いまも地球のために活動中! 日本の南極地域観測隊って何をしているの?

2026-02-04 05:00 ウェザーニュース

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1月末は日本列島に寒波が襲来し、日本海側では大雪に見舞われる地域も発生しています。一方、南半球にある南極大陸リュツォ・ホルム湾東岸の昭和基地では夏を迎えています。

現在、南極地域では第67次南極地域観測隊が活動中です。日本からおよそ14,000kmも離れ、時に数メートル先も見えなくなるようなブリザードが吹き荒れる地で、70年以上にわたって活動を続ける目的は何なのでしょうか。

日本の南極観測について

人類が南極大陸を発見したのは1820年のこと。日本人で初めて南極に足を踏み入れたのは、1912年の白瀬矗(しらせのぶ)が率いる南極探検隊です。

「この南極大陸上陸は日本の南極観測のルーツといえますが、白瀬らの情熱により行われたものでした。1955年の閣議決定以降は国の事業として実施されるようになり、1956年に出発した第1次観測隊により翌年1月に昭和基地が開設されました。
以降、日本の南極観測は昭和基地のある東南極を主なフィールドに、1968年の南極点の到達、1982年のオゾンホールの発見、さらには新たな地球惑星科学を拓いた大量の南極隕石の採集や氷床深層コアの掘削など、これまで貴重な観測・研究が行われてきました。現在は67次隊が活動中です」(国立極地研究所広報室・熊谷宏靖さん)

南極大陸は約1400万km2、オーストラリア大陸のおおよそ2倍にあたります。この広大な大陸を覆っているのが巨大な氷床です。
南極にある日本の観測拠点(資料提供/国立極地研究所)
「地球上に存在する氷の約89%が南極氷床とされています。これは溶けたときに世界の海水面が約60mも上昇するほどです。

近年は南大洋(南極海) の水温上昇により、西南極氷床融解(にしなんきょくひょうしょうゆうかい)が報告されるようになっていますが、これは決して“遠いところの出来事”といえるものではありません。

南極大陸の氷床の変化は、北極の雪氷とともに、大気・海洋循環などを通じて、地球全体の気候システムに重要な影響をもたらすものと考えられるからです。

地球規模の気候変動が進むなか、観測データに基づいた現在の状態と変化、過去の変動記録などの解明がますます重要となっています」(熊谷さん)

南極地域観測6か年計画

2018年に完成した昭和基地の基本観測棟(資料提供/国立極地研究所)
日本の南極観測は、現在6か年計画に従って実施されています。

「中期計画は、1976年度以降のⅠ期からⅥ期までは5か年ごと、2006年からのⅦ期が4か年計画、2010年以降は6か年計画で研究観測が実施されています。

現在は、2022~2028年度の『第Ⅹ期6か年計画』です。観測は、地上の気温や風などの気象観測や南極海の水温・塩分・海流などの『定常観測』、オーロラ活動や地磁気、地震等の『モニタリング観測』のほか、重点研究観測として『過去と現在の南極から探る将来の地球環境システム』がメインテーマとして実施されています。
サブテーマとしては、『最古級のアイスコア採取を軸とした古環境研究観測から探る南極氷床と全球環境の変動』、『氷床―海氷―海洋結合システムの統合研究観測から探る東南極氷床融解メカニズムと物質循環変動』、『大型大気レーダーを中心とした観測展開から探る大気大循環変動と宇宙の影響』の3つです」(熊谷さん)

例えば、『氷床〜東南極氷床融解メカニズムと物質循環変動』では、南極観測船『しらせ』等も使って、水温・塩分流速観測、海氷コアの採取などが実施されています。

「『東南極氷床(ひがしなんきょくひょうしょう)』は、地球上で最も大きい氷床とされ、西南極の7倍もの体積をもつとされています。東南極の温暖化についてはまだ明瞭になってはいませんが、兆候も現れてきています。

南極氷床や南大洋から実測データを取得することで、東南極の変化をいち早く検出し、氷床・海氷・海洋の相互作用やメカニズムを明らかにすることが必要です」(熊谷さん)
70年の長きにわたって行われてきた日本の南極観測ですが、今後もますます必要性は高まっていくといいます。

「近年は、これまで比較的安定していると考えられてきた南極氷床でも、西南極などで融解報告が相次いでいます。地球規模の気候変動が日常になりつつある今日、南極における精緻な観測・研究の重要性は増しています。

南極は過酷な自然環境のために観測1つをとっても困難を伴います。ほかの地域と比べて圧倒的に観測データが少なく、 “地球上に残された空白域”ともいえるところです。しかし、謎が多いぶん南極での研究が人類や地球の未来に大きく貢献するみられています」(熊谷さん)

現在行われている最新の南極観測についても、今後、詳しく取り上げる予定です。

ウェザーニュースでは、気象情報会社の立場から地球温暖化対策に取り組むとともに、さまざまな情報をわかりやすく解説し、皆さんと一緒に地球の未来を考えていきます。

【気候変動特集】ウェザーニュースと考える地球の未来
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