軒並み高値の魚介類、上手に買うには? 市場のプロに聞く、年末年始の価格動向

2025-12-25 05:30 ウェザーニュース

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年末年始になるとマグロ、ブリ、カニ、イクラなどの価格の話がメディアを賑わせます。お正月はいつもより少しリッチなシーフードのごちそうを、と考えている方も少なくないと思います。

ウェザーニュースで「年末年始にカニやマグロなどの魚介類を食べる頻度」についてアンケート調査を実施したところ、「いつもと変わらない」という人が最も多く、全体の62%を占めました( 期間:2025年12月19日〜20日、集計対象:9,796件)。

一方で、「(いつもより)増える」と回答した人は31%で、「(いつもより)減る」(7%)と回答した人を大きく上回る結果に。「増える」と回答した人の中には、「日本酒など年末年始の飲酒に合わせて、刺身を食べたくなる」という声もありました。

そこで、年末年始の魚介類の入荷状況や価格の予想を、船橋地方卸売市場の株式会社ヤマスエ水産取締役・内海貴久さん、まぐろ金辰商店の取締役・金子俊輔さんに聞きました。

本マグロとメバチ、キハダなどの価格差減少か

今年の年末はマグロの入荷量に変化はなさそうです。

「生なら青森県あたりの本マグロで、通常の時期でも生本マグロは高値ですが、年末年始にはさらに値が上がります。ただ、いっときの本マグロ『バブル』が落ち着いてきているので、極端には上がらないでしょう」(金子さん)
マグロも年末年始に需要が高まる
「一方で、比較的お手軽な冷凍もののメバチマグロやキハダマグロの値段が上がっているのが目立っています。年末にかけて供給量が不足傾向にあることに加え、円安のため輸入物の単価が上がっていることなどが原因のようです。

マグロは脂ののりが少ないと、皮の直前まで赤身になりますが、そうした冷凍ものの赤身ですら高値がついています。

メバチなどのお手軽なマグロの値上がり幅が、本マグロの値上がりより大きいため、値段の差が若干縮まっています。そうなると少し奮発して本マグロを買った方がお得感があるかもしれません」(金子さん)

寒ブリ、カキの入荷薄

寒ブリ名所、氷見産の寒ブリ(写真/時事)
マグロ以外の魚介類はどうでしょうか。

「海水温の影響なのかわかりませんが、例年なら今の時季、北海道から入ってくる天然の寒ブリがほとんど入荷してきません。こんな状況は初めてです。

これから日本海側の富山、石川あたりからの入荷があるのかもしれませんが、供給不足で高値で取引されているようです。これから美味しくなるので、入荷に期待しています。
カキも今年は海水温の上昇、塩分濃度の変化などで広島産のカキが壊滅的打撃を受けています。今は兵庫産が入ってきていますが、全体的に小ぶりです。広島産の入荷が少ないために品薄で割高になっています。

同じく貝類では、海外への輸出が増加していて近年高値傾向だったホタテが今年も高いです。特に今年は漁獲量も減っているので、かなり高くなっています。海鮮丼を提供する店ではホタテに似たイタヤ貝を代わりに使っている店舗もあるようです。

年末年始に特に人気の高いタラバガニは、ロシア産の輸入量が激減しているために、値段が上がっています。またズワイガニも品質の良いものは入手が難しく、高値で取引されています。もしカニ鍋などで食べるなら、『生(加熱用)』がより安く済むでしょう。

ただ、今年はズワイガニでもブランドもののオスの松葉ガニが豊漁です。例年よりも値段が下がっているので、こちらはいつもよりはお得感があるかもしれません。

イクラやカズノコなどの魚卵系も非常に高くなっています。イクラは去年と比べ2倍以上の高値になっているなど、年末年始に食卓を彩る魚介類が軒並み厳しい状況です。

今年は為替の影響と運送にかかる経費などがすべて上昇していること、いつも通りに漁獲量が伸びていないものがあることのダブルパンチで高値となっています。

ただ養殖物のフグは、去年と比較すると安値傾向で、今年は落ち着いています。値上がりする魚介類が多いなかで、おすすめの魚と言えるでしょう」(内海さん)

手が出やすいもので代用もありか

魚介類を求めて、年末多くの買い物客で賑わうアメ横(写真/時事)
定番の魚介類ではなくても美味しい魚介類があるそうです。

「もちろんブリやカニ、イクラは年末年始の定番ですが、特に今年は高値になっているので、今の時季に旬を迎えた他の魚で代用するという選択も良いのではないでしょうか。

例えば、白身魚の代表として真っ白な身が美しいヒラメ、カレイが豊富に入荷しています。刺身にしてよし、煮魚にしてよしで上品な脂ものってきています。

またズワイガニは高いですが、ベニズワイガニならお手頃です。ベニズワイガニは確かにズワイガニに比べれば風味は落ちますが、鍋料理などにすればおいしくいただけますし、良いだしがでます。

イクラも鮭であれば高いですが、マスの筋子であればお求め安くなっています。視野を広げればまだまだ旬のおいしい魚介類がたくさんあるので、ぜひ吟味してみてください」(内海さん)

年末年始は魚介類の豪華な食卓を囲みたくなりますね。じっくり吟味しておいしい魚介類をいただきましょう。
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