快眠できるはずの秋に、朝ぐったりの原因は？ どうしても寝つけないときの対処法

秋は1年のなかでも過ごしやすい季節、ぐっすり眠れているはずなのに、朝起きるとぐったりしているということはないでしょうか。あるいは午前中は仕事や勉強のパフォーマンスが上がらなかったり、昼食の後に眠くなったりというのも困ります。

「秋は比較的眠りやすい季節ですが、上手に眠れていない人も多くいます。理由はいくつかありますが、1つは夏の生活リズムを引きずってしまっていること。

秋は日が昇ってから沈むまでの時間は夏に比べ短くなっています。人の睡眠時間も季節によって変化するもので、秋は夏より長めになります。ところが、夏の生活リズムを引きずってしまい、睡眠時間が短めになる傾向が強くなるのです」(友野先生)

秋の夜長はついスマホゲームや動画鑑賞、読書などに時間を忘れるのも問題だといいます。

「過ごしやすい気候なので遅い時間まで活動して、就寝時間が遅れがちになってはいないでしょうか。

そのほか、睡眠環境の問題もあります。1日の寒暖差が大きく、また急に肌寒くなることもある時季なので、寝具や部屋の環境などの調整が必要です。

人は約7時間の睡眠時間を必要としていますが、秋の夜長だからこその理由から、身体が十分休めていないために起床時にぐったりするのです。

季節の変わり目は自律神経が乱れ、体調を崩しがちです。睡眠不足だと心身ともにダメージを受けやすくなってしまいます」(友野先生)

よい目覚めが得られるには、どうしたらよいのでしょうか。

「睡眠の質を改善するためには、まず寝つきをよくすることです。自分なりの入眠儀式をもつことをおすすめします。

編み物などリラックスできる趣味や軽いストレッチや運動など、いつも眠る前に決まった行動をすることで『これから眠る』と脳に意識させるのです。

ただし、あまり激しく体を動かすのは神経が冴えてしまいます。また、寝酒は睡眠中にアルコール分解がされるため、眠りが浅くなるのでよくありません」(友野先生)

おすすめのいくつかの入眠儀式を教えていただきましょう。

「好きな音楽を聞く」「お気に入りの温かい飲み物を飲む」など、数分でもいいので寝る前に自分の好きなことをする時間を持つことで、心が穏やかになり、眠りやすい状態が作られる。

10分弱で読み切れるくらいの優しいストーリーのものなどがおすすめ。

あぐらをかいて1度大きく伸びをしてから、だらんと力を抜く。目を軽く閉じて息をゆっくり吐き、吐ききったらゆっくり吸う。5〜10分息に集中して、最後に伸びをして終わり。

いすやベッドに腰掛けて、手足をぶらぶらさせる。顔、手足に力を入れて5秒キープし、全身をゆるめて5秒キープ。

部屋を整え睡眠の準備を十分しても、時には眠れなくなってしまうことがあるものです。

「ベッドに入って30分も眠れないときは、無理に寝ようとするのを止めましょう。あまり『眠ろう、眠ろう』と頑張ると、脳がベッドを“眠れない場所”として認識してしまいます。

『一晩くらい眠れなくても大丈夫！』と開き直って、眠れない焦りから解放してあげることが大切です。

そういう時は、一旦ベッドから出て、リビングなど“眠る場所”ではないところで、眠くなるまで過ごしましょう。

このとき、脳を興奮させるような行動を取らないことが大切です。照明は明るくしすぎず、TVやスマートフォンの操作は光の刺激があるので避けます。仕事の考えごとやラジオを聴くのも止めます。

編み物や軽いストレッチ、洗濯物をたたむといった、なるべく頭を使わない単純作業をすることで、脳がリラックスして眠りやすくなります。眠気を感じたら、再びベッドに戻って眠りましょう」(友野先生)

秋から冬にかけては感染症も流行ってきます。体調を崩さないようにするためにも、ぐっすり眠れる“環境”を整えましょう。

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