週末の山の天気傾向
紅葉登山は雨への備えを万全に

2025-10-17 17:17 ウェザーニュース

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千畳敷カールや涸沢カールなど標高が高い所ではすでに終わりを迎えつつある紅葉もありますが、上高地の河童橋付近など標高がそれほど高くない山岳部での紅葉は見頃を迎えようとしています。今週末の18日(土)、19日(日)の山の天気傾向をみていきます。

この週末は次第に前線や低気圧の影響を受けるようになります。絶景を楽しむには土曜日の早めの時間がおすすめです。登山前には必ず最新の情報をご確認ください。
ウェザーニュース 山の天気予報

【北海道】土曜は道東の山域で条件よし

北海道の人気ランキングと山頂の天気
■18日(土)
前線を伴った低気圧が北海道を通過します。全道で朝から曇り空となり、道南、道北、道央の山々では、雨が降りやすくなります。道南、道央、道北の山々では、朝は雨が降っていなくても、次第に雨が降り出す予想です。大雪山や利尻山などでは、雪が混じる可能性があります。

羅臼岳、斜里岳、雌阿寒岳など、道東の山域では比較的雨が降りにくく、曇り空が中心となりそうです。

■19日(日)
冬型の気圧配置となり、強い寒気が流れ込みます。道北や道央日本海側の山域を中心に雲がかかりやすく、大雪山などでは吹雪となる恐れがあります。視界不良による道迷いや低体温症のリスクがあり、注意が必要です。

一方、渡島駒ケ岳や恵山、樽前山など道南の山域や、雌阿寒岳や日高山脈の南部など道東太平洋側の山域は晴れ間が期待できます。ただ、標高1000m以上では氷点下となる寒さ。稜線や山頂付近では風も強く、防寒対策は万全に。
山の天気予報(北海道)

【東北】日曜は太平洋側の山域が狙い目

東北の人気ランキングと山頂の天気
■18日(土)
前線を伴った低気圧が日本海を発達しながら東進し、夜には東北地方に達します。北部では一日を通して厚い雲に覆われ、天気は下り坂となります。

秋田県北部や青森県西部では午前中から雨、午後にかけては広範囲で本降りの雨となる予想です。レインウェアやザックカバー等、雨への備えを万全にしてください。

東北南部の山域では、雲が広がりやすいものの、福島県内では午前中は晴れ間の出る山域もあり、概ね登山日和となる見込みです。ただ、夕方には月山や大朝日、飯豊など日本海側の山域を中心に雨が降り始める予想のため、早めの下山がおすすめです。

■19日(日)
冬型の気圧配置となります。日本海側の山域や奥羽山脈では、日本海からの湿った気流の影響で雲がかかりやすく、眺望は期待しづらいでしょう。弱い霧雨の降る所もありそうです。

ただ、午後にかけて冬型は緩むため、回復傾向となる見込みです。なお、早池峰山や五葉山、霊山など、太平洋側の山域では概ね晴れるでしょう。
山の天気予報(東北)

【東日本】土曜日の早い時間帯がおすすめ

北アルプスの人気ランキングと山頂の天気
■18日(土)
はじめは高気圧に覆われますが、次第に前線や低気圧の影響を受けます。関東甲信の山域では、午前を中心に晴れる所が多く、登山日和となります。ただ、箱根や丹沢、南アルプス南部、中央アルプス、富士山周辺のエリアでは雲がやや多くなりそうです。

遅い時間ほど、展望は期待しづらくなります。北アルプスでは、立山室堂や白馬等の北部、後立山や常念山脈、上高地周辺などの東部を中心に午前中は青空が期待できそうです。

ただ、稜線では10m/sを超える強風となるため、注意が必要です。午後になると前線が南下するため、急速に天候が悪化し、夕方以降は暴風雨となるでしょう。早めの下山がおすすめです。また、東海地方では、湿った南寄りの気流の影響で午前中から曇りや霧の山域が多い予想です。

■19日(日)
日本海に高気圧が張り出し、前線が南岸に停滞します。このため、太平洋側では関東南部や東海地方を中心に曇りや霧となり、午後は雨の降る山域が増えてきます。雨への備えが必要です。

日本海側では、湿った北寄りの気流の影響で下層雲がかかり、妙高山の周辺などでは午前を中心に雨が降りやすくなります。ただ、標高2000m以上では雲が届かず、青空がのぞく可能性があります。北アルプスでは、雲が多い天気となりますが、大きな天気の崩れはない見込みです。
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【西日本】雨への備えを万全に

中国エリアの人気ランキングと山頂の天気
■18日(土)
日本海から前線が南下します。このため、天気は下り坂となりそうです。九州や中国地方の山域では、朝のうち晴れ間の出る所もありますが、昼前後から雨の降る所が多くなる見込みです。早めの下山がおすすめです。

四国や近畿地方中部の山域では、午後は曇りや霧の所が増えてくるものの、昼過ぎにかけては大きな天気の崩れはなく経過する見込みです。ただし、夕方になると雨の降りだす所もあるため、こちらも早めの下山がおすすめです。

■19日(日)
前線が南岸に停滞します。全般に雲が広がり、太平洋側を中心に雨の降りやすい天気となりそうです。全般に雨への備えが必要で、午後は九州や四国で本降りの雨となる可能性があります。

また、大山や蒜山、氷ノ山では、一日を通して湿った北東風の影響で雨が降ったり止んだりとなる見込みです。視界不良にも注意が必要です。
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山での天気急変のサイン

山の天気は変わりやすく晴れている日も安心できません。登山中に次のような変化を感じたら、速やかに下山や待避の用意をしてください。

・急に涼しい風が吹き始める
・雷鳴が聞こえ始める
・モクモクとした黒い雲が近づいてくる
・沢の水かさが急に増えたり濁ってくる

落雷や急な増水で命の危険と直面することもあるため、これらを頭に入れておくことは必須です。

登山に行く際に

<情報の確認>
山へ行く前日までだけでなく、当日の朝にも必ず最新の天気予報を確認するようにしてください。その際、「大気の状態が不安定」、「山沿いを中心に天気急変に注意」などが聞かれたら、中止・延期をする判断も必要です。

<出発時間>
雷は午後に多くなるため、なるべく朝早くに出発し、山頂へは昼前までに到着できるように計画して出発するのが基本です。

<雷への対処>
避難する場所が少ない山では、両足を揃えて膝を折り、上半身は前かがみで耳を塞ぐという姿勢で雷雨の通過を待つのが正しい対処法となります。木の根元で雨宿りをするのは危険です。

<雨・寒さ対策>
急な雨に見舞われ、衣服が濡れてしまうと、体感温度が一気に下がり低体温症になる危険性があります。レインコートなどの雨具やエマージェンシーシートを持参し、濡れても乾きやすい服を着ていくようにしてください。

登山を楽しむためには、山の気象リスクを把握することも大切ですが、自分の体力・技術などに見合った山を選び、しっかりと登山計画を立てるのが重要です。
写真:ウェザーリポート(ウェザーニュースアプリからの投稿)
虹川たま子🐣さん
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