冷蔵庫だと低温障害に？ 野菜室はOK？ ナスのおすすめ保存方法

茄子紺（なすこん）色といわれる濃い紫色のものが一般的ですが、地域によって形も違い、色も食べ方も異なるさまざまな品種があることでも知られています。

ナスは大体4～5本程度の袋入りが多いのですが、使いきれないことも少なくありません。そんなときの上手なナスの保存法を野菜ソムリエプロの吉田謹子さんに伺いました。

ナスはもともとインド東部から熱帯が原産地と言われています。

「日本へは奈良時代ごろに伝わったとされ、古くから日本人に親しまれてきた野菜です。

原産地が熱帯だけに寒さに弱く、10℃以下の状態で長時間置かれると低温障害が起こります。これは低温により細胞膜が壊れて水分保持ができなくなることが原因で、皮にツヤがなくなり、押すと柔らかく感じられ、水分が抜けてスポンジのようになってしまいます。そうなると味が極端に落ちるので、保存する際には注意が必要です」（吉田さん）

ナスが余ってしまったときなどは、どのように保存すればよいでしょうか。

「ナスは、10～15℃ぐらいが保存に最適な温度とされているので、気温が下がる秋や冬は常温で保存できますが、この時季は冷蔵庫がいいでしょう。

しかし、冷蔵室や野菜室でもナスにとっては、やや低温の状態です。そのため、保存するには新聞紙やキッチンペーパーで2～3本ずつくるんでからチャック付きの保存袋などに入れて野菜室に入れてください。

くるむことによって直接、冷気が当たることもなく、乾燥も防ぐことができます。これで5日程度は保存が効きます」（吉田さん）

冷蔵庫で保存する以外にもおすすめの保存法があるそうです。

「今の時季の強烈な陽ざしを利用して天日干しして完全に乾燥させれば半年程度は保存が効きますし、コンパクトにもなります。

5mm～1cmぐらいの厚みに切ったナスをザルなどに並べ、日当たりの良いところに置くと、1～2日で簡単に乾燥させることができます。乾燥したら、保存袋などに入れて冷蔵庫で保存してください。

使うときは水で戻してもよいですし、味噌汁の具などにはそのまま入れて使うことができます。干すと食感が変わり、生とはまた違った味わいになります」（吉田さん）

「また、冷凍保存することもできます。料理にすぐ使えるサイズに切って、水に10分程度浸けてアクを抜いてから、水気を切ってチャック付き保存袋に入れて冷凍します。これで1ヵ月ほど保存することができます。

使うときは解凍せずにそのまま炒めたり、煮たりすることができます。用意しておくと便利です」（吉田さん）

ナスには余分な塩分や水分を体外に排出し、高血圧予防やむくみの解消が期待できるカリウムが含まれています。また茄子紺色の皮にはポリフェノールの一種であるナスニンが含まれ、強力な抗酸化作用があるとも言われています。

意外に思うかもしれませんが、ナスの栄養効果は十分です。おいしくいただいて暑さに負けないようにしましょう。
GPS検索 ピンポイント2週間天気予報ピンポイント2週間天気予報
お天気ニュース記事一覧お天気ニュース 記事一覧