムシの成虫がつきやすい『出穂期』、斑点米の被害となりやすい『出穂期から1~2週間後』のタイミングにおいて殺虫剤を散布します。対策を行っている地域では、被害が食い止められているという報告が多くなってきています。
今後、局地的な被害が出ることはあるかと思いますが、地域全体で大きな被害が出るという可能性は低いのではないかと思います」(石島さん)
日本の主要作物であり、食文化の中心にある米ですが、様々なことからバランスが崩れる可能性があるのだと改めて感じます。
ウェザーニュースでは、気象情報会社の立場から地球温暖化対策に取り組むとともに、さまざまな情報をわかりやすく解説し、みなさんと一緒に地球の未来を考えていきます。まずは気候変動について知るところから、一緒に取り組んでいきましょう。
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【気候変動特集】ウェザーニュースと考える地球の未来
取材協力
農研機構 中日本農業研究センター
「イネカメムシを含む斑点米カメムシ類の個体数が増えたり、分布が広まったりする可能性はあります。
一方で、農林水産省や各都道府県などの関係者の尽力によって、現在ではイネカメムシを含む斑点米カメムシ類の存在が広く知れ渡っています。
被害を防ぐには、イネカメムシの成虫がつきやすい『出穂期』、斑点米の被害となりやすい『出穂期から1~2週間後』のタイミングにおいて殺虫剤を散布します。対策を行っている地域では、被害が食い止められているという報告が多くなってきています。
今後、局地的な被害が出ることはあるかと思いますが、地域全体で大きな被害が出るという可能性は低いのではないかと思います」(石島さん)
日本の主要作物であり、食文化の中心にある米ですが、様々なことからバランスが崩れる可能性があるのだと改めて感じます。
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