三重県南東沖でM5.7の深発地震 震度分布に“異常震域”の特徴

2025-02-26 14:59 ウェザーニュース

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2月26日(水)14時54分頃、三重県南東沖で深発地震がありました。震源の深さは約400km、地震の規模はM5.7と推定されます。この地震では、震央に近い東海地方や近畿地方では震度1以上の揺れが観測されず、少し離れた関東や東北で震度2〜1の揺れが観測されました。

震央を中心とした同心円状ではなく、海溝軸の方向に偏った震度分布は「異常震域」と呼ばれますが、頻度の低い深発地震に特有の現象であり、地震活動そのものは異常ではありません。

なお今回の地震は、南海トラフのプレート境界とは関連がありません。
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深発地震による異常震域とは

深発地震による異常震域の模式図
今回の地震は非常に深い所で発生する「深発地震」と呼ばれるものです。

多くの地震では震央から同心円状に揺れの強い地域が分布しますが、深発地震では沈み込んだプレートに沿って揺れが陸地に伝わり、海溝側にあたる遠方で揺れが大きくなる現象がみられることがあり、これを「異常震域」といいます。
今回の地震は深く沈み込んだ太平洋プレートで発生したとみられます。震源よりも東側にある、太平洋プレートと陸側のプレートが接する日本海溝/伊豆・小笠原海溝の方向に揺れが伝わり、北日本や東日本の太平洋沿岸で揺れが強く現れたかたちです。

オホーツク海や日本海、三重県南東沖から東海道南方沖、鳥島近海などでは同様の深発地震が発生することがしばしばあり、数年に一度M6以上の規模の地震も発生します。1984年1月1日には三重県南東沖でM7.0の地震が発生し、東京都千代田区や横浜市で震度4を観測しました。こうした地震は震源から離れた所で大きな揺れを伴うことがあるため、注意が必要です。

一方で、深発地震は津波を発生させる可能性は小さく、余震も少ないといった特徴があります。
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南海トラフ地震とは別要因

南海トラフ巨大地震はフィリピン海プレートがユーラシアプレートに沈み込む境界付近で発生する地震で、想定される震源の深さは10kmから40km程度とされています。

今回の地震は、震央の位置は南海トラフ地震の想定震源域に近いものの、震源の深さがはるかに深く、メカニズムは南海トラフ巨大地震と異なります。また、地震の規模からも誘発等の可能性は小さいと考えられます。
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