★2025年6月の天体イベント★
月と惑星の接近に注目！

6月1日(日)の未明から明け方、東の低空で明けの明星の「金星」が「西方最大離角(※)」を迎えます。

日の出60分前で金星の高度は20度ほどで、約マイナス4等と非常に明るく輝きます。未明から明け方の東の空で、存在感を放つ金星に注目です。

金星は10月中旬頃にかけて明け方の空で見ることができます。

▼1日(日)に昇る時刻（東京）
金星 2:13　太陽 4:27

(※)西方最大離角
地球から見て金星が太陽から西側に最も離れる現象のこと。
地球の内側を公転する金星は、見かけ上では太陽から大きく離れることがなく、日の入り後の西の空か、日の出前の東の空にしか見えません。太陽から最も離れる最大離角の際は、一般的には普段よりも空高くに昇るため観測チャンスとなります。

6月は空が暗くなった頃、西の空で赤っぽい色で輝く「火星」の姿を見ることができます。明るさは1.3等～1.5等ほどと夜空の中でも明るく輝くため、晴れた日は西の空に注目です。

6月1日(日)には上弦前の月が火星に接近します。21時頃の月と火星の間隔は1度未満という大接近です。寄り添う月と火星の様子をお楽しみください。

▼沈む時刻（東京）
1日(日)　火星 23:26　月 23:32　太陽 18:51

6月の月は、11日(水)16時44分頃に満月の瞬間を迎えます。

アメリカの先住民は季節を把握するために、各月に見られる満月に名前を、動物や植物、季節のイベントなど実に様々につけていました。

農事暦（The Old Farmer's Almanac）によると、アメリカでは6月の満月を「ストロベリームーン（Strawberry Moon／苺月）」と呼ぶことがあるそうです。

実際に月がイチゴのような色に見えるわけではありません。昇りたてのお月さまはイチゴのように赤っぽい色に見えますが、これはこの時期特有のことではなく、夕焼けが赤く見えるのと同じ原理です。

6月は夜半頃に「土星」が、未明には「金星」が東の空に昇ってきます。土星は約1等、金星は約マイナス4等もの明るさで輝くため目を引きそうです。

6月19日(木)の未明から明け方には下弦の半月と土星が接近し、22日(日)の未明から明け方には細い月と金星が近づきます。夜更かしや早起きをした場合は、東の空に注目です。

▼昇る時刻（東京）
19日(木)　土星 0:03　金星 1:56　月 前日23:41　太陽 4:25
22日(日)　土星 前日23:51　金星 1:53　月 1:10　太陽 4:26

6月は日の入り後の西の低空に「水星」が昇ります。中旬から下旬にかけて高度を上げて、東京では18日(水)以降は日の入り30分後の高度が10度を超えてきて観測しやすくなります。

6月27日(金)の夕方には細い月が水星に接近します。日の入り30分後の高度は約10度で、水星の明るさは0.2等です。肉眼でも見ることができますが、双眼鏡を使うと見やすくなります。

空の低い位置で見えるため、西の方角が開けた場所からお楽しみください。

▼27日(金)に沈む時刻（東京）
水星 20:38　月 20:53　太陽 19:01

---

出典・参考
国立天文台「ほしぞら情報」https://www.nao.ac.jp/astro/sky/
国立天文台「暦計算室」https://eco.mtk.nao.ac.jp/koyomi/
アストロアーツ「星空ガイド」 https://www.astroarts.co.jp/
The Old Farmers' Almanac