花火の撮影方法
スマホで綺麗に撮るコツは?
スマホでの撮影が難しいワケ
スマホで撮影した画像を確認すると、ピントがボケたり露出が合わなかったり、花火が開いた瞬間を写したつもりが小さな光の点だけに見えたりと、なかなかキレイに撮れていません。スマホだとなぜ、うまくいかないのでしょうか。
「スマホは一眼レフに比べて、カメラの心臓部にあたる『センサー』の容量が小さいことが影響しています。取り込むことのできる光の量が少ないと、露出がオーバーになりがちで、白飛びしやすくなってしまうのです。
もう一つの大きな原因が、シャッタースピードです。一般的に私たちが花火を肉眼でみるときは、開いてから消えるまでの一連の流れを捉えています。一般的に尺玉などは消えるまでに8〜10秒ほどなので、撮影するときもそれぐらいシャッターを長く開けたほうが肉眼に近いイメージでキレイに撮れます。
最近はシャッタースピードを選べる機種も出てきましたが、一般的なスマホのカメラはシャッタースピードが選べないので、花火の撮影が難しくなるのです」(金武さん)
もう一つの大きな原因が、シャッタースピードです。一般的に私たちが花火を肉眼でみるときは、開いてから消えるまでの一連の流れを捉えています。一般的に尺玉などは消えるまでに8〜10秒ほどなので、撮影するときもそれぐらいシャッターを長く開けたほうが肉眼に近いイメージでキレイに撮れます。
最近はシャッタースピードを選べる機種も出てきましたが、一般的なスマホのカメラはシャッタースピードが選べないので、花火の撮影が難しくなるのです」(金武さん)
撮り方のコツ(1)スマホを固定する
では、スマホで撮るのはあきらめたほうがいいのでしょうか。
「手軽なアイテムを使うか、いくつかのコツを用いたりすることで、弱点はカバーできます。
まず、スマホでの撮影時に一番失敗しやすいのは手ぶれによるものです。手ぶれは主に、スマホを持ったときの手の揺れとシャッターを切るときの画面タッチやボリュームボタンを押す際の振動によって起こります。
これを防ぐために、リモコンシャッターとスマホ用の三脚を用意しておきましょう。どちらもネットショップなどで簡単に入手できるアイテムです。ボリュームボタンがシャッター機能を兼ねているタイプのスマホなら、ボリューム調整が可能なイヤホンのキーをシャッターボタンとして使うことも、本体に触れずにシャッターを切るために有効な手段となります。
三脚でスマホを固定するのが手ぶれ防止に最も有効ですが、三脚を置けない場合のために、三脚のアシの部分が曲げられる素材でできていて、手すりや柱などに巻き付けられるものもあります。それも無理なときは、壁や窓などにスマホを押し付けたり立てかけたりして固定すると、手ぶれは軽減できます」(金武さん)
手持ちの場合にはどうすればいいでしょう。
「自分が三脚になった気持ちで、しっかり脇をしめてスマホを両手で保持します。脇を固定しやすいので、できれば座ったほうが良いでしょう。座っている場合は、体育座りでひざの上にひじをついて持ちます。同伴者がいたらスマホを持つ人とシャッターを切る人に分かれ、リモコンでシャッターを切ります。分業して撮った写真を後で共有するのも、楽しいものです」(金武さん)
「手軽なアイテムを使うか、いくつかのコツを用いたりすることで、弱点はカバーできます。
まず、スマホでの撮影時に一番失敗しやすいのは手ぶれによるものです。手ぶれは主に、スマホを持ったときの手の揺れとシャッターを切るときの画面タッチやボリュームボタンを押す際の振動によって起こります。
これを防ぐために、リモコンシャッターとスマホ用の三脚を用意しておきましょう。どちらもネットショップなどで簡単に入手できるアイテムです。ボリュームボタンがシャッター機能を兼ねているタイプのスマホなら、ボリューム調整が可能なイヤホンのキーをシャッターボタンとして使うことも、本体に触れずにシャッターを切るために有効な手段となります。
三脚でスマホを固定するのが手ぶれ防止に最も有効ですが、三脚を置けない場合のために、三脚のアシの部分が曲げられる素材でできていて、手すりや柱などに巻き付けられるものもあります。それも無理なときは、壁や窓などにスマホを押し付けたり立てかけたりして固定すると、手ぶれは軽減できます」(金武さん)
手持ちの場合にはどうすればいいでしょう。
「自分が三脚になった気持ちで、しっかり脇をしめてスマホを両手で保持します。脇を固定しやすいので、できれば座ったほうが良いでしょう。座っている場合は、体育座りでひざの上にひじをついて持ちます。同伴者がいたらスマホを持つ人とシャッターを切る人に分かれ、リモコンでシャッターを切ります。分業して撮った写真を後で共有するのも、楽しいものです」(金武さん)
撮り方のコツ(2)設定を調整する
花火の撮影に適したスマホのカメラ設定や機能を事前に把握し、準備を済ませておけば、花火大会の会場で貴重なシャッターチャンスを逃すリスクを減らせるといいます。
「まず、周囲が暗くとも『フラッシュ』はオフにしておきます。複数の画像を重ねて調整を行う『HDRモード』は、動きがある花火撮影には向いていませんのでこちらもオフに。
