桜の健康診断結果 昨年よりはわずかに改善も優良ランクに届かず

2025-06-12 17:54 ウェザーニュース

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ウェザーニュースでは毎年、美しい姿で私たちを楽しませてくれる桜を見守り、桜を大切にする気持ちを広く育むことを目的として「桜の健康診断」を実施しています。

ウェザーニュースアプリのユーザーに6つの調査項目に回答してもらいました。その結果から健康度を指数化し「優良(+)」から「生育不良(-)」の12段階で判定しています。

2013年からの全国平均の桜の健康度は、年々悪化傾向ではありますが、2025年は2024年より0.02ポイント改善し2022年以降でみると健康度が良い状態でした。
◆「桜の健康診断」の概要
・エリア:46都道府県(沖縄除く)
・調査期間:2/13~6/1
・参加人数:7,316人
・質問項目:6つ(「日当たり」、「樹形」、「花の咲き方」、「幹の状態」、「樹皮の状態」、「花数」)

桜の健康度 全国平均

桜の健康度
ランクごとの全国の桜の健康度は、傾向としては大きな変動はありませんでした。

ランクごとに見ると、2024年と比べて優良(+)が1ポイント増加、正常(+)と正常のランクが1ポイント減少しました。

都道府県ごとの桜の健康度の平均値

※報告が一定数に満たないエリアは灰色で表示しています。

都道府県ごとに健康度を12段階評価の平均値でみると、2024年は鳥取県で「優良」ランクでしたが、2025年は「優良」ランクのところはありませんでした。全国的に優良(-)か正常(+)のランクになっています。

1.「日当たり」に注目

日あたりについて、「一日中よくあたる」「半日以上あたる」「半日もあたらない」「ほとんどあたらない」の4項目から選択してもらいました。


集計の結果、最も割合の高かった「一日中よくあたる」の割合は、2024年より2ポイント増えて62%でした。「ほとんどあたらない」の割合は、長い目で見ると増加傾向です。

2.「樹形」に注目

樹形(樹の立ち姿)について、「自然樹形を保っている」「自然樹形に近い」「樹形が崩れてきている」「自然樹形がほとんど崩れている」の4項目から選択してもらいました。

2013 年からの長い目で見ると「自然樹形を保っている」の割合は減少傾向、「樹形が崩れてきている」の割合が増加傾向となっています。2025年は「樹形が崩れてきている」の割合が12%と、今まで一番多くなりました。

3.「花の咲き方」に注目

花の咲き方について、「木全体にまんべんなく花が咲いている」「所々咲いていない枝がある」「特に上部に咲いていない」の3項目から選択してもらいました。

「木全体にまんべんなく花が咲いている」 という回答の割合が昨年より2ポイント減少し、「所々咲いていない枝がある」の割合が昨年より3ポイント増加しました。

4.「幹の状態」に注目

幹の状態について、「穴や切られたアト、窪みは無い」「穴や切られたアト、窪みなどが少しある」「穴や切られたアト、窪みなどがかなり目立ち、もしくはキノコが生えている」「大きく切られたり、もしくはキノコが生えている」の4項目から選択してもらいました。

集計の結果、穴や切られたアト、窪み、キノコなどがある不健康な状態の回答が10年続けて5割を超えています。

健康そうに見える幹でも、キノコが生えているものは中が腐っている可能性があり、専門家による診断が必要になります。

5.「樹皮の状態」に注目

樹皮の状態について、「生き生きしていて光沢がある/盛り上がるような部分があり、縦に割れている」「傷などほとんどない」「苔などが残っていたり、樹皮がはがれてカサカサしている」「苔に覆われた部分が多い。または、樹皮の損傷が激しい」の4項目から選択してもらいました。

集計の結果、「生き生きしていて光沢がある/盛り上がるような部分があり、縦に割れている」の割合が去年より2ポイント減り、過去最も低い割合となりました。また、「苔などが残っていたり、樹皮がはがれてカサカサしている」の割合が過去最も多くなりました。

苔はあまり害にならないといわれますが、樹皮がはがれてカサカサしていたり損傷が激しい場合、土の中の通気性が悪く、桜の生長が止まっている可能性があります。

6.「花数」に注目

一つのつぼみについている花の数について、「5個以上」「3~4個」「2個」「1個」の4項目から選択してもらいました。

集計の結果、2024年は「1個」の割合が過去最多を記録していましたが、2025年は少し改善されていたようです。

樹木医 和田博幸さんは結果をどうみる

「全般的には樹勢が衰退傾向にあるようです。見続けている桜が徐々に樹齢を重ねていくので、加齢現象が現れていると思われます。

「樹形」の悪化に関しては、年々、夏の暑さが厳しい日が増え、枝枯れを起こしている事象が見られます。「花の咲き方」も同様の理由です。「幹の状態」は樹勢と関係があり、長い目で見た時に衰退傾向と連動していると考えられます。

そういった状況の中で花数だけが改善されているのが救いです。花数は根に近い枝の花を数えているので、全体の枝の中でも根からの水や養分の供給が行き届きやすいことが影響していそうです。

今年の夏の気温と土の乾燥が気になるところです。調査を継続して、わずかでも生育状況の傾向が見えれば、この活動に大きな意義が生じます。サポーターのみなさまの協力を期待しています。

そして桜の環境悪化に警鐘を発することができたら、と思っています。」(和田さん)

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