週刊地震情報 2025.10.5
東北沖で震度3以上相次ぐ　フィリピンの地震では大きな被害

10月5日(日)0時21分頃、福島県沖を震源とするマグニチュード5.7、深さ約50kmと推定される地震が発生しました。

この地震で福島県双葉町で最大震度4、福島県いわき市、郡山市、白河市、田村市、宮城県名取市、石巻市、登米市、茨城県日立市、笠間市、栃木県大田原市、千葉県印西市などで震度3を観測しています。

福島県沖を震源とする最大震度4以上の地震は約7か月ぶりです。地震のメカニズムは北西ー南東方向に圧力軸を持つ逆断層型と解析されています。

また、3日(金)15時20分には福島県沖を震源とするマグニチュード4.4、深さ55kmと推定される地震が発生し、福島県田村市と葛尾村で最大震度3を観測。

さらに1日(水)23時50分頃、宮城県沖を震源とするマグニチュード4.6、深さ59kmと推定される地震が発生するなど、東北の太平洋沿岸で震度3以上の地震が相次ぎました。

10月3日(金)12時37分頃、千葉県南東沖を震源とするマグニチュード4.2、深さ60kmと推定される地震が発生しました。この地震で千葉県市原市、館山市、木更津市、鴨川市、東京都千代田区などで震度2の揺れを観測しています。

そのわずか11分後の12時48分頃には東京湾を震源とするマグニチュード4.1、深さ112kmと推定される地震が発生し、東京都町田市と千葉県市川市、白井市で最大震度2を観測しました。

短い間隔で起きた地震ではありますが、震源の位置や深さは大きく違っていて、直接的に関連する地震ではありません。

関東の地下では太平洋プレート、フィリプン海プレートと陸のプレートが関与することで複雑な構造をしています。このため様々な深さに地震の起きやすい領域が分布し、多くの地震を発生させます。

アメリカ地質調査所の解析によるマグニチュード6以上の地震は4回発生しています。最も大きな地震は、フィリピンで発生したマグニチュード6.9です。

日本時間9月30日(火)夜、フィリピン・セブ島北部の近海を震源とするマグニチュード6.9、深さ約10kmと推定されるの地震が発生しました。地震のメカニズムは横ずれ型と解析されています。

震源が浅かったことから震央周辺では改正メルカリ震度階級でIXの強い揺れに見舞われました。厳密な比較はできないものの、日本の気象庁震度階級に換算すると震度6弱〜震度6強程度に相当する揺れです。セブ島を中心に多数の建物が倒壊し、70人以上の方が亡くなりました。

フィリピンはフィリピン海プレートとユーラシアプレートの境界付近に位置し、規模の大きな地震が多い地域です。今回の地震はいわゆる「プレート境界型の巨大地震」ではなく、プレートが沈み込む力で陸域のプレートの破壊が起きる「直下型地震」と考えられます。

阪神・淡路大震災を引き起こした兵庫県南部地震と似たようなタイプの地震です。最近では2020年に今回の震源のやや北の領域でマグニチュード6.6の地震がありました。

日本時間の4日(土)の時点でもマグニチュード4〜5程度の余震が頻発していて、地震の多い状況はしばらく続くとみられます。

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出典・参考
※日本国内の震源･震度の情報は特に記載が無ければ気象庁より。海外の震源情報は特に記載が無ければアメリカ地質調査所(USGS)より。発表機関により震源情報に差が生じることがあります。