『AE/AFロック』機能がある機種なら有効にしておきます。焦点を合わせたいポイントを画面上で長押しするだけでフォーカスと露出を固定できる機能ですので、打ち上がった花火に合わせてAE(自動露出)とAF(オートフォーカス)をロックしておけば、ピント合わせがより楽で確実になります。
スマホの場合、しばらく触らないと自動ロックされて、せっかく設定を調整しても台無しになってしまうことがあります。それを避けるためにも、花火の撮影中は自動ロックを解除しておくと良いでしょう」(金武さん)
「まず、周囲が暗くとも『フラッシュ』はオフにしておきます。複数の画像を重ねて調整を行う『HDRモード』は、動きがある花火撮影には向いていませんのでこちらもオフに。
『AE/AFロック』機能がある機種なら有効にしておきます。焦点を合わせたいポイントを画面上で長押しするだけでフォーカスと露出を固定できる機能ですので、打ち上がった花火に合わせてAE(自動露出)とAF(オートフォーカス)をロックしておけば、ピント合わせがより楽で確実になります。
スマホの場合、しばらく触らないと自動ロックされて、せっかく設定を調整しても台無しになってしまうことがあります。それを避けるためにも、花火の撮影中は自動ロックを解除しておくと良いでしょう」(金武さん)
シャッタースピードは、撮影する花火にもよりますが、4秒、8秒、10秒程度の遅めに設定してください。スターマインなどの連続で上がる花火は4秒、尺玉などのゆっくり上がる花火は10秒程度が目安です。シャッターを長く開けるので、色飛びすることもあります。もし色飛びする場合は、NDフィルターをレンズ前に取り付けると良いでしょう。持っていない人も多いと思いますが、その場合はサングラスで代用できます。
最後にピントの調節です。最初に打ちあがった花火をAF(オートフォーカス)でピントを合わせて、その後はMF(マニュアルフォーカス)に切り替えて、ピントが変わらないように撮影しましょう。そうすると、シャッターを押すタイミングにより集中できます」(金武さん)
最後にピントの調節です。最初に打ちあがった花火をAF(オートフォーカス)でピントを合わせて、その後はMF(マニュアルフォーカス)に切り替えて、ピントが変わらないように撮影しましょう。そうすると、シャッターを押すタイミングにより集中できます」(金武さん)
撮り方のコツ(3)キレイに撮りやすい花火を狙う
「花火大会の会場で場所を決めるときは、そこが風上か風下か、風向きを調べておきましょう。派手な花火で締めくくりとなるプログラムがほとんどなので、最後のほうで華やかな写真を撮ろうとしがちですが、風下にいる場合は、後半になればなるほど煙が立ち込めて花火がきれいに写らなかったというケースも少なくありません。一般的には、南風が多い夏は北側を避けて、風上の南側にいた方が良いでしょう。
また、花火と一緒に写り込んで良い画になる建造物と、邪魔になってしまう建造物との見極めも大切です。とくに電線や街灯などが花火の手前にあると、“残念な写真”になるので気をつけてください」(金武さん)
スマホで花火撮影につい夢中になり過ぎて、目の前に上がっている素晴らしい花火を、きちんと見ていなかったという場合もあります。「数枚撮影できたあとは肉眼でしっかり花火を見てください」と、金武さんは言います。
花火の色や形、プログラムの構成や迫力などを自分の目で感じて楽しく観覧したうえで、スマホにも素敵な思い出を残してみてはいかがでしょうか。
花火大会の天気 全国約1000会場の開催情報
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取材:金武 武(かねたけ・たけし)
花火写真家。1963年生まれ、神奈川県横浜市在住。花火に魅了され独学で撮影の技術を学び、30歳で写真家として独立。多数の写真展やイベント、メディアなどで独自の花火写真を発表し続けている。著書に『デジタルカメラ超・花火撮影術』(アストロアーツ)など
また、花火と一緒に写り込んで良い画になる建造物と、邪魔になってしまう建造物との見極めも大切です。とくに電線や街灯などが花火の手前にあると、“残念な写真”になるので気をつけてください」(金武さん)
スマホで花火撮影につい夢中になり過ぎて、目の前に上がっている素晴らしい花火を、きちんと見ていなかったという場合もあります。「数枚撮影できたあとは肉眼でしっかり花火を見てください」と、金武さんは言います。
花火の色や形、プログラムの構成や迫力などを自分の目で感じて楽しく観覧したうえで、スマホにも素敵な思い出を残してみてはいかがでしょうか。
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取材:金武 武(かねたけ・たけし)
花火写真家。1963年生まれ、神奈川県横浜市在住。花火に魅了され独学で撮影の技術を学び、30歳で写真家として独立。多数の写真展やイベント、メディアなどで独自の花火写真を発表し続けている。著書に『デジタルカメラ超・花火撮影術』(アストロアーツ)など
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