秋にラニーニャ現象発生の可能性 水温が低下の予想(エルニーニョ監視速報)

2025-07-11 09:06 ウェザーニュース

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気象庁は7月10日(木)にエルニーニョ監視速報を発表しました。

監視海域の海面水温は平常の状態が続いています。秋にかけて水温が低下する傾向がみられ、ラニーニャ現象が発生する可能性が出てきました。

現在は平常の状態が継続

6月のエルニーニョ監視海域の海面水温は基準値からの差が−0.2℃で、前月と同様に基準値に近くなっています。また、エルニーニョ/ラニーニャ現象発生の判断に使用している5か月移動平均値の4月の値も+0.1℃で前月と変わっていません。

太平洋赤道域の海面水温は西部で平年より高く、東部では平年より低くなりました。太平洋赤道域の日付変更線付近の対流活動は平年程度で、大気下層の東風(貿易風)は中部で平年より強く、東部は平年程度でした。

このような大気と海洋の状態は、エルニーニョ現象もラニーニャ現象も発生していない平常であることを示しています。

今後は海面水温が低下する予想

エルニーニョ/ラニーニャの動向を予測するコンピューターシミュレーションの結果によると秋にかけて海面水温が低下すると予測しています。

平常の状態が続く確率は9月が60%、10月が50%となっています。海面水温が基準値より低い状態が継続すればラニーニャ現象となるため、今後の動向に注目です。

▼エルニーニョ/ラニーニャ現象発生の定義
気象庁ではエルニーニョ監視海域の海面水温の基準値との差の5か月移動平均値が6か月以上続けて+0.5℃以上となった場合を「エルニーニョ現象」、−0.5℃以下となった場合を「ラニーニャ現象」と定義しています。

偏西風が平年より北を流れ暑い夏に

太平洋赤道域の西部で海面水温が高いため、インド洋東部からフィリピンの東の海域にかけて対流活動が活発になるとみられます。

この影響で上空を吹く強い西寄りの風、偏西風は平年より北を流れやすく、暑さをもたらす太平洋高気圧の北への張り出しが強くなる予想です。

ラニーニャ現象が発生したとしても秋以降で、夏の天候への影響はほとんどなく、全国的に暑く長い夏になるとみられます。
長期予報 この先3か月の天候見解

出典
気象庁
